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約日刊おもいつ記Z

気の向くまま~んに。つれづれなるまま~んに。お気に召すまま~んに。

MILK

2009-05-29 23:43:11 | movie
映画「MILK」。

ゲイ社会のキング牧師、ハーヴェイ・ミルク。
実在した彼の半生を描いた伝記的映画。
というより、ドキュメンタリーに近いかもしれない。

“悪魔狩り”のような国を挙げての同性愛者への迫害。
1970年代のアメリカでこんなことが堂々と行われていたと思うと、
背筋がゾッとする。。。

でもこうしている今も、どこかで差別と偏見が渦を巻いている。
ときに言葉で、ときに態度で、ときに暴力で。
一日中神に祈っている国が、理不尽な理由で
一日中人を殺し合っていたりもする。
人間っていったい、なんなんでしょ。

とにかくショーン・ペン。
本物の顔は知らなくても(エンドロールに出てくるが)
「この人がミルクなんだな」と思わせてしまう。
演技とは思えない説得力。スゴイ俳優だ。。。

“希望だけでは生きられない。
けれど希望がなければ生きる価値はない”

ミルクが、そう言ってるじゃないか。

何事も、まずは「動き出すこと」。
ですな。




映画「MILK」(2008米国:128分)
監督:ガス・ヴァン・サント 脚本:ダスティン・ランス・ブラック
出演:ショーン・ペン/エミール・ハーシュ/ジョシュ・ブローリン/ジェームズ・フランコ他




ダークナイト

2008-12-03 23:09:30 | movie
映画「ダークナイト」を観る。
いまさらですが。すいません。

もたもたしていたら公開時に見逃してしまい、
ガックーン・・・と大ショックを受けてしまったのだが。
ようやく観ましたよ。バリに向かう飛行機の中で。

噂に違わぬ作品。
すばらしーです。

何と言っても、ヒース・レジャー。
ジョーカー役はニコルソンしか演じられないと思っていたのだが
完全にイッチャッテル感じが、もうたまらない。
ストーリー運びには、ちょっと物申したいところがあるが
(あまりにも救いのないまま悪者扱いされるバットマンとか)
それを超越したヒースの演技。

個人的には「ブロークバック・マウンテン」が“金返せ映画”だったので
とくに思い入れはなかったのだが、この演技を最期に電撃的に亡くなったことは
ある意味で伝説の役者といってもいいのかもしれない。

DVD。買いです。



映画「ダークナイト」(2008年アメリカ:152分)
監督:クリストファー・ノーラン 脚本:ジョナサン・ノーラン/クリストファー・ノーラン
出演:クリスチャン・ベイル/ヒース・レジャー/マイケル・ケイン/ゲイリー・オールドマン/モーガン・フリーマン他



百万円と苦虫女

2008-08-26 22:54:38 | movie
映画「百万円と苦虫女」を観る。

とある事をきっかけに各地を転々とするヒロイン。
そこで起こる人々との出会いと別れ、不器用な恋。

海の町、山の町、近郊の町。
行く先々で、ささやかなドラマがある。

自分探しの旅ではなく
自分を探さないための旅。
そう銘打ったヒロインは
旅をするごとに少しずつ成長を繰り返していく。

ネタバレになるので、あまり書き残せないですが
恋の展開は途中で読めてしまった。
しかし、ラストはあれでよかった。

最後に発した彼女のセリフは
終わりではなく、はじまりの言葉。
人生はそうやって進んでいくのだ。

蒼井優はいい。



映画「百万円と苦虫女」(2008年日本:121分)
監督&脚本:タナダユキ 音楽:櫻井映子/平野航
出演:蒼井優/森山未来/ピエール瀧/齋藤隆成/竹財輝之助/堀部圭亮/笹野高史他


ぐるりのこと。

2008-06-24 12:25:19 | movie
映画「ぐるりのこと。」を観る。


すばらしー。


カナオと翔子。一組の夫婦が紡いだ物語。

橋口亮輔が同性愛以外を題材にして撮った映画を
はじめてみたわけだが。この人はやはり優秀だ。
こんな映画、凡人には作れない。
冒頭にある二人の部屋の長回しのシーンは
ここ数年見た邦画の中でもNo.1の名場面だと思う。

