Fine@Day

知らんぷりしとこ

深重の海 

2008年01月31日 | 読書
津本 陽

たとい罪業は深重なりとも必ず弥陀如来はすくいましますべしーーー蓮如上人

以下の文章はいのっちが本を読んで思った個人的で超主観的な感想であり、
作品自体を客観的に評価したものではありません。
また、いのっちのブログで紹介される本の感想についてはネタばれがあります。


会社のえらいさんが社内時報で紹介してた。
早く次のページを読みたい衝動に狩られるような本だと。

和歌山の紀伊地方での、明治初期の鯨漁の話です。

無骨な漁師の姿がかっこよく、そして、凄まじく描かれてます。
全てのシーンが壮大で勇ましく、そして、また物悲しくロマンチックに描かれてます。

オレはほんとは漁師になりたかったんだと思わせる作品です。

そして、日本の鯨漁に対する文化ってのはずっと昔からあったんだと認識する作品です。
鯨漁の反対活動してる方に読んでもらいたい。
鯨を漁する、食するのは日本古来の文化だったんですよね。


確かにページをめくりたくなるようなシーンが連発してます。
作者はこの本で直木賞を受賞したらしいです。
本自体古くて、昭和53年ごろの作品。

船の世界の用語や強烈な紀州弁がずっと出てくるのを除けば難しい文章でもなく、すんなり読めると思う。

荒れ狂う海へ漕ぎ出でる漁師や集落の生活とか、まーいろいろ感動するところもある。

しかし、なんていうか、ラストも含めて読み終えて複雑な気分になりますな。
作者が伝えたかったことは一体なんなんだろうって。

タイトル通り深いよこの本は。おもろいけど。


津本陽は信長の小説とか剣豪の話とかが有名みたいなので、また読んでみようっと。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする