今年の春は一気に暖かくなった、と思ったら急に寒くなったりで寒暖の差が激しい。お彼岸頃にはハクレンが咲いてこのままいけば桜もすぐ咲くと思っていたらそういう訳にもいかなかった。三月三日は桃の節句だが、旧暦の三月三日は、三月二十九日で、裏の畑に植えてある桃が、丁度その頃咲いた。旧暦で見ると丁度暦通りだ。そしてしばらくして馬鹿陽気が続いて桜が一気に咲いて、桃と桜が同時に楽しめた。
予報では今夜は雨が降るかもしれないということで日中の気温が17度くらいで寒い。足元の電気ストーブを付けている。こうも気温の変化が激しいと身体が付いていくのが大変だ。春は暖かくなるという予断があるから少しくらい寒くても我慢してしまいがちだが、それが油断大敵になってしまう。まぁ春は昔からそういう季節でいろいろと体調を崩しやすい危ない季節と言われている。
上州の春は、越後の春と違って荒々しくやってくる。15歳で越後から上州にやってきた時は、もう桜が咲いていた。こりゃ暖かくていいやと来た年は思った。実際越後の春より暖かった。そして月が経て翌年の春を迎えた。なんじゃこりゃというほどの風に見舞われた。これで雪が降ったら吹雪で大変だと思ったが、幸いなことに雪は降らなかった。こっちの冬は楽だなと思っていたら色々な花が咲き始めて春爛漫だ。
16歳のよた老少年花に見とれている暇もなく、仕事に学校に大忙しの毎日を送っていた。越後の冬は長袖の下着を着て股引を履くのがデフォルト。五月だったと思うが晴れた日に支配人の助手で家具の配達に行った。まだ長袖の下着も股引も履いている。いや暑いのなんの。途中でたまらなくなってとうとう長袖の下着を脱いだことがある。
それ以来長袖の下着は、いやもうこらたまらんわという日まで着続けるのを毎年恒例としている。少しくらい暑いのは我慢してもいいけど、寒いのを我慢してはいけない。春は危ない季節。危ないのから身を守るには寒いのを我慢しないことだ。
暖かくなって来たとはいえ朝晩はまだ寒い。ぼくはこの時期綿入れの半纏と、同じく綿入れの袖無しの半纏をその日の気温に応じて使い分けている。このあいだまでガウンの上からドテラを着ていたけど、さすがもう出番はないだろうと押入にしまった。
なんで春は危ない季節だとくどくど書いているかというと。体調を崩して無理して仕事をしていて陽気がよくなったり悪くなったりの中に無防備に身を置いていると精神病になる恐れが高いからだ。五月病というのは、そこから来ている。新しい対人関係や仕事といったストレスが加わるのだが、ベースにあるのは寒さに対する油断だ。寒さ対策さえきちんとしていれば、体調の崩れは予防できる。このくらい大丈夫だと、おろそかにすると五月病から精神病に陥ってしまう恐れが高くなる。
統合失調症の患者は、100人に1人と言われている。精神病の生涯罹患率は、3人に1人と言われている。今や精神病は特殊な病気ではなくなっている。精神病は一度罹ると今の医学では完治できない。まぁ精神の病気を薬で治そうと考える方に無理があるのだが、罹らないこしたことはない。できれば避けて通った方がいい。どうやって避けるか?、精神的な内面のことは個々に考えて貰うとして、とにかく寒いのを我慢しないで早め早めに着る物でこまめに対応することだと思う。
旧暦では、今年は閏5月がある1年が13ヶ月の年だ。ボタンがいつもより1週間か10日くらい早く4月15日頃咲いた。月にむら雲、花には嵐。4月の満月を過ぎたので、今度はおぼろ月の季節になる。次の満月は5月9日と、6月8日。お盆のような月が見られるかどうか。このブログの更新をここのところさぼっているが満月の晩になると……