さらりと触れるだけで壊れそうなのに
でも、決して離れることのない絆。

《夫婦って、いったいなんだろう》

そんな大仰な疑問を抱きながらも、
僕はもうすぐ、その夫婦とやらになる。
だから、もう否応なく
カナオと翔子の姿を“僕”と“彼女”に置き換えてしまうわけで。
愛する彼女が、精神的にツライものを背負ってしまったら・・・
愛する彼女が、悩み、苦しみ、その輝きを失ってしまったら・・・
生きることには技術がいる。
生きることは簡単じゃない。
誰にも起こり得るそんな毎日を、
こんな二人の様に向き合えたら・・・どんなに幸せなんだろうか。

観てよかった。
心からそう思う。



映画「ぐるりのこと。」(2008年日本:140分)
原作&脚本&編集&監督:橋口亮輔
出演:木村多江/リリーフランキー/寺島進/安藤玉恵/八嶋智人/倍賞美津子/柄本明他



最高の人生の見つけ方

2008-06-12 14:29:18 | movie
映画「最高の人生の見つけ方」を観る。

ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンの競演。
これだけでも見る価値はある。

余命6ヶ月の二人の老人が「やりたいことリスト」を手に、
様々なことに挑戦、希望に満ちた余生を描くヒューマンストーリー。

よくあるテーマだけど、普通にいい映画。
個人的にはニコルソンの見せ場がもうちょっと欲しかったけど
名優二人の友情と笑顔に、思わずホロッ。ホロッと。

ただ気になったのは邦題。
「最高の人生の見つけ方」って・・・
もう映画の内容全部、言っちゃてるじゃん(笑)
作品が急に陳腐に見えてしまう。もったいない。
「THE BUCKET LIST」(直訳するとバケツ・リスト?)という
原題のままの方がよかったし、むしろイメージにあっていた。

タイトルって大事だ。



映画「最高の人生の見つけ方」(2007年アメリカ:97分)
監督:ロブ・ライナー 脚本:ジャスティン・ザッカム 音楽:マーク・シェイマン
出演:ジャック・ニコルソン/モーガン・フリーマン/ショーン・ヘイズ/ビヴァリー・トッド他




バンテージ・ポイント

2008-03-31 17:32:52 | movie
映画「バンテージ・ポイント」を観る。

大統領を狙った一発の銃弾。
果たして、撃ったのは誰か。
ひとつの事件を8つの視点から描く。

ここんとこ、いわゆる感動系の映画しか
良作と評価できなかったのだが
これは素直に面白かった。

テンポのいい疾走感と観る者を引きつける緊張感。
繰り返される映像手法は「木更津キャッツアイ」を想起させる。
ラストは決して「大ドンデン返し」ではないんだけど(笑)
結末が近づくにつれて、思った以上にドキドキしてしまう。

キャスティングも渋い。
主演のデニス・クエイドはもちろん、「LOST」のマシュー・フォックス、
「ラストキング・オブ・スコットランド」のフォレスト・ウィッテカー、
名優ウィリアム・ハートにシガーニー・ウィーバーまで。

娯楽映画の良作。


映画「バンテージ・ポイント」(2008年アメリカ:90分)
監督:ピート・トラヴィス 脚本:バリー・L・レヴィ 音楽:アトリー・オーヴァーソン
出演:デニス・クエイド/マシュー・フォックス/フォレスト・ウィッテカー/ウィリアム・ハート他




人のセックスを笑うな

2008-03-04 22:45:26 | movie
映画「人のセックスを笑うな」を観る。

永作博美。
松ケン。
蒼井優。
役者陣はとても魅力的だ。役者陣は。
自然なセリフのやりとりで、思わず
ドキュメンタリーでも観てるような錯覚さえ起きる。
さすが芸達者揃い。前半は永作のPVだ。

