goo blog サービス終了のお知らせ 

鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

(仮)ヤマト2199星巡る方舟ー外伝ー【メリアの遺産】

2019-10-26 15:59:31 | オリジナル
(仮)星巡る方舟ー外伝ー【メリアの遺産】

小マゼラン銀河外縁部

このところ頻繁に侵攻して来る蛮族=ガトランティス。
ゴルニ宙域での会戦は、ガミラス、ガトランティス双方にとって大事な一戦であった__。
突撃小隊を任されたフォムト・バーガー。
だが、戦局は悪化、疲弊してゆく……。

ドメラーズⅠ世参戦!?



近日、公開!

ティターズーcosmic.seedー第二話①

2019-10-03 20:48:50 | オリジナル



ティターンズーcosmic.seedー

第二話①


訓練の全てのカリキュラムを終了し、私たち三名は、晴れて新たな部署へ移動、配属された。
そして、人体改造が行われていたことなど微塵も知らない私たちは、「漸く」という気持ちで新たな部署である空間警務隊に配属され、自己紹介もそこそこに任務に入った。

待機室でフライトの時を待つ。

その時が来たようだ。

旅客宇宙船インディペンデンス号が出港、地球を離脱した。
一時間後、私たちも発進準備に入る。
私たちが機上する最新鋭機F/A31パラディーンは高機動ブースターを装着する事で、単体で大気圏離脱を可能にする。
特別仕様のフライトスーツ。
通常の空間パイロットスーツではなく、A.I同調・形態記憶対Gサポートシステムパイロットスーツを着用しなくてはならない。
機体に搭載されている全機共通のA.I=ヴィーナスとA.I搭載型アビオニクス
(ヘッドアップ・ディスプレイ)
ヘルメットを介し、同調する事で、より機能向上する。
私たちは「スライムスーツ」と呼んでいる。
身体のラインがくっきり解る。
着ると言うより、包まれてゆく感じだ。
包まれてゆく間は、半透明なのだが、保護色と言うかカメレオンのようにスーツの色が変化してゆく。
色が着くと恥ずかしさは、不思議と無くなる。
白を基調としたパイロットスーツ。
三人とも身体にピッタリ感が、とてもお気に入りだ。
A.Iチップをナノレベルで液体金属に練り込み、今の技術力で出来る限りるめいいっぱい薄く伸ばした生地。
対G、耐寒、耐熱、通気性等に優れた人工知能を備えた生地。
此方をインナーにして、通常の宇宙空間用パイロットスーツをその上から着ても良いくらいに思える。

私たちは待機室を出て、私たちを待つ愛機が格納されているハンガー(格納庫)に向かった。

各自まず、飛行前の外部点検。
機首から時計回りが基本。
そのあと、機体上部をチェック。
次にキャノピーを開け、キックインステップ脇のキャノピー外部コントロールハンドルを使います。
ボタンを押してハンドルを引き出し後方に回します。
コックピットに座り座席のチェック。安全ピンがはずされているか確認。
エンジンをスタートする前に70項目のチェックを行います。

※スクランブルの場合は12項目。

そして、いよいよエンジンをスタートだ。
メカニックに対し指一本あげて合図し、エンジンマスタースイッチをオン。
A.Iヴィーナスが機動、ここからはヴィーナスと二人で発進手順に入る。
ヴィーナスの指示に従い動作する。

「ジェット燃料(JFS)スターターをオン。」

約15秒待つとスターターのレディランプが点灯。
火災警告灯が点灯していない事を確認した。

「エリカ。メインエンジンスタート。」

エンジンをスタートさせた私は、次に指2本立ててメカニックに合図し右側のエンジンスロットルフィンガーリフトを上げた。
スロットルを18%に。

「ファンタービン入り口温度計が600度に安定。」

同じ手順で左エンジンもスタートさせた。
両方点火したらJFSスイッチをオフにし、空気取り入れ口ランプをオート、ECCスイッチをサイクルに。
次にテストスイッチボタンを押して、各システムの警告灯が正常に点灯するかチェック。

