モペッドライフ

神奈川県の小さなバイク屋によるトモスやチャオなどのモペッド(自転車バイク)などの話とか。

メンテナンス(初級)

2009-02-13 17:31:47 | Weblog
メンテナスに限らず、物事の基本は「正しい情報を元に、正しい作業をする」ことです。
モペッドはメンテナンスから、整備作業まで非常に簡単ですが、シンプルゆえに基本を抑えておかねばいけません。

部品を取り付ける際に使う「ボルト、ナット」はホームセンターや百円ショップ等で非常に安い価格で販売されています。
大きさや長さもいろいろあり、日常で「見ないことはない」物です。

さて、整備作業のなかで「よくあるミス」の一つに「ボルト、ナットの締めすぎ、ゆるすぎ」という事があります。
ボルト、ナット(以下ネジ)は締め付けてこそ初めて効果が出ます。
その締め付けにしても、JISやISOでも「どれ位の力で締め付けるものか?」というのが決まっています。
メーカーの作業指示には、さらに細かく指定されています。

モペッドでも、バイクでも道を走るものですから、エンジンの振動の他に路面の凸凹によっても車体に力が加わります。
それらの力が1、2回程度なら大丈夫でも、微振動状に何万回と加わるものですから、締め付ける力が弱いと緩んできてその内外れます。

バイクなどの故障の原因の最たるものはこれです。

では、逆に締めすぎるとどうなるのか?

先に「JISやISOでも「どれ位の力で締め付けるものか?」というのが決まっている」と書きましたが、
これは同時に「どれ位の力で締め付けると危険なのか?」という事も分かるのです。

ネジは使い方としては「母材をはさんで固定」する物です。それが締めすぎた場合、例えばネジが金属で母材がプラスチックだった場合は・・・母材が割れます。
あるいは、その逆でネジがプラスティックで母材が金属だった場合は、ネジが潰れます。

ということなのです。

整備作業でよくあることが((注)よくあってはいけません(^^;))元々締まっていた力を「だいたいで覚えていて、次に締めるときに同じぐらいの感覚で締める。」ことです。
業界用語(?)で「人間トルクレンチ」と言います。これができればある意味「神」です。

ただ問題なのが、ネジには場所によっては「ゆるみ止め剤」が使用されている場合があるのです。一般に「ネジロック」の名で通っていますが、これが使用されていた場合、元はそんなに大した力で締めていないのに
外すときに「まったく外れない」という物まであるのです。そんな場合、外すときの感覚など「なんら意味を成さない」のです。

ゆるみ止め剤の多くは「ゆるんでは困る所」いわゆる「重品項目」に指定される箇所に使用されます。それは「走る、曲がる、止まる」に関する部分です。自動車などはこれに「シートベルト」等の安全装置も含まれます。

これを正しく理解していないと、最悪は死亡事故に発展します。
ですので、メンテナンスの初級としては「ネジを規定の力で締め付ける工具」である「トルクレンチ」をまず所有している事といえます。

エンジン周辺は、締め付けが悪いとオイルが漏れたり、冷却水が漏れたり、混合気が漏れたりとまともに走らなくなりますし、マフラーなどは排気が漏れて煩くなり、出力も低下します。
タイヤ関係などは極端ですが「ルパン三世」のCMに入るときのやつみたいなことになります(^^;)。


画像はイタリアはピアジオ社の「爆撃機」です。昔はこんなものを造っていたんですねえ(:_:)・・・。 スバル(富士重工・・・旧名:中島飛行機)みたいなものでしょうか。
ちなみに、ピアジオの看板ブランドである「ベスパ」のサスペンションは戦闘機の車輪の物を参考に開発されたそうです。当然モペッドもそうです。(-_-)b