哲学的な何か、あと心の病とか

『人生とは何か、考えるほどにわからない。というのは実は正確ではない。わからないということが、わかるのである。』池田晶子

論理的な討論(論理的な会話の例)

2013年10月02日 | 哲学・心の病
〈論理的な会話の例〉

ここでは、初歩的な論理的な会話の例をご紹介します。
次の主張の例を見てください。

一郎 「奈々は近いうちに太るよ。」

この主張は、結論のみの主張です。
これでは、一郎の主張に同意する人はいないでしょう。
では次の主張ならどうでしょうか?

一郎 「奈々は近いうちに太るよ。『だって、毎日コーラばかり飲んでいるからね。』」

この主張は、先ほどよりも論理的です。
なぜなら、この主張には「根拠」(『』の部分)があるためです。
これなら、一郎の主張に同意する人もいるでしょう。
次は、奈々が一郎の主張に対して、反論します。

奈々 「太るわけないわ。」

これは結論だけの反論です。
少しも説得力がありません。
これでは、奈々の反論に同意する人はいないでしょう。
でも次のような反論ならどうでしょうか?

奈々 「太るわけないわ。『だって、いつも飲んでるのはノンカロリーのダイエットコーラだもの。』」

この反論は、先ほどよりも論理的です。
なぜなら、この反論にもやはり「根拠」があるためです。
奈々の反論の根拠、「ノンカロリーのダイエットコーラだから(太らない)」が、一郎の主張の根拠、「コーラばかり飲んでるから(太る)」を打ち消しています。

【まとめ】

根拠のない主張や反論が同意を得られるのは、もともと同じ意見を持つ者からだけです。
意見の異なる人を説得することはできません。

人間は普段、意見を述べるとき自分の頭の中を見ながら話しています。
自分にとっては自明なことであるため、つい根拠を説明するのを忘れてしまうのです。

しかし、相手は自分と同じ知識だとか根拠だとか前提を共有していません。
なので、意見の異なる人を説得するためには、根拠を示して結論までの道筋を示す必要があるのです。

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