しかし
映画としては微妙。

期待度が高かっただけに
ちとショックがでかい。

冗長すぎるシーン。
監督としては“余韻”とかそんなものを込めていたと思うが
残念ながら、あまり伝わってこなかった。ムダに長い。
ダルダルな脱力系の作品は嫌いではないけど、これはイカン。
もうちょっと全体的にテンポがあった方が良かったかな。
役者がいいだけにモッタイナイ。

シネセゾン渋谷は連日超満員。
確実に観たいならWEB予約がオススメ。
でも正直、そこまでして観る映画かどうかは疑問。
好きな人は好き、ダメな人はダメ。
賛否両論ハッキリする映画かもしれない。

蒼井優と忍成修吾の共演は「リリィシュシュのすべて」を思い出す。
あれは8年前。代々木競技場。
ちょっとでも岩井作品に関わりたくて撮影に参加させてもらった。
エキストラで。
もちろん、1ミリも写っていなかったが。



映画「人のセックスを笑うな」(2008年日本:137分)
原作:山崎ナオコーラ 監督:井口奈巳 脚本:本調有香/井口奈巳
出演:永作博美/松山ケンイチ/蒼井優/忍成修吾/温水洋一/あがた森魚他



チーム・バチスタの栄光

2008-02-28 21:10:52 | movie
映画「チーム・バチスタの栄光」を観る。

原作は読んでいるので、すでに犯人は知っていた。
(そう、アノ人ですね、アノ人)
なので謎解きの行方は無視して、あの原作を
どこまで映像化できたのかを気にしながら拝見。
といっても、主役が男→女に変わってる時点で
原作とはまったくもって別物なのだが。



ビ、ビミョー・・・
とゆーより、予想通りの物足りなさ。
まあ、あんなモンじゃないっすかね。

良くも悪くもテレビ的。
映画ではなくSPドラマとかの方がまだよかった。
果たして映画でやる意味があったのかどーか。
最後の主題歌もヒドイ。
EXILEはないだろ、EXILEは。

竹内&阿部の組み合わせは悪くないと思うのだが
この“田口&白鳥”シリーズに関してはマイナスか。
人気シリーズの作品だけに続編の制作も予想されるが
たぶん、おんなじような映画になるんだろーなぁ(笑)

やっぱ打ち止めってことで。
お疲れさまでした。



映画「チーム・バチスタの栄光」(2008年日本:120分)
原作:海堂尊 監督:中村義洋 脚本:斉藤ひろし/蒔田光治
主題歌:EXILE
出演:竹内結子/阿部寛/吉川晃司/池内博之/玉山鉄二/井川遥/田中直樹/田口浩正/佐野史郎/野際陽子/國村準他


アメリカン・ギャングスター

2008-02-18 14:00:38 | movie
映画「アメリカン・ギャングスター」を観る。

伝説の麻薬王フランク・ルーカスの実話を基にした作品。
二大スターの競演。ダークで重厚な世界観。
ただただ淡々と描かれる2人の男の人生。
久々にギャング映画の王道を見た。

だけど期待度が高かっただけに、ちと物足りない気がするのも事実。
「デンゼル・ワシントンVSラッセル・クロウ」という名優同士の演技バトルが
ほとんどないまま終わってしまう。テーブルを挟んで対峙するぐらい。
前半~中盤までの中だるみなエピソートを削ってでも
この2人の対決が、もっと見たかった。

あっさりしすぎのラストには賛否両論あると思うが
個人的には、アレでよかったと思う。

デンゼル・ワシントンの哀愁顔は鉄板ですな。



映画「アメリカン・ギャングスター」(2007年アメリカ:157分)
監督:リドリー・スコット 脚本:スティーブン・ザイリアン 
出演:デンゼル・ワシントン/ラッセル・クロウ/キウェテル・イジョルフォー/キューバ・グッディングJr他


