モペッドライフ

神奈川県の小さなバイク屋によるトモスやチャオなどのモペッド(自転車バイク)などの話とか。

アプリリア

2010-02-27 15:21:19 | Weblog
二月も末です。暖房器具も片付ける時期ですね。
寒暖の差が激しいのか、私は毎年この時期になると体調を壊します・・・(T_T)

昨日東京からアプリリアに乗ったお客さんが来られました。
元々は私がヤフオクに出品していた部品が縁となって、今では常連さんの一人になって頂いた方です。
今回アプリリアのSR50を購入されたので、「慣らし運転とお目見えついで」に来られたのでした。
外車のスクーターで、とりわけヨーロッパ車は日本メーカーの車輌に比べて(日本国内で販売されている)速いです。
単純に輸送経費を除いた価格の差だけ見ても、それらよりも高価なので「それ相応」といったところです。
アプリリアのSR50は車種がとても多く、搭載しているエンジンもMORINI(イタリア)、PIAGGIO(イタリア)、MINARELLI(イタリア(ヤマハ))、
SUZUKIなどとありまして、今回の車輌はPIAGGIOエンジンです。

さて、速いと言いましてもヨーロッパでも「速度や環境への規制」がありますのでいわゆるリミッターというものが着いています。
一昔前の日本の車輌ではCDIや駆動部品にそういった物を着けていました。
ですから、それらをカスタムパーツに交換することで本来の力を出すようにするのです。
物にもよりますが、それらを取り付け「リミッターカット」の状態にして、速度が10KmUP位が大体の相場というところでした。
それでも「物足りない」とか「もっと速くしたい」と思い出すと、マフラーやチャンバーの交換や、キャブレター、バリエーターなどの駆動部品、
そして、排気量を上げるボアアップという感じでカスタムされていきます。

リミッターを解除した上で「速度を上げたい!」となると、排気なり駆動なりを純正からカスタムパーツに交換するのが手っ取り早いです。
ただ、車体は純正部品で構成されています。それは言い換えれば「純正部品同士でバランスをとっている」ということです。
一応、「ある程度の負荷」に耐えられるような設計がなされているので、「少々のカスタム位」では特に危機的なことにはならないはずです。
まあ、人によっては「どこまでが少々なのか?」というところが別れますので一概に「ここまで」とは言えませんが・・・。
とはいえ、「純正に比べて速度を上げる」ということは純正に比べて、
1、エンジンの発熱量が増える
2、振動が増える
3、車輪の回転数が増える
という事になります。

となると、それらを「受け止める部分」である車体やサスペンション、ブレーキもそれに合わせて強化するというのがセオリーといえます。

で、今回乗ってこられたアプリリアも「リミッターが着いている」ので「見た目の割には国産スクーター並みに遅い!」というレベルでした。
そこで、取り合えず簡単なトコロから・・・ということで、小さいリミッター部品を外し、その大元であるチャンバーを交換しました。
後はそれに合わせて、キャブレターとウェイトローラーを簡単にセッティングしました。
ということで、作業としては
1、リミッターをカット(負荷になっている部品を外す)
2、純正チャンバーから社外チャンバーへ交換(何故かうちの店に置いてあった)
3、純正のウェイトローラーから、セッティングのために少し変更
4、キャブレターのジェットを、少し変更
というところです。

それで結果はといいますと・・・

画像はそのSR50です。
最高速+40Kmという、とんでもない結果となりました。( ̄  ̄!)
帰宅後、オーナーからトテモ興奮した口調で電話があり、「何事か!?」と思ったらそんな内容でした。
車体のほうも元が高価なだけあって、殆ど問題らしいところもなく取り合えず安全のために「ブレーキだけ強化しようか?」と仰ってました。
純正のチャンバーは社外チャンバーのような形状をしているので、変化してもそれほど目立たないというのがポイントです。
元々カッコいいデザインですので、下手に触ると変なことになるかもしれませんね。
ちなみにチャンバーは私がヤフオクに出してた物で、国内販売価格よりも4割安い価格だったのですが
「それでも高い」という人が多かったようで結局売れなかった物です。
「残り物には福がある」とはよく言ったものですね。

それにしても、当初の目的は「慣らし運転とお目見えついで」だったんですがねえ・・・。(^^;)ゞ

久々にTOMOSを

2010-02-09 21:28:49 | Weblog
今日は、春の陽気と言える位に暖かかったです。
今日が定休日であるならば一番良かったのに・・・(^^;)

昨日の件もあってか、気分転換がてらに空いた時間でTOMOSを触っていました。
ブログ題名がモペッドライフという割には、モペッドから遠ざかっていた感じですねえ。
まあ、スクーターもモペッド(原動機付自転車)なので、あながち間違いではないのですけど。

店のバイクを洗車するときには「ついでに洗う」ので、劣化しているということは無いのです。
ただ・・・ナンバーがいつの間にかもげてなくなっていました。(T_T)
TOMOSに有りがちなトラブルなんですが、ずいぶん前に「千切れ防止」のためにホームセンターでプレートを買っていたのですが、
タイミングよくお客さんに持っていかれたまま忘れていました。(^^;)ゞ
そういうわけで、明日の定休日に市役所へ行く用事が出来た次第です。

さて、前にTOMOSに乗った際に「出だしに違和感」がありました。
スクーターなんかと違ってバリエーターというものが無い「2AT」ですから、車のATみたいな変速をします。
ですから、「出だしがダルイ」という感じは元からです。
だからか、大きな違和感というわけではなく「ボアアップとかチャンバーが着いている分」気になるようになったのか?というぐらいでした。
で、とりあえず「ギアオイル交換ついでに」クラッチの様子でも見ることにしました。
当初は、先理由から「クラッチの軽量化でもしてみるか?」と思っていたからです。

TOMOSは湿式クラッチなのに一般的なプレートが無くて、スクーターや他のモペッドのような「遠心クラッチがオイルの中に浸かっている」という
あまり見かけない変わった構造です。まあ、その変態的な構造がマニア心を擽るのかもしれませんねえ。(^^)

オイルを抜き、ペダルを外してクランクカバーを外すとすぐに出てきます。相変わらずギアオイルの匂いは臭いですねえ。
それで、クラッチを外したら・・・

画像はそのクラッチです。
なんと「自己軽量化」されていました!さすがはスロベニアクオリティです。( °o°)
実際はそんなアホは話はあるわけなく、普通に減っていただけです。
右が元のクラッチ、左が交換するクラッチです。一目瞭然ですね♪

ようやく片付いたこと

2010-02-08 15:04:18 | Weblog
うちの店の近所にはスーツ屋さんが2件あります。
昨日、前を通ったら「礼服」とか「リクルートスーツ」などの商品コーナーが出来ているみたいでした。
もうそういう時期なんですねえ。(^^)

以前に海外からの輸入でトラブルがあった話を書いたことがあります。
日本国内でも「通販などでトラブルになった」という話を聞きますから、そうなるリスクは高いと言えるかもしれません。
ですから、「信用性の高い相手を探す必要」というものは重要なことです。
一見、「見やすくて、思わず商品が欲しくなるようなサイト」を運営していても、相手の人間性とか信頼性は取引するまでは分りません。
そういうわけで、大きな金額を使うのであれば「下調べは極めて重要」と言えるのです。

私は海外メーカーの輸入代行もしています。
まあ、出来る物と出来ない物もありますが、依頼されればそれを行います。
よくお客さんから聞く話が「日本の代理店価格と海外では同じ物が倍ぐらい違う」ということです。
単純に金額だけ見ればだいたいその通りです。

しかし、そこには根本的に抜けている点が有ります。
それは
1、商品がきちんと到着するのか?
2、支払うのは表示されている金額だけなのか?
3、商品が壊れている場合、「相手先にクレームなり交渉なりするのは自分」
ということです。

まず、1の問題です。
購入先がよほどしっかりした企業でない限りは、追跡番号も発行されませんし、使用する輸送業者も一つでは有りません。
私がこれまでに経験した最も多い場合は、ドイツから日本まで6社が咬んでいました。
そのサイトにはDHLを使用すると謳っていました。
確かに使用されていました。「その企業から次の企業へ送られるまではDHL」でしたから。
その時は無事に到着しましたが、時間は非常に掛かり、梱包されていた箱もボロボロでした。
酷い場合は送料も航空便並みに高いのに、半年掛かったという事もあるようです。

次に2の問題です。
支払いの際に表示される金額は
1、商品の本体価格
2、送料
3、現地での税金
です。
海外に限らず、日本でも「契約書が何においても最優先事項」ですから、他に金額が掛かる場合は支払い前に連絡があるか、
注意書きが有りますので読めば分ります。
それで、表示されていない金額というのが「関税」です。これは基準があいまいで、掛かったり掛からなかったりします。
購入先や輸送業者の輸出時の申告の仕方で有ったり無かったりします。

ところで、これら以外に請求が来る場合があります。私も以前体験したことがあります。
それは「不法請求」です。
「関税」というのはれっきとした税金で、その際に「通関手数料と消費税」も掛かります。
これらは「紛れも無く税金」であることは確かです。
では、「何が不法?」といいますと
「税金分を立て替えたから払ってくれ」というケースです。
どの商売でも「見積」というもがありまして、例えば私がお客さんにバイクの修理工賃を3千円請求したとします。
それで、見積もりの段階で(契約前)「3千円」とした場合、お客さんは「総額3千円」という解釈になります。
もし、「大体3千円位」と言った場合は「不確定」ですから「上がる場合もあるし、下がる場合もある」となります。

さて、「3千円」とした場合の要点は「全ての経費コミ」ということです。「税金も経費」ですからその中に含まれるのです。
これは以前、弁護士と経済産業省から「同じ回答」を貰いましたので、法改正でもされない限りは確定事項です。
それでも、「契約書に別途徴収する」という記載事項があれば請求されても不法ではありません。

では「不法というのはどういった場合?」といいますと
1、契約書に一切記載されていない(これだけで確定事項)
2、相手先に問い合わせたが相手先も「知らない、もしくは払う必要はない」と言った
3、財務省や国税局といった国の機関からの請求ではない(国からの物であっても請求書には「異議申し立てする場合」の問い合わせ先が書かれている)
*3は「契約書に記載されていない」という場合のみで大体が「税金立替分」という名目であって「国に対する税金の支払いとはなんら関係ない」
というときです。
ようは、二重取りする為に「税金」と言ってしまえば「払わないといけないもの」と錯覚する霊感商法みたいなものです。
一度払ってしまえば、「返却は非常に困難」なようです。法律は自分で分らなければ専門家や公的機関に確認しないと酷い目にも遭います。
自分の思っている解釈が正しいとは限らないのです。

最後に3の場合です。
どの時点で壊れたのかは分りませんし、酷い場合は壊れた物を平気で送って来たりします。
酷い場合は「商品送らずに、料金だけ騙し取る」ケースも有ります。
日本でも「あからさまにエンジンの壊れているバイク」を、その記載や説明も無く「壊れていません、良好品です」といって販売するバイク屋がいます。

代理店の価格が「現地の倍以上」というのは、高い送料に加えて「それらのリスク」も請け負っているからです。
「タダ同然の物を極めて高額で販売している」といのであれば文句が出るかもしれませんが、実際のところは『欧州部品』は「それほどでもない」というトコロです。
ですから、代理店によっては航空便を船便にしたりして何とか利益が出るようにしているというのが現実です。

それでも、安くしたい場合は「自分で探して、自分で購入して、自分でリスクを負う」という完全自己責任しかないでしょう。
あるいは、「凄い人脈を作ってそれを利用する」とかですね。

本日ようやく私の手を離れたのですが(8割がた)、海外の相手と揉めていました。それも、約半年の間。
相手とは何回か取引したのですが、今回3の対応をされたので揉めました。
契約やその後の約束(書面での)は破る、証拠を上げても返金は応じないはと非常にややこしい相手でした。
「相手は販売だけ」のようなので、念のために部品の製造メーカーにも確認の問い合わせまでしました。

一応私は「保険」ということで、トラブルになった場合に備えて「そういった会社」と契約していますので最終的にはそちらに依頼しました。
その企業は日本人なら誰でも知っている一部上場企業ですから、私と相手のやり取りで「私に落ち度が有れば」はっきりと「ダメです」と言われます。
で、「私と相手のやり取りの内容」をその会社に送りまして、その後担当者の方と話をしていても「相手が悪い」という事でした。

今回、「この企業の名前が出たとたんに」返金が行われましたが、「返品分の送料などで支払うと約束したのにもかかわらず」まだごねています。
いやはや、日本だけでなく世界中に「この手の小ざかしい人間」は存在しているのです・・・。
「相手は海外の会社」ですが(グーグルでSCOOT PARTSと入力すると一番上に出てくる「オランダの会社」です)、その行為が自分の国の評価も下げるとは思わないのでしょうか?
まあ、他のその国の企業はそれほどでもないので「この個人と会社」にのみ、腹立たしいというか不快感があるだけです。

