モペッドライフ

神奈川県の小さなバイク屋によるトモスやチャオなどのモペッド(自転車バイク)などの話とか。

メンテナンス(初歩:その2)

2009-02-12 13:35:52 | Weblog
昨日は祝日だったのですね。うちの店は水曜が定休日ですので、それ以外は平日感覚です。
付近を走る「神奈川中央交通」のバスに日の丸が着いているのを見て、はじめて気づいた次第です(^^;)。

分野を問わずに、整備や修理の基本は「元に戻す」事です。

バイクや自動車は「スケジュールの詰まったレース車両」ではない限り、出荷前に検査が行なわれます。
その際に異常のあるものは、ラインより外して手直しを行い再検査します。
ですから「何日か経過してから壊れた」というのは別にして「正常な状態が確認された上で」出荷されます。
私は自営業を始める前に、資金集めと好奇心から自動車メーカーの製造ラインで仕事をしていました。
興味本位から3社回りましたが、各社によって方針や方法は違いますが、基本的に「最終検査ライン」を通過しているものはまともに走ります。

さて、整備や修理の際に「部品の見極め」という事を行ないます。
「正常か?、まだ大丈夫か?、交換か?」です。それを行なうには、正常な状態を知っておかなければ判断は出来ません。

また各パーツの、とりわけ「ワイヤーやホース類」は取り回し一つで、不具合や場合によっては車両火災になる場合があります。
それらも、正しい状態を知っていなければ「間違って組んでしまう」場合もあるのです。

最低でも「新車の状態」を把握しておけば良いということです。

昔、初めて購入したバイクに、レース用の部品を取り付けて、その調整を部品を買ったお店に依頼したことがありました。
一日ほど預けて、返ってきた時に作業報告書が付いてきました。そこには全て「良好」と書かれていました。
当時は「プロに任せておけば安心」という事を信じて疑わなかったので、喜んでいました。

それが、後ほど知り合った人に見てもらったら「酷すぎる」の一言が返ってきました。
まず、アクセルワイアヤーが寸法通りではない。マフラーから黒煙が出ている(キャブの調整を依頼していました)。走り出したら、ノーマルよりも全ての速度域で遅い。
燃費が必要以上に悪化・・・などと今考えなくても無茶苦茶でした(:_:)。

それで、購入元に問い合わせをしたら「それはそういう物です」の一言が返ってきました。
そのお店は雑誌にも乗っている店で「シャーシダイナモ」という専用の機械を持っていることを謳っていたので、信用していたのですがこれでした(-_-#)。
あるいは「分からない奴が悪い」という屁理屈でしょうか!?

つまりこのお店は正常な状態を知らない上に、全てを分かったようなことを平然と言っていたのです。
わざとなのか、天然なのかは分かりません。ただ、専門家よりバイク知識がない一般の人は「プロにこう言われたら、信用してしまうのが当たり前」です。

それに「人として、プロとして恥知らず」「さっさと店を止めてしまえ」と言えます。

うちに来られるお客さんも「こういう思いをした」方がおられます。全てのバイク屋がこうでは決してありませんが、こういう「タチの悪い」店もあるのです。
話がズレましたが、「生兵法は怪我の元」ということわざもあるように、まずは正しい情報を元に作業をしてください。

簡単なところで言えば「ワイヤーなどの金属同士が接触する場所はグリス(種類がいろいろとあります)」「ゴムやプラスチック同士はシリコン」という感じです。
逆のことをすれば、不具合や作動不良の原因となります。あるいは潤滑剤を吹き付けても同様です。
潤滑剤は頻繁に作動しないと部分や、接触の際の摩擦が極めて少ない部分では効果がありますが、長くは持ちません。
物として「悪ではない」のですが、バイクなどの「部品の作動回数が多いものには、こまめに使用しなければいけない」物です。

他にも、「入り難いから」といってボルト、ナット類にはグリスやオイルを塗ってはいけません。緩む原因です。塗っていいのは「ネジロック」と「シールテープ」などです。
「ボルト、ナット類は消耗品」です。そういう時は「ネジ山を掃除する」か「ボルト、ナットを交換」してください。

こういった感じで、正しい情報さえあれば、整備作業は特に大したことではありません。
医薬品の注意書きに「用法、要領を守って正しくお使いください」とありますがそれと同じです。

ちなみに「工具がない」「情報がつかめない」「時間がない」「触るのが怖い」等の場合は「信頼の置けるプロ」に任せればいいのです。
自分で整備するのは「楽しみ方の一つ」ですが、自分でしないことは別に悪いことでも、恥ずかしいことでも、何でもありませんよ^^。

画像はイタリアの名門メーカーのGILERA(ジレラ)のポスターです。
海外の商業広告は見ていて楽しくなります^^。
しかし・・・この構図だけは未だに意味がわりません・・・(^^;)