潜水服は蝶の夢を見る

2008-02-12 19:38:40 | movie
映画「潜水服は蝶の夢を見る」を観る。

きた
名作

脳梗塞で左目のまぶた以外の自由を奪われた雑誌編集者が、
20万回ものまばたきを駆使して手記を書き遺す。

重いテーマだけに、いかにも“お涙頂戴”系の作品かと思いきや
ライトでファンタジック、巧妙な映像表現で描ききった快作。

冒頭のシーンから、映像は主人公の目線で展開していく。
焦点の定まらない視界。オーバーラップする人物の声。
そこは、自分しかいない世界。閉じ込められた世界。

「 私は自分を憐れむのをやめた 」

自分の境遇に絶望し死をも望んだ主人公が
今ある人生を謳歌して、自伝を遺そうと決意した瞬間から
普通の映像に切り替わる。そのタイミングが見事だと思う。

死に直面しても、けして人間臭さを忘れない主人公。
手が動く。足が動く。言葉を喋る。文章を書く。
想像する。思い出す。想いを伝える。
当たり前のことを、こんなにも幸せと感じる瞬間。
多少の困難など、なんてことないのだ。



映画「潜水服は蝶の夢を見る」(2007年フランス&アメリカ:112分)
原作:ジャン=ドミニク・ボビー 監督:ジュリアン・シュナーベル 脚本:ロナウド・ハーウッド
出演:マチュー・アマルリック/エマニエル・セニエ/マリ=ジョゼ・クローズ/アンヌ・コンシニ他



アイ・アム・レジェンド

2008-01-15 11:52:13 | movie
映画「アイ・アム・レジェンド」を観る。

え~っと・・・

金返せと(苦笑)

内容はSFというよりホラー映画。
人間VSゾンビ。みたいな。
つまりCMに騙されたクチです。

前半は悪くなかった。決して。
誰もいないNYの街並みとか
NYでのハンティングシーンとか
愛犬の死の辺りまでは。
でもそっからがグダグダ。

期待度が高かった作品だけに
あまりの内容の薄さに唖然呆然。
久々にエンドロールを観ずに
劇場を出てしまったとさ。

あ、そうそう。

ウィルス

ウィルスミス

ってなんか似てる。



映画「アイ・アム・レジェンド」(2007年アメリカ・100分)
監督:フランシス・ローレンス 脚本:マーク・プロトセヴィッチ/アキヴァ・ゴールズマン
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演:ウィル・スミス/アリシー・プラガ/サリー・リチャードソン/チャーリー・ターハン他



転々

2007-12-14 13:31:33 | movie
映画「転々」を観る。

良作。

ちょっと切なくて、ちょっと泣ける。
実はものすごく重いテーマなのに、
最後はビックリするぐらい、あっさりと終わる。
ムーンライダースの主題歌もいいし、
その《ゆるさ加減》が絶妙。

オダギリジョーは本当に演技をしているのか。
あの力の抜けた感じは、演技を演技と想わせない。
三木監督との相性が余程いいのだろう。

一方の三浦友和は「っぽく」なくて妙演していたけど
個人的には、ちと違和感を感じながら観てしまった。
二枚目すぎるのか。

家族とうまく交われなかった二人が《疑似家族》を通して
心と心を通わせていく様は、胸がキュンとなってしまう。
たのしいことが終わるのって、
どうしてこんなに寂しい気持ちになるんだろう。。。
「最後のカレー」は特筆の名シーン。

散歩をしよう。
ひとに触れ、まちに触れ、想いに触れる。
たくさん寄り道をして、たくさん道に迷ってみる。
そしたら僕も、岸部一徳に逢えるだろうか。



映画「転々」(2007年日本:101分)
原作:藤田宣永 脚本&監督:三木聡 音楽:坂口修 主題歌:ムーンライダース
出演:オダギリジョー/小泉今日子/吉高由里子/岩松了/ふせえり/松重豊/平岩紙/三浦友和他