非常につまらない話でした。

画像は相手先に送り返した際に掛かった返品費用です。
商品の「一部返品」と仕事とはいえ無駄な経費です。
ちなみに、最近こういった不快感を緩和する為にニコニコ動画で「冒険野郎マクガイバー」を連続鑑賞していました...。

当店の犠牲者

2010-02-04 14:20:18 | Weblog
二月に入っています。一昨日の大雪には参りました。何故なら、うちの築30年以上の店舗では流石に寒くて・・・ 
とり合えずタイヤ外しのタイムアタックなどをして体を動かしていました。(^^;)

最近ブログの更新をしていなかったのですが、「忙しすぎて!」というわけでもなく「話のネタが無かった」という次第です。
しかし、初めてうちの店に来られる方には「ネタが豊富な店」らしいです。(^^)

Kymco SUPER9というスクーターがあります。
台湾製の車輌で見た目も国産の同クラスに比べ、大きくてカッコよく知らなければ欧州車にしか見えません。
残念ながら生産終了になっていますが、世界中で人気が高くカスタムパーツもヨーロッパを中心に沢山あります。
ただし、ノーマル車輌(メーカー出荷時)は見た目に対してとても速度が遅く話にならないそうです。
私もお客さんの車輌に乗ったことは有りますが、始から非常に速くて一クラス上の「グランドアクシス」「や「アドレスV125」を引き離す状態だったので
ノーマルの状態(普通の状態)というのを詳しく知りませんでした。

さて、「幸か不幸か」昨年うちの店を知っていただいたお客さんがおられました。
私やうちの常連さんと話し込むうちに、過激な方向へ洗脳(?)が行われチューニングが行われました。

カスタムの定番であるボアアップで、日本で定番といえばイタリアのマロッシというメーカーの物です。
物の作りも定番でというだけあって悪くなく、内部のポート形状も「まあ普通」という代物です。
乗った感じも「悪くない」というぐらいで「可は有って不可は無い」といったところです。
ただし、これは「あくまで一般的なタイプ」の話で最上級グレードである「TEAM」というものは値段相応に内部も過激なシロモノです。

ヨーロッパは分野問わずに「最上級グレード」というものには「神懸った」という位に「通常グレードとはまったくの別物」を造る習慣があるようです。

で、過激というからには定番商品は「面白くない」という理由で使用はしません。だからと言って「出所不明の怪しい物」も使用しません。
使用したした物は「AIRSAL」というスペインメーカーの物です。
このメーカーは日本では「モペッドのトモス」では一部知られていますが、れっきとした「エンジン屋」です。会社創業以前から数えて50年位エンジン屋をしています。
「だから」なのか、全てが他メーカーには無い工夫が凝らされていて、通常グレードでも「マロッシのTEAMに匹敵する形状」で生産されています。
その辺りがラテンの本場であるスペインならではといえますか・・・。情熱を感じます。
実はスペインて「ヨーロッパ一レースが盛ん」と言われるぐらい、F1でもMOTO-GPでも一つの国で「ワンシーズンに3回」レースが行われる「唯一の国」なのです。
一レースにも「約20万人以上」動員するアツイ国です。
ですから、こういったものが造られることに何ら不思議は無いのかもしれません。

ここで、簡単なお話です。
エンジンには冷却装置が付いています。
空冷であれば「冷却ファンや冷却フィン」が、水冷であれば「ラジエターコアやウォータポンプなど」です。
エンジンは内部で燃料を爆発させて動力にしています。
ですから、それが繰り返されれば発熱量がどんどん増えて、やがてはそれらを受け止めているピストンやエンジン本体が「熱で変形するなり溶けていく」のです。
大雑把に言えば冷却装置は「そうさせない為の装置」なのです。
純正の冷却装置は「あくまで純正用」なのですが多少は安全を見て大目の容量を持っています。
ただ、カスタムもやりすぎるとそれを超えてしまいますので「対策」が必要です。

マロッシのボアアップキットも通常グレードで「通常の使い方」をしていればそんな事はしなくてもいいでしょう。
最上級グレードの「TEAM」に匹敵する形状のAIRSALでも「優しく使う分」にはそんな必要も無いかもしれません。

しかし、パワーバンド(エンジンで最も力が出る回転域)をそれに見合ったレッドゾーン(危険域、タコメーターの赤い表示域)を超えるトコロにするならば・・・
結果こうなるのです。(-_-)b

画像は「こうなった」SUPER9です。ラジエターコアが二つ付いています。
パワーバンドはレッドゾーン越えの「一万回