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正しい裁判を得るために

訴訟提起が不法行為との判決の事後検証ーその6(番外ー無効契約)

2022年05月11日 | 裁判・法律

原告によると、助言をしたことが、投資助言報酬の根拠ではない。
基準日に、助言を受けた資産を保有していることが報酬請求の根拠である。
契約書5条(報酬の額及び支払いの時期)に規定してあるというものだった。
(原告の令和3年1月27日付準備書面6)

法律(金融商品取引法)は、
投資助言業とは、当事者の一方が相手方に対して、有価証券の価値等、又は金融商品の価値等
の分析に基づく投資判断に関し、口頭、文書その他の方法により助言を行うことを約し
相手方がそれに対し報酬を支払うことを約する契約(以下「投資顧問契約」という。)を締結し、
当該投資顧問契約に基づき、助言を行うこと
そして、投資助言業務とは上記に係る業務のことをいうと規定している。

原告(アブラハムプライベートバンク、現ヘッジファンドダイレクト(株))の
「保有していることが投資助言報酬の根拠」というのは、虫のいい独自の見解である。
「その5」で述べたとおり、何もしないで報酬名目で支払わせるのが狙いなのである。

原告自身、原告の投資助言契約は金商法のいう「投資助言契約」とはおよそ無関係なことを
自認している。
わかりやすくいうと、原告のところでA会社の株を買うと、その株を保有している限り、
毎年0.945%の投資助言料を払わなければならないということである。
その理由は、原告の契約書に規定してあるからというだけである。
いかに不条理かわかろうというものである。
原告の契約書では、「あらゆる投資商品」(2条※)とあるので、原告との会話で、うっかり口を
滑らせると、助言(原告の契約書では助言指導)により投資したと言いがかりをつけられる
可能性ありである。怖いことである。
※なお、金商法で投資助言業者に認められるのは、金融商品だけである。
「あらゆる投資商品」は投資助言契約の対象ではない。

日本投資顧問業会作成の投資助言契約との対比表を作成したので参考にしてほしい。
内容が同じ条文(1、4、6、8~10)は省略。
対比表はここ

なお、日本投資顧問業協会は、投資者保護を図る等を目的とし、大蔵大臣の許可を得て設立された
金融商品取引法第78条規定の認定金融商品取引業協会である。任意加入であるが、
自主規制ルールの制定などを行っている。原告も加入。
したがって、契約書と作成する場合には、当協会の作成したものはサンプル、模範見本になる。

詐欺商法という理由である。

 



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