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弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

東日本大震災の被害地で合同慰霊祭

2011年09月12日 | 福島原発 東日本震災

東日本大震災から6か月となり、南三陸町その他の被災地で
合同慰霊祭が行われたということです。

海の向こうでも9・11の10年のアニバーサリーが行われています。

一日も早い復興を願いしますが、それにはやはりまずは亡くなられた方たちの
霊を追悼することだと思います。
きっと理不尽な思いをお持ちだと、御慰めする言葉もありません。

9・11のセレモニーを見るにつれ、私たちは東日本大震災で被害に
遭われた方、地域の方たちの苦しみをもっと共有すべきだと思います。

AFPニュースから抜粋します。全部はここをご覧ください。

「日本政府は震災対応で批判を受け、原発危機の全容を小さく見せようとした
のではないかと疑われている。さらに、政治的な内紛が復興に影を投げかけた。

 東北地方の復興には巨額の費用と10年程度の期間がかかるとされているが、
福島第1原発の周辺地域については、もっと長い期間にわたって
居住できない恐れもある。

 政府は「ただちに」健康への危険性はないことを強調しようと苦心してきたが、
放射性物質に汚染された飲料水、牛肉、野菜、茶、海産物などについて
報じられる中、放射能に対する不安は日常の一部になっている」

とあります。被害を小さく見せようする、もっといえばそれは被害の隠ぺいでしか
ないのですが、そういう態度が、結局は被害を大きくしてしまうし、
果ては今回の鉢呂経産相のような勘違い発言に繋がってしまうのです。

地震国日本、原発が広く分布している日本では、今回のような大震災は
どこで起こっても不思議ではないのです。
もっと当事者意識を持って、復興のために、全力を尽くしてほしいと思います。

それが政治の責任です。

ご冥福をお祈りします。


原発事故の放出セシウム、原爆の168倍、汚染物質の貯蔵庫、ゴーストタウン化

2011年08月29日 | 福島原発 東日本震災

今回の原発事故がいかに大きな被害をもたらすものだったかの客観的な
資料が続々と明らかにされています。

まず、保安院が26日発表したところによると、広島の原爆と比較して
ヨウ素は2.5倍、放射線セシウム137はなんと168.5倍というのです。
セシウム137の半減期は30年と長いので広島原爆に比べて、
それだけ被害が大きいといえます。
もちろん、広島の場合は熱線や爆風や中性子の影響が大きく、
原発事故とは性質が違うといいますが、
それでも168倍というのはあまりにも大きすぎます。
ちょっと想像がちきません。

また、27日の埼玉県で開かれた研究会で、
福島県で実施された(3月17、18日)住民の外部被曝検査の数値から計算すると
少なくとも4割が健康被害を予防する安定ヨウ素剤を最低1回は飲むべきだったと
指摘したということです。

ですが、政府は、事故の実態を隠し、連日安全報道ばかりを繰り返していました。
そして、原発周辺住民にヨウ素剤の服用を指示しませんでした。
そういえば、外国人については外国政府が自国民にヨウ素剤を配布したという
ニュースが事故間もないころに出ていました。
しかるに、日本の政府は何もしていません。

なぜ、こういうことがもっと先に、首相のリーダーシップでできなかったのでしょうか。

要は全く関心がなかったということか、いやそうではなく平常心を失い、いわゆる
パニックで何も思いいたらなかったか、全くそのような能力がなかったということ
でしょう。
結局、首相の器ではなかったし、また首相の代わりにそれができる人材が
いなかったということです。

わたしたちには、広島、長崎の被爆の経験があったのですから、
こういうことは当然知っていなければならなかったはずです。
必ず知っていた人はいるはずです。
そういう人にコンタクトしなかったのだと思います。

あまりにもお粗末すぎます。何もしないまま国民の健康を危険にさらしたままだった
のです。
これは大量殺傷事件になるのではないでしょうか。

本当に空恐ろしいです。

さて、退陣を表明した後の菅氏、態度急変です。

こういう置き土産をするつもりなら、居直り継続中にすべきことが
あったはずです。ここをどうぞ。
置き土産といううのは、福島県内に放射線汚染物質の貯蔵施設を作ること及び
原発付近は汚染のため危険でゴーストタウン化するとの宣言です。
自分が何をしていなかったかを、十分すぎるほど知っていたということです。
これは、国民、そして原発事故になった人たちに対する完全なる背信です。