クワイエットルームへようこそ

2007-11-26 23:23:35 | movie
ここ1ヶ月、どーにもこーにも忙しく
恥ずかしながら、久しぶりの映画でございます。

映画「クワイエットルームへようこそ」を観る。

やっと観れた。
そして
観てよかった。

原作でまんまと泣かされてしまっただけに
今回の映画化はかなり期待していた。
しかも松尾サン自らメガホンを取る訳ですし。

《 精神病 》という重いテーマにも関わらず
前半は破天荒に満ちたコメディタッチに
後半は一転、ペーソスを散りばめてシリアスに
そしてラストは、しっかりとまとめてくる。

舞台作家+脚本&映画監督、という点では
三谷幸喜とかぶる部分があるが、
個人的には、松尾サンの方が上だと思う。
その才能にあらためて感服する。天才。

キャスト陣の怪演ぶりも見事。
情けないけど憎めないヤサ男のクドカン。
目の演技が冴えた激ヤセの蒼井優。
観る者を本気で怒らせる大竹しのぶ。
サイボーグを地で行く低温度のりょう。
天使の微笑みの平岩紙。
いつになくイッちゃってた妻夫木。
などなど。

中でも、内田有紀がやばい。
私生活でのいろんな鬱憤を一気に爆発させたかのように
とにかくキレまくっていた。女優・内田有紀だ。
その昔『TENKAを取ろう!-内田の野望-』という
ものすごいタイトルで歌手デビューした彼女。
ずいぶん遠回りをしてしまったが、
本当にTENKAを取れるような気さえする。

人生は思い。
人生は重い。

果たして今の僕は「正常」なのだろうか?



映画「クワイエットルームへようこそ」(2007年日本・118分)
原作&脚本&監督:松尾スズキ 音楽:門司肇/森敬
出演:内田有紀/宮藤官九郎/蒼井優/中村優子/平岩紙/りょう/妻夫木聡/大竹しのぶ他



めがね

2007-10-10 19:32:12 | movie
映画「めがね」を観る。

「かもめ食堂」の流れを受けた“癒し系ムービー”第2弾。
風景に。音楽に。映像に。
今回も「すーっ」と身体の力が抜けていくような、
なんとも言えない不思議な心地よさにつつまれる。

なにもしないシアワセ。
黄昏色の眠気と食い気。

伊勢エビが食べたくなり、
目玉焼きが食べたくなり、
かき氷が食べたくなる。

とりあえず私は、バーベキューに触発され
その後、焼肉を食べにいってしまったクチです。

でも全体的な出来としては、「かもめ食堂」>>>「めがね」
人物設定や背景が抽象的すぎるし、映像美や様式美にも捕われすぎ。
フレーム作りに力が入っちゃって、ちと物足りなさを感じてしまった。

3度目やったら、さすがに怒る(笑)



映画「めがね」(2007年日本・106分)
脚本&監督:荻上直子 音楽:金子隆博 エンディングテーマ:大貫妙子
出演:小林聡美/市川実日子/加瀬亮/光石研/薬師丸ひろ子/もたいまさこ他




シッコ

2007-09-25 12:28:13 | movie
映画「シッコ」を観る。

アメリカ医療制度の実情を描いた
マイケル・ムーアの新作ドキュメンタリーだ。

ある程度、内容的には知っていたのだが
これは知っておいた方がいい。観て損はない。

『自由の国』が、いかに『不自由の国』か。
『アメリカン・ドリーム』が、いかに『ノードリーム』か。
この国の実情はあまりに悲惨で、そしてあまりに酷だ。

これまでのマイケル・ムーアの作品は、
事実を過激に暴露していくものが多かったが、
今回は、あくまで事実を淡々と紡いでいくスタイル。

しかし、ムーアらしいコミカルな仕立ても、ちゃんとある。
《医療制度》という社会的なテーマを扱いながらも、
娯楽映画として見事にまとめ上げていると思う。

ハリウッド映画も観るし、
メジャーリーグも観るし、
ハンバーガーも食べるし、
ニューヨークにも行きたい。

でもこの国に
未来があるとは思えない。



映画「シッコ」(2007年アメリカ:123分)
監督&脚本:マイケル・ムーア