「エリカ。オールノーマル。」

同時に慣性航法装置のアライメントを実施。

「ヴィーナス。チェックリストどおりにタキシー前チェック完了。」

メカニックに輪止めを外してもらいタキシングを開始した。
ブレーキを踏んで作動チェック、飛行計器が正常かチェック。

カタパルトへパラディーンが接続された。

「エリカ。メインレーダーON。」

ハーネスを再チェック。射出座席アーム、舵作動チェック、フラップ距離ポジションチェック、トリム距離位置チェック、キャノピーが完全に閉じているかチェック。

「ピトーヒーターON」警告灯が点灯していないか確認。サーキットブレーカーが納まっているかチェック。

カタパルト上でブレーキを踏み込み左右のスロットルレバーをミリタリーパワーまで前進させ回転計、油圧計、燃料流入計、ファンタービン入り口温度計をチェック。
「回転数90パーセント以上、タービン入り口温度322度。」
「ヴィーナス。正常を確認。」

「ブレーキを離し、スロットルを80パーセント。」

「ミリタリー位置まで動かします。」

「此方、管制、オールグリーンを確認した。」
「射出する。」

動き始める機体。
小刻みにエンジンの鼓動が伝わる。

「ピッチ角を10度!」
「射出!」

射出されると同時に水蒸気の雲が、機体を包み込む。
私は、それをおしのけるように速度を上げ、加速させた。
特殊スーツのお陰で、さほどGを感じない。



「アフターバーナー点火!!」

「上昇開始を確認!」

「速度350ノット!!更に加速!!」

旅客機並のG程しか感じない。
そんな感想を考えている内に、我が物顔で機体を包み込む水蒸気の雲は、パラディーンの加速についてこれず、気がつけば眼下、遥か下に消えゆくその姿を確認出来る。
数分後、私たちは成層圏を離脱、星の大海原に到達した。
加速はまだ止まない。
インディペンデンス号が目の前に迫るまで、加速した。



インディペンデンス号。
豪華客船的な要素が、ふんだんに使われた宇宙船。
ただ一つ違いを挙げれば、格納庫が備えられている事。
護衛機でもあるこの最新鋭機パラディーンを最大6機まで収納出来る。
何故なら、この船も我が社である筆菱重工業スペース社が、設計から製造まで請け負って製造された船。
ゆくゆくは、揚陸艦と成る船だからだ。
それ以外は、マジで豪華客船だ。
一流と言う名に相応しいレストランも数店舗、カジノに劇場、お酒を嗜(たしな)むbar、理容に美容、エステ等、街がそっくり船の中に存在する。
景色は漆黒の闇と遠くに見える星。
夜空の景色が永遠に続く退屈な景色。
それを少しでも軽減させる為、地球連邦政府は、軍と共同開発し完成させた人工衛星。
この人工衛星こそが、片道10年もの月日が通常であった地球から土星圏までの航海を僅か三ヶ月で航海可能とした"ワープシステム航法"だ。

【超時空間形成制御システムゲート=ワープゲート】
※ワープゲート間に造り出した"ワームホール"=超時空間トンネルを制御するゲートシステム衛星。



相対性理論によると、物体の相対論的質量は速度が上がるにしたがって増加し、光速において無限大となる。
このため、単純に加速を続けるだけでは光速に達することも、光速を超えることもできない。
そこで、人工の特異点を造りだし利用することにより、超光速を使わずに空間移動を用いている。
これが【超時空間形成制御システムゲート=ワープゲート】である。

超光速航法=ワープ航法というと光より速いスピードとシンプルに考えるかもしれないが、話はそう単純ではない。
例えば宇宙に近道を作るタイプの超光速航法では、光より遅い進行スピードで光より早く目的地に到着する。
これは到着が早いのであって、速度が速いのではない。

現在、このワープゲートは火星軌道上、木星軌道上、土星軌道上と複数存在する。
このシステムが宇宙船のエンジンに組み込まれる時代が来れば、もっとより遠くへ地球人類は足を運ぶ事が可能だ。