米からセシウム 第一原発放射能の垂れ流し継続か?無法地帯か

2011年08月21日 | 福島原発 東日本震災

米の放射能検査が行われているということですが、茨城県の鉾田市の早場米
から、微量ですが、放射性セシウムが検出されたとのことです。お米からの
検出ははじめてのことです。
鉾田市は福島第一原発から150キロも離れています。
ニュースはここからどうぞ。

汚染牛が見つかって以来、毎日食べなければ大丈夫だなどと言われ続けて
いますが、米からもみつかったということは、
我々が口にするすべてのものが汚染されているということです。
一時期、海に汚染水を垂れ流しましたから、海の汚染、したがって魚類の
汚染もかなりでしょう。

なによりも土壌が汚染されているのですから、そこに居住する人間は
毎日汚染され続けているわけです。

口にするものすべてが汚染されているということは、種類は違っても要は
汚染されているものを毎日食べつつけているわけです。そのうえ、
更に何もしなくてもそこにいるだけで、一日24時間、毎日汚染にさらされて
います。

文部科学省は19日、警戒区域(半径20キロ圏内)に指定された地域の50地点
について、事故発生から1年間の積算放射線量の推計値(1日8時間屋外にいた場合)
を初めて公表しました。
最高は原発の西南西3キロの大熊町小入野の508.1ミリシーベルトで、一般人の
人工被ばくの年間許容線量の500年分に相当するというのです。
さらに、35地点が20ミリシーベルトを超えたということです。
大丈夫などといえる数字ではありません。
くわしくはここをどうぞ。

前にも書いたと思いますが、汚染源である福島原発からの放射線漏れは現在進行中
であるということです。

これが一番怖いです。ここをクリックしてください。
イギリスのガーディアン紙のオンライン版です。
(それぞれの写真をクリックすると大きくなり、また説明文もみえます)
この9枚の写真はこの8月初めに勝手に入って撮った写真です。
unauthorised access というのはそういうことです。
誰にとがめられることもなく、簡単に中に入ることができたということです。
ということは、責任者はいないということなのだと思います。
ですから、ガソリンも使いたい放題になっているのです(中段の左端の写真)。
作業員たちは防護マスクをつけて作業しています。
それほど危険だということです。
上段の左端の写真はトイレです。ピンクのプラスチックシールで壁など一面が
覆われているとのことですが、そこに入ってきた人のつけた測定器は音を出し始め、
みると少なくとも15マイクロシーベルトを示していたというのです。
中段の右端と下段の写真5枚を見てください。
事故当時のままでです。
壊れたパイプはそのまま野ざらしの状態です(下段の右から2枚目)。ここは
東電が1万ミリシーベルトの放射線が発見されたと発表した場所のすぐ近く
だということです。こういう状態だとすると当然です。
「心を一つにネバーギブアップ」と書いてありますが、何をあきらめるなというのでしょうか。
日本のテレビでは決してみることができませんが、
本当は国民にこういう場面こそ知らせるべきです。一体全体東電は何をしているのでしょうか。
下段右端の写真は、窓が全部壊れ、つなみのがれきが残っているだけで空っぽの
建物です。
第一原子炉の近くにあるということです。この写真を撮影した記者さんは
「津波の被害にあった岩手の海岸でみた多くの建物と同じようにみえる。しかし、場所が
場所だけに、この建物は何に使われていたものだろうか、気になる」とコメントしています。
これら写真からわかることは、東電は何も有効な手を打っていないということです。
何も知らない作業員だけがわけもわからず働いているだけだということです。

ということはいまも放射能漏れは続いていると見るべきでしょう。
本当に背筋の凍る思いです。

ところでこの記者さんですが、1日の取材(6時間)を終って被ばく量は60マイクロ
シーベルトだったということです。
なお、私はここで働いている人たちは高齢者だけと思っていましたが、若者たちも
いるのです。
この記者さんは、自分の被爆が長期的に健康にどういう影響がのこるか心配だけれど
それ以上に毎日毎日ここで働いている若者のことがもっと心配だと結んでいます。

