偏愛日記

映画、音楽、時々野球。偏った視点で綴る腐女子的日記です。

レオナール・フジタ展

2008-12-15 21:32:52 | Weblog
もう1ヶ月前になりますが、地元の美術館で開かれていたレオナール・フジタ展へ行きました。
この美術館はお気に入りの場所で、企画展がなくてもショップや書籍の閲覧スペースによく立ち寄っているのですが、今回のフジタ展は気になっていたものの時間がとれず、終了直前となってしましました。
訪ねた日は、運の良いことにギャラリー・トークで学芸員が解説をする日でして、さらにちょうど良い時間に居合わせたので、お話を伺いながら作品を見る事が出来ました。

レオナール・フジタ氏はフランスで最も成功した日本人画家。
日本でも作品を残してはいるそうですが、今回はフランスでの作品を集めた内容。
フジタ氏といえば戦争画だったり、秋田県で制作された大作「秋田の行事」が有名だそうですが、全く予備知識なしに企画展に来てしまったので、恥ずかしながら展示会から数日後に、画集で初めてそれらを見ました。
結構、雰囲気が違うような…

時系列に展示された作品は、その変化も興味深いものがありました。
初期はモディリアーニによく似た作風。学芸員の話では、モディリアーニとは交流もあったそうで、たしかにモディリアーニが描いたフジタ氏の肖像画もありました。

で、初期の人物画でものすごい作品がありまして。
髪の毛の一本一本が均等な間隔で細かく描かれてるんです。
髪の毛の間隔は1mmもないと思われます。とんでもない技術ですよね。
絵自体はパッとしなくても、よく観るとすげぇ!って感じのものが結構あります。

そして今回の展覧会の目玉、幻の大作ともいわれる作品「構図」と「争闘」も観ました。今から80年前に描かれたものだそうです。
なんでもフランスのエソンヌ県で、この作品を納める部屋を作成中で、それが完成したら二度とそこから動かさないっていうんですから、これを逃したら、フランスまで行かないと本物は拝めないってことです。
大作というだけあって、かなりの大きさに圧倒されます。
様々な人種の男女が描かれており、学芸員の話では「構図」では文明的、「争闘」は非文明的な象徴ではないかという説があるそうです。確かに「争闘」は裸で殴り合ってる、いかにも野蛮な雰囲気。「構図」では獣は檻に入れられたり、従順につながれ、ほとんどの人間は衣服をまとっていますしね。

彼は70歳を超えて洗礼を受け、フランス人としてその生涯を終えるのですが、晩年の作品ほど、妙にマンガ風なタッチになってきてるんですよね。
パリの画壇で一躍有名になった頃の作品と比べると色使いも非常にPOPだし、様々なものが画面ぎゅうぎゅうに詰め込まれている印象を持ちました。
個人的には晩年の作風のほうが好きかも。


そして、フジタ展の後に新しく始まった企画展がそろそろ終わりそう(焦)
会期中に早く行かねば…


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