「そんな時代が来れば銀河旅行も夢ではないな。」私の心に「ふと。」浮かんだ。

今、私たちは木星圏にいる。
地球を出発して一ヶ月が過ぎた。
月軌道でインディペンデンス号に着船して一週間で火星軌道上に到着、大抵の乗客は、ここから低温睡眠を選ぶ。
一ヶ月以上も風変わりしない景色に飽きるからだ。
レストランや娯楽施設が、いくら24時間で営業していても景色は代わり映えしないし、寄航して大地に足を下ろす事ない。
クルーに関しては、四交代で勤務する。
私たちは三交代でスクランブルに備える。
何故、スクランブルがあるかって?
それは特にこの宙域では、隕石による事故が昔、多発したからだ。
衝突の疑いがある隕石をレーダーで捉えた時点でスクランブルが掛かる。
例え「これ、絶対ぶつからない。」と思っても、万が一に備え、発船(スクランブル)する。
不謹慎だけど、「暇つぶし。」には丁度いい。

次のワープゲートまで8時間と成った。
私は雨宮中尉と交代し、仮眠を取る事にした。
だが、なんと表現したら相応しいのか一応、今は"夢魔"と表現するけど、私はその夢魔に夢の中で襲われた__。
イメージ曲into the night中森明菜ver.


第二話②へ
つづく。




アインシュタインの方程式

アイザック・ニュートンが導いた万有引力の法則を、強い重力場に対して適用できるように拡張した方程式であり、中性子星やブラックホールなどの高密度・大質量天体や、宇宙全体の幾何学などを扱える。

一般相対性理論によれば、大質量の物体は周囲の時空を歪ませる。
すなわち、重力とは時空の歪みであるとして説明される。
アインシュタイン方程式である。

おおざっぱに言えば、星のような物質またはエネルギーを右辺に代入すれば、その物質の周りの時空がどういう風に曲がっているかを読みとることができる式である。
空間の歪みが決まれば、その空間中を運動する物質の運動方程式(測地線方程式)が決まるので、物質分布も変動することになる。




この物語りに登場する人物、メカ類等は架空です。
実在する人物、メカ類等とは関係ありません。

使用している画像はイメージです。

一部、NASAの資料及びWikipediaより引用。

ティターンズーcosmic.seedー

2019-09-28 21:35:12 | オリジナル

ティターンズーcosmic.seedー


第一話


今の地球には多国籍の軍が存在する。
地球を一つの国家とし、地球連邦政府と地球連邦防衛軍が設立したが、これにより、仮想敵国と成る"国"が存在しない。
その為、仮想敵国は、もっぱら"地球外生命体"である。

人体改造が行われていた ことなど微塵も知らない私たちは、「漸く」という気持ちで新たな部署である空間警務隊に配属され、自己紹介もそこそこに任務に入った。
宇宙空間用のパイロットスーツに
着替え、ミッション遂行の為、発進した。


◆◆◆◆


二百年前__。
西暦2100年・地球


地球環境をこれ以上、悪化させない為、また、地球を一つの"国家"とする目的から、このプロジェクトは立ち上がり、立ち上げから漸く百年、一世紀という長い時間を使い成し遂げられようとしていた。

西暦2200年、それには先ず、人類の大半を第二の地球と成りうるスペースコロニーに住まわす事から始まった。
月の軌道上に試験的にスペースコロニーを建設、新たに発足された地球連邦政府は、更に百年の時間を使い、西暦2300年、これを数十基まで増やし、可能にした。
そして、飛躍的技術の進歩により、今まで土星圏まで片道十年という長い月日を用した宇宙航海も僅か三ヶ月程で到着出来る程と成った。
だが、地球連邦政府はこれ以上、月の軌道上にスペースコロニーの建設は、地球と月の重力のバランス、流星(隕石)などの衝突を理由に無理と判断、そこで白羽の矢が立ったのは地球環境に似ているとされる土星の衛星タイタンである。
連邦政府は、このタイタンを"テラフォーミング"しようというもの。

【土星衛星タイタン】

タイタンまたはティタン(英語: Titan、確定番号:Saturn VI) は、土星の第6衛星で最大の衛星である。

木星の衛星であるガニメデに次いで、太陽系では2番目に大きな衛星で、よく「惑星のような衛星」としても記述される。
地球の月と較べて半径は1.48倍、質量は1.8倍である。
最小の惑星である水星よりも大きいが、質量はそのわずか40%しかない。

オランダの天文学者クリスティアーン・ホイヘンスによって1655年3月25日に、土星を公転する衛星として初めて発見された。
太陽系全体では地球の月、木星の4つのガリレオ衛星に次いで、6番目に発見された衛星である。
土星半径の約20倍離れた軌道を公転しており、タイタンの表面から見た土星の大きさは約5.7度で、地球から見た月の11倍程度の視半径である。

タイタンは主に氷と岩石で構成されている。
以前の金星と同様に、分厚く不透明な大気によって、タイタンの表面に関してはほとんど知られていなかった。
2004年以降、探査機カッシーニ・ホイヘンスによって、タイタン極地に液体炭化水素の湖が発見されるなどの新しい情報がもたらされた。
地質学的に若い地表面はほとんど滑らかであり、クレーターが僅かにある程度だが、山や氷の火山と推定されるものが発見されている。

太陽系の衛星の中では唯一、濃い大気を持っている。大気の大部分は窒素であり、残りの僅かな成分はメタンとエタンから成る雲や、窒素に富んだ有機スモッグである。
また、地球以外の天体で、安定した液体の存在が明確に確認されている唯一の天体でもある。
タイタンには液体メタンの雨が降り、メタンおよびエタンの川や湖が存在すると考えられていた。
このことは、2005年カッシーニ探査により確認されている。
風雨を含む気候は、砂丘や、液体メタンとエタンによる河川、湖、海、三角州といった地球と似たような特徴的な地形を作り出している。
タイタンにある液体(表面と表面下層)と濃い窒素の大気は、94 K(-179.2 ℃、-290.5 ℉)という極低温の状況下で、地球の水循環に似たメタン循環を起こしている。

「これがカッシーニが調査した今から約三百年前の資料である。」
「そして、その計画が完了するまでの仮の施設がこのコロニーティターン。」
「テラフォーミングが完了した暁には、改良や改装して警務隊が基地として使う予定。」
「基地として使う目的は流れ星、即ち隕石やデブリ(宇宙の塵)などのタイタンへの落下を防ぐ事が、主な使用目的。」


ー西暦2300年初頭ー
土星圏:衛星タイタン上空


【土星圏:衛星タイタン・コロニーティターン】※イメージ

まだ二割強しか移住区画が建設途中のコロニーではあるが、既に地球からの移住者が暮らしている。
そして、今日、新たに第二陣の移民者を乗せたスペースクルーザー(インディペンデンス号)が入港して来る。

そして、もう一つ、この事件の元と成るものが入港して来る。



私は、広末エリカ。
筆菱重工業スペース社=私設軍空間警務隊隊員。

階級は大尉。パイロット。

性別は女。

年齢25歳。(独身)

髪型は私設軍に入隊してから、ショートにしている。それまでは、背中の中程くらいの長さにしていた。

身長170Cm 女性にしては、高身長に入る。
スリーサイズは83/57/86

国籍は日本。

そして私は、この事件と関わりを持った一人。
被害者であり加害者でもある。
私は加害者の路を歩み続ける事に成る。

この話の前に私たち隊名でもあり、このコロニーの名前でもある"ティターン"の由来を話すとしよう。
由来は、土星は英語で「サターン」(ローマ神話の農耕神サートゥルヌスのこと。)サートゥルヌスはギリシャ神話のクロノスと同一視される。
このクロノスは「タイタン」(ティーターン、ティタン、チタン)と呼ばれる神族の一柱である。
日本では「タイタン」という英語読みの表記や、ティタンという表記が用いられてる。
これに因んで命名された。

タイタンは地球上における15日と22時間で土星を公転している。
タイタンは自転と公転の同期のために、恒久的に同じ面を土星に向けており、土星に対して潮汐固定を起こしている。
主惑星との潮汐相互作用により多くの衛星の自転公転周期が一致しているが、タイタンにおいても自転周期と公転周期は同期している。

このため、タイタンの表面上にはsub-Saturnian point(土星直下点の意)と呼ばれる、土星がいつも天頂に見える地点がある。
タイタンの経度は、この地点を通る子午線から西向きに測定される。
離心率は0.0292で、軌道は土星の赤道から0.306度傾いている。
地球から見ると、タイタンの土星からの角距離は土星半径の約20倍(120万 km強)である。

土星が太陽の周りを公転するのには地球の時間で29年を要し、したがってタイタンも29年で太陽の周りを公転する。
地球と同じように地軸が傾いているため、「季節」変動がある。
タイタンの「1年」は地球の29年に相当し、ひとつの「季節」は地球での7年あまりの長さがある。

