哲学的な何か、あと心の病とか

『人生とは何か、考えるほどにわからない。というのは実は正確ではない。わからないということが、わかるのである。』池田晶子

消防士のPTSD

2013年09月28日 | 哲学・心の病
私はある報道番組を見て、次のような事実があることを知って、そんなことが起きているのかと深く考えさせられた。
それは、

『東日本大震災で緊急消防援助隊として、初動1週間の救援活動に派遣された消防士のAさんは、地元に戻るなり心身に変調をきたした。
外出すると笑い声が悲鳴に聞こえたりして、治療を始めて買い物ができるまでに半年かかった。
AさんはPTSDと診断され、上司に報告すると叱責され、上層部にパワーハラスメントを訴えたが、上司からは公務災害は無いものと思えと言われた。
消防士のAさんによると、派遣された10人の同僚の半数がPTSDを患った。
全国消防職員協議会の調べでは、派遣された消防職員の5.1%がPTSDのリスクがあるというが、現役消防士は隠れPTSDもいると話した。
一方、被災3県を離れられない消防士はより深刻で、15.4%もの消防士がPTSDのリスクがあるという。
消防士のBさんは津波で自宅を失い、直属の上司も命を落とした。
Bさんは不眠不休で任務を遂行すると体に変調をきたしたが、現場では消防士失格の烙印を恐れて隠していた。
消防庁は早急な改善が必要だとしたが、全国消防職員協議会の迫大助前会長は申請を拒否する職場の体質があると話した。
元消防士のCさんは関東地方で消防士をしていたが、消防士になって2ヶ月で適応障害と診断されて退官した。
Cさんは別の市町村で消防士になったが、同じ体質だったため民間企業に転職した。』

という事実であったが、

その報道を見た私は、こういう職場や社会は、とてもおかしいと怒りさえ込み上げる。
健全な職場や社会であったなら、できるだけPTSD にならないように努めるべきであり、もしPTSD になったなら、そのことを職場で公表することに抵抗を感じない職場や社会にすべきであり、その対処も自己責任ではなくて、組織的にその消防士を積極的に支援すべきである。
と私は思っている。

そして、私の個人的な意見であるが、精神疾患に対する知識や理解が、まだ社会全体にあまり普及していないがために、そのような現状になっていると思っていて、よりいっそうの教育や啓蒙活動を行ってほしいと願っている。

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