もうひとつ気になるニュースをみました。ここをクリックして下さい。
立入禁止区域にある建設中の常磐道を30頭以上の牛が歩いていたということです。
タグがついた黒毛和牛らしいものもいたということです。
もし、これが汚染牛だったとすると、その糞も汚染されています。
汚染牛が野放し状態になっているとしたら、これもまた、第二次汚染源になりえます。

文科省が積算放射線量の推定値を発表したことは一歩前進ですが、
汚染された土地に住み、汚染されたお米を食べ、汚染された魚、野菜、牛肉等を食べ、
汚染された所を歩いて、仕事に行く、買い物をする、病院にいく、役所にいく、学校にいく、
そういう人間の行動形態に即応した被曝量を考えるべきです。

なによりも言いたいことは、第一原発の現状です。
菅総理を先頭に第一原発の視察をしていただいてはどうでしょうか。
また、民主党の代表選に立候補する人には、まず第一原発の現状視察をしていただいて
その解決策を提示していただく、その結果を、選考の最も重要な基準することに
してはどうでしょうか。

ガーディアンの写真からわかることは、福島原発は、無法状態であり、
誰も責任者がいないということです。

なお、どの程度が危険かなどわかりにくいのですが、比較的いろいろと説明があります。
ご関心があれば、ここをどうぞ。


福島のこども半分が被爆 東京の雨

2011年08月20日 | 福島原発 東日本震災

福島のこどもの半分が甲状腺被爆していたことが、政府調査で判明したとのこと。

検査したのは、3月24日から30日ということですが、
その発表が5カ月もかかっているのは解せません。ニュースはここからどうぞ。
ということで、政府の発表をそのまま信じることはできません。

大人のわれわれは、もう諦め気分ですが、こどもはこれからです。
チェルノブイリでも、こどもの甲状腺がんが一番深刻でした。

「問題となるレベルではない」といいますが、原発事故、放射能事故について
心配が杞憂に終わったなどはありませんでした。
むしろ、事故が起こった当初から「問題ない」「問題ない」と言い続けてこられました。
ときが経つにつれ、問題ばかりが出てきています。
ですから、問題ないといわれても信じられません。
きっと、つぎの発表では、やはりということになるのではないでしょうか。

こどものストレスが深刻というニュースもありました。ここをどうぞ。

本当にそうだと思います。このままでは、子供たちが可哀そうです。

放射能に関しては対策を含め、政府からは何の発信もありません。
私は、こういうことこそ、総理直轄で、国民の不安を払しょくし、
国民の健康対策を積極的に講ずるべきと考えています。

19日は東京でも雨が降り涼しくなりました。
しのぎやすくなったことは嬉しいですが、
東京中に放射能の雨が降ったのだと思うと、涼しくなったと
喜んでばかりはいられません。


被災地に環境未来都市構想について

2011年08月18日 | 福島原発 東日本震災

政府は16日、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島の3県の都市・地域を
新成長戦略で掲げる「環境未来都市」に指定する方針を固めたということです。

しかし、一方で福島第一原発の原子炉で冷却は進まず、汚染水の処理も
目標どおり進んでいません。
冷却が進まないということは、いまでも放射能汚染が進行中ということではないので
しょうか。

また、原発から100キロも離れた福島地裁会津若松支部の敷地内の側溝の汚泥から
1キログラム当たり18万6000ベクレルものセシウムがが検出されたということです。
このように貯まった汚泥を全部見つけることなど不可能です。
ということは、この程度の高濃度の汚染源が存在し続ける可能性があります。

また、もちろん除染を効率よくするための実験もしているということではあります。

しかし、日本の政府が放射能汚染に関する情報を公開していないことは、世界中のひとが
知っていることです。

こういう中での環境未来都市というのは、どういうものなのでしょうか。
スマートグリッドの整備や再生可能エネルギーの導入や超高齢者に対するバリアフリーや
各種の生活支援などはどういう意味をもつのでしょうか。

あるいは、兎に角まず指定してから、除染を考えるというのでしょうか。
あるいは広島や長崎の経験から大丈夫というのでしょうか。
あるいは、狭い日本でいったいどこに住めば良いのだという居直りでしょうか。

いずれにしても、こういう神経には、私はちょっとついていけそうもありません。