タイタンの話は、これくらいにして、ここからは、さっき後回しにした話を話そう。

私は大尉という階級があるが、正規の軍属ではない。
軍と警察や消防が混ざった組織に属している。
その昔、日本には"自衛隊"と呼ばれた組織が存在した。
軍の装備を所有し、軍と同じ訓練を行うが、憲法上、当時は"軍"ではなかった。
他国から見れば"軍"なのだが。
何が言いたいか、そう私が所属する空間警務隊は、正にそんな感じだ。
ただ自衛隊と違うのは地方公務員ではなく、民間の企業が運営する"民間の軍"だ。
私設軍と言ったら分かりやすいかな。
主に兵器開発、製造を担う民間企業。
連邦防衛軍の天下り先とも言われている。

今の地球には多国籍の軍が存在する。
地球を一つの国家とし、地球連邦政府と地球連邦防衛軍が設立したが、これにより、仮想敵国と成る"国"が存在しない。
その為、仮想敵国は、もっぱら"地球外生命体"である。


◆◆◆◆


時は今から六ヶ月前にさかのぼる。
私は、このミッションに参加する為、地球連邦政府の宇宙総合開拓事業団が管理運営する研究施設に入所した。
管理運営は政府だか、宇宙での活動訓練は軍が介入し、指導している。


ー西暦2299年・夏ー


「選抜され、この研究所に入所した君たちは、言わばエリートである。」
こう告げて来る当該施設、研究所の所長は、背格好からして40代半ばから50代前半と言ったところ。
詳しい年齢などは、あまり話す事もなかった事から分からない。
特徴としては、面長で細い眉、狐目。
中肉中背の男性と言った感じ。
国立医大をトップで卒業したくらいしか分からない。
これ以上、分かりたいとも思わないけどね。

訓練と言えば、今では当たり前に成って来ている飛行訓練、水中を無重力地に見立ての制限時間内で課題をこなす訓練などが主な訓練で、体力向上のトレーニングや人工的に無重力を作り出す装置が設置された室内で遊泳しながらの作業訓練を繰り返す。
これを朝九時から夕方五時まで昼食と休憩を含む実働六時間を週六日それを半年。
早出も残業も無いが施設から一歩も出れないというストレスが、漏れ無く付いてくる。
それだけなら良かったのだが__。

まさか知らず知らず内に"人体改造"されていたというオマケも付いて来た。
これについては、この忘れたくても忘れられない事故と処理された"事件"私の記憶が完全に抹消されない限り、無くならない。いや、人類が死滅しなけば無くならない。


ー訓練初日ー


私を含め三名が入所した。
先ず、自己紹介から始まった。

雨宮舞子。

筆菱重工業スペース社=私設軍空間警務隊隊員。

階級は中尉。パイロット。

性別は女。

年齢23歳。(独身)

髪型はセミショート。

身長165Cm 。

スリーサイズは85/57/86

国籍は日本。

そして私同様、この事件と関わりを持った一人。
被害者であり加害者でもある。

クリス・アレクサンド・今井。

筆菱重工業スペース社=私設軍空間警務隊隊員。

階級は大尉。パイロット。

性別は女。

年齢25歳。(独身)

髪型はロング。

身長175Cm 。

スリーサイズは86/58/90

国籍はアメリカ。日本人の母を持つハーフ。

そして私同様、この事件と関わりを持った一人。
被害者であり加害者でもある。

そして、最後に私が自己紹介した。
この時は、私を含め選ばれた三名が女性だった事に何の疑問も感じなかった。
ミッションが終るまでは。

自己紹介が一通り終わり、一限目が始まった。
一限目は、軍や警察、消防その他、海上保安等に携わる者は必ずやらされる基本教練だ。
「気をつけ。」「休め。」「敬礼。」
「楽に休め。」「帽子を脱いでいる時の敬礼。」「右向け右。」「左向け左。」「回れ右。」「半ば右向け右。」などをひたすら一時間やらされた。

二次限目。
二次限目も、基本教練の続きだ。
それに加えて、「前へ進め。」「止まれ。」「右向け前へ進め。」「左向け前へ進め。」「半ば右向け前へ進め。」「半ば左向け前へ進め。」「駆け足前へ進め。」等をこれも、ひたすら一時間やらされた。
三名全員が「よし。」と合格するまで何度やらされたか分からない。
やった事はあるが、何せ民間の企業で行われるレベル。
頭のテッペンから足の指先まで、張り詰めた神経と気を維持する事で、たったこれだけの行動で、汗びっしょりだ。

