弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

カーター元大統領のがん公表について(考える)

2015年08月22日 | 日記

アメリカのカーター元大統領が肝臓がんで手術をするというニュースを知ったのは
ついつい最近のことです。
その過程で皮膚がんの一種であるメラノーマが脳内に転移していること(4か所)が
わかったという。
もともとのメラノーマの発症部位は不明とのこと。

驚いたのは、これらの事情を自ら記者会見をして説明し、さらには記者たちの
質問に丁寧に答えていたことです。 ここをどうぞ。

たまたまCNNで会見の様子を見ましたが、とても落ち着いていて、にこやかに、
ときには大きな笑顔を見せていました。
特に、オバマ大統領はもとより、歴代の元大統領全員から、さらにはケリー国務長官
からもお見舞いの電話があったことを紹介し、続けて随分長いこと話したことなど
なかったんだけれどと言ったあと、面白そうに笑っていました。
これって皮肉ですよね・・・
死を宣告されたに等しいにも関わらず、ゆとりを感じさせる、本当に逞しいですね。
会見を終わって会場を後にする姿を見ても足取りはしっかりしているし、
午後から放射線治療を予定している人とは到底見えませんでした。

元大統領がこのような形(自分自身で)で病気を公表するのは前例のないことや
会見に赤いネクタイで臨んでいたことに、同氏の意志を感じました。

大統領時代は弱気だとして批判されていましたが、本当は逞しいのだと思います。

・・・・・・・・

私にとってはロザリン夫人のことが忘れられません。
カーター大統領の在任期間は1977・1・20~1981・1・20であり、
英国のサッチャー首相のそれは1979・5・4~1990.11.28です。
サッチャーといえばレーガン大統領ですが、カーター大統領とサッチャー、2年強の
重なりがあるのです。
イギリス(3年弱居住)からの帰国の飛行機の中で読んだ雑誌に、ロザリン夫人が
「何をしても批判される、それなら何もしないよりやりたいことをした方がいい」
と述べていました。とても印象に残っています。
ちょうど英国ではサッチャーが女性初の首相を目指しているときでした。
ロザリン夫人はおとなしく見えますが、芯が強いんでしょうね。

ロザリン夫人のいうように生きたこられたかどうかわからない

カーター大統領は90歳、いつもロザリン夫人と世界中を飛び回っていました。
平和のため、より良い社会をつくるために。
これからはちょっと活動を休むとのこと・・・・

そういえば、先のアメリカ旅行で、ジョージア州の観光センターに立ち寄りました。
カーター大統領のリーフレットが並んでいました。
何でと不審に思いましたが、カーターセンターの活動に積極的に取り組み、そういう
意味では現役だったのです。

祈るのみです。