「くそっ。ホームベース野郎。」私は心の中で愚痴るように呟いた。
「ホームベース野郎」とは私が勝手に付けた指導員のあだ名。
何故、ホームベースかって?
まあ。想像がつくと思うけど、顔の輪郭がホームベースに似ているのよ。
背格好は私より低く165~8有るか無いかくらいのずんぐり体型。
何時も口が「への字」に曲がってる50代のオッサンタイプ。

「よし。15分、休憩。」指導員が告げた。

休憩の15分、私語する者は居なかった。
私を含め三名は喋る気も失せるくらいぐったりしていた。
休憩が終わり、三限目。
三限目は、一限目の復習と二次限目の復習が行われた。
そして、昼食の休憩が一時間与えられた。
四時限目と五時限目は、基礎体力測定だ。
先ずはウォーミングアップとして、この時代でまさかのラジオ体操だ。
クリス大尉が「クスッ。」と笑った。

「やめぇ!」
「何が可笑しい?クリス大尉。」
「全員、はじめからやり直し!」

「マジ!?」と思いつつ、はじめからラジオ体操をやり終えた。

「次は五キロを自身のベストで走れ。」
「ジョギングではないからな。」

「ピッ!」と指導員が笛を吹く。
五キロのマラソンがスタートした。

「……トップが八分か。」
「初日としては、こんなもんか。」
「広末大尉。」
「はい。」私は何故呼ばれたか分からなかった。
「腕立て伏せよーい。」

「えっ!?」と思いながらも、ボサッとしてまた、走らされてはかなわない。
そう思い腕立て伏せの体制を取った。

「トップから五十秒遅かったな。」
「腕立て伏せ五十回、はじめ!」
「二人は楽に休め。」

「五十回!?マジ!?」

「……46.47.48.49.50」「よし。」
「全員、30分、休憩。」

休憩が終わり、100メートル、50メートルと計測、反復横跳び、垂直跳び、スクワット、腕立て伏せ等をこなし、十七時を回ったところで、一日目の課題が終了した。

「本日の訓練を終了する。」
「今週は、この訓練の繰り返しである。」
「明日は、今日よりも成績を出せるよう、しっかり休め。」
「消灯まで自由にしてよし。解散。」

解散後、入浴を済ませ、夕食を取り、施設内を探索した。
これから半年、一歩もこの敷地から出る事が許されないのであるならば、早めにこの敷地内の何処に何があるのか把握しておく事が、得策と思ったからだ。
カフェもコンビニ的な店もカットハウスも、とりあえず生活に必要と思える場所は存在する。
とにかくキツイのも一週間だと思い、乗り切る事にした。
基本訓練ばかりの一週間が、こうして過ぎ、二週、三週目は徹底して飛行シミュレーションをやらされた。
四週目に入り、この三週間で訓練した事の総合訓練、この頃になると基礎体力も向上したのか、休憩で"ヘタレ込む"事はなくなっていた。

「明日から飛行訓練に入る。」
「第一ハンガー前に09:00に集合せよ。」
「以上、解散。」

こうして私たち三名は、漸く念願の飛行訓練に移行する。

翌朝09:00第一ハンガー前に集合した私たちは、健康チェックを受ける為、医務室へと足を運んだ。

だが、ここから私たち三名は"魔"の路を歩む事に成る__。
それを知ったのは、地球に帰還して、四ヶ月後である。


「うふふ。」


◆◆◆◆


雨宮中尉、クリス大尉そして、私の順で診察室へ入った。
それぞれが別々の診察室へ入室した。
この時は、一分一秒でも早く診察を行い、飛行訓練に入る為だと思っていた。

だが、それは違っていた__。

入室すると女医が直ぐに目の前の椅子に座るよう指示をして来る。

「この施設の女医で広末大尉、あなたの担当医の葉山です。」
「これから宜しくね。」

「あっ。はい。此方こそ宜しくお願いします。」

「残り五ヶ月、これからは、今まで以上に身体に負荷がかかる訓練だから、ちょくちょくお会いする事になるわね。」

私はその指示に従い、腰を下ろした。
問診が始まった。
一通りの問診が終わり、身長、体重を測るので下着だけ着用と指示が来る。
計測が終わり、残りは採血と心電図を計れば終わりと成った。
私は指示された診察ベッドに仰向けに寝た。

「……なっ!何!?」
「……おかしい?急に睡魔に襲われた。」
声も出せない。
焦りと不安が頭の中を駆け巡る。
いつの間にか私は眠っていた__。

「……眠っていた!?」
私は自問自答した。
眠っていた感覚はあるものの記憶はない。
「気のせいか……。」

「はい。心電図は終わりました。」
「採血しますので身体を起こして下さい。」
笑顔を覗かせる女医。
私は「はっ、はい。」と少し焦りぎみで、指示に従った。
採血が終わり、私は医務室をあとにした。
クリス大尉も別の診察室から出てきた。

「今、終わり?」
「私も今、終わったとこ。」

「あっ。クリス大尉と広末大尉。」
雨宮中尉が声を掛けてくる。

少し先に診察を終わらせた雨宮中尉が寄って来た。

「あっ。残り時間が半端だからフライトは、次の時限だってさ。」
「このあとはシミュレーションダってさ。」

「フウン。」

「そうシミュレーションなんだ。」

「そう言えば、私の担当医が凄く綺麗な人で、背がスラッとしてて、ボン、キュ、ボンな同性でも惚れちゃうって感じ。」
「髪型なんて女医さんとは思えない髪型でさ。」
「なんて言うか。サイドバックで、やや長めの前髪が垂れてる感じが良いのよね。」
私はこの時、私の担当医もそんな感じと思ったけど、全然、気にする事なく、そんなたわいもない会話をしながら控え室に向かった。
おそらくクリス大尉も、同じように思っていたと思う。
口には出さなかったが、私には、そう感じ取れた。
シミュレーションが終わり、休憩を挟んで、二次限目、フライト訓練に入る前に私たちは、機体の隅々まで、指導員の説明を聞きながら見て回った。
最新鋭の機体だった。
正規軍のエースパイロットが使用している最新鋭を"私たちが"と思った。

「まぁ。自社製品(筆菱重工業スペース社)だからな。」と都合良く納得する事にした。

【コロニー防衛戦闘攻撃機 F/Aー31
パラディーン】

「この機体が君たちの機体だ。」
「一日でも一分、一秒でも早くコイツを自分の手足のように扱えるように成って貰う。」

先ずは基本飛行訓練「タッチアンドゴーをやって貰う。」
「見本を見せるから雨宮中尉から順に、やってみろ。」

【タッチアンドゴー】
(英: Touch-and-go, Touch-and-go landing)

基礎飛行訓練科目であり、滑走路上での航空機操作行動の1つである。
航空機を使用した飛行訓練時に学ぶ航空用語でもある。
同時に滑走路上で再び離陸体勢にならず完全停止状態になる行動も含み、着陸を行う滑走路の路面状況を判断するためにも使用される。

通常、操縦士(訓練生)はトラフィックパターンと呼ばれる滑走路を中心とした左回り長方形の場周経路を旋回し訓練を行い、最終目標である滑走路へと着陸した後、続いて離陸体勢を取り再度加速し滑走路を離陸して行く。
この場周経路は離陸、上昇、旋回、水平飛行、降下、着陸と航空機を操縦するにおいて全ての操作が含まれているため、これを幾度も繰り返す事により航空機の挙動や特性、航空法規や無線技術などを習得する上で非常に有効であり、一般的に飛行訓練では必ず行われている。


◆◆◆◆


そんな訓練、訓練また訓練の日々が続き半年が終わろうとしていた。
久しぶりに三人で大浴場に足を運んだ。
大浴場は街で言うならスーパー銭湯かな。

「あとを三日ね。」
「あと三日で訓練も卒業だね。」
クリス大尉が湯船に浸かり、話掛けて来た。

「うん。だけど卒業の日と明後日の外出OK休日だから、あと一日だ。」
雨宮中尉が私より先に返事を返した。

「そっか。明日の課題がラストか。」
「でも、自由課題って何だろうね。」


卒業二日後__。


人体改造が行われていたことなど微塵も知らない私は、「漸く」という気持ちで新たな部署である空間警務隊に配属され、自己紹介もそこそこに任務に入った。
最大速度: M3.5(高機動ブースター装着時マッハ10.0)の高機動ブースター使用時は、通常の空間パイロットスーツではなく、A.I同調・形態記憶対Gサポートシステムパイロットスーツを着用しなくてはならない。
私たちは、それまで着用していた制服をと下着を全て脱ぎ、ショーツ一枚分の形態記憶合金で出来た生地を下腹部にあてがう。
生き物のように生地が身体に合わせ、這うように部位に合わせながら伸びてゆく。
「まるでゲームに出てくるスライムみたいな。」
首から下、全部を包み完了した。
身体のラインがくっきり解る。
着替えを整え、待機室でフライトの時を待つ。


◆◆◆◆


【コロニー防衛戦闘攻撃機 F/Aー31
パラディーン】

乗員: 1名

全長: 19.4m

全高: 5.6m

空虚重量: 12,973kg

最大離陸重量: 30,845kg

エンジン:熱核ターボファン可変エンジン×4基
サブパワーユニット:高機動ブースター×4基

性能

最大速度: M3.5(高機動ブースター装着時マッハ10.0)
※高機動ブースター使用時は、通常の空間パイロットスーツではなく、A.I同調・形態記憶対Gサポートシステムパイロットスーツを着用しなくてはならない。

巡航速度: M2.0

可変サイクルエンジンを4基搭載。
推力はアフターバーナー及び高機動ブースター使用時で280トンを超える。



武装

固定武装
20mmバルカン砲×1(装弾数:2.000発)

プロトン粒子レールガン
両翼に固定された武器
プロトン粒子ビームを放つ武器。
威力は、エネルギーを最大までチャージした時に発揮される。
チャージにある程度、時間を必要とするが、ショットを連射可能。
貫通力は武装ので中では、一番ある。

サブウェポン

レーザー砲
機体下部に装備されている目標物を貫通する威力の高い武器。
発射中に砲搭を旋回させる事(360度旋回可能)で有効範囲も広げる事が可能。
障害物を超えて目標物を攻撃できる利点を持つ。
但し、エネルギーチャージに時間が掛かるのが欠点でもある。

対空ミサイル。
短射程空対空ミサイル。
目標選択アルゴリズムにより、ミサイル同士は、同じ目標を狙わないという機能を持ち、複数の目標物に効率よく当てる事が可能。

グレネード。
発射後に、凄まじい閃光と爆発を起こす高性能爆弾。
弾数が限られている。(6発)
武器の中では、攻撃範囲、威力ともに最高の性能を持つ。



A.I搭載型アビオニクス
(ヘッドアップ・ディスプレイ)

レーダー警戒装置
機上電波妨害装置
 チャフ・フレアディスペンサー
後方警戒装置
統合電子戦システム

単独での大気圏離脱が可能

サポートAIとして、ボイス対応タイプ人工知能搭載(ヴィーナス全機共通。勝利の女神に因んで付けられた。)



名門航空機メーカー筆菱重工業スペース社が制作した正式名【宇宙空間コロニー防衛戦闘攻撃機F/Aー31】

機体名パラディーンの由来は、
パラディン(Paladin)聖騎士=高位騎士に因んで付けられた。


◆◆◆◆


第二話へ
つづく。


この物語りに登場する人物、メカ類等は架空です。
実在する人物、メカ類等とは関係ありません。

使用している画像はイメージです。

予告編②(仮)ティターンズーcosmic.seedー

2019-09-28 06:34:00 | オリジナル

予告編②(^^ゞ

ー西暦2300年初頭ー
土星圏:衛星タイタン上空


【土星圏:衛星タイタン・コロニーティターン】※イメージ

まだ建設途中のコロニーではあるが、既に地球からの移住者が暮らしている。
そして、今日、新たに第二陣の移民者を乗せたスペースクルーザー(インディペンデンス号)が入港して来る。

そして、もう一つ、この事件の元と成るものが入港して来る。



私は、○○大尉。

※イメージ特徴


このスペースコロニーの警務隊隊員。
私は、この事件と関わりを持った一人。
被害者であり加害者でもある。
私は加害者の路を歩み続ける事に成る__。


近日公開!
ちゃんとラストまで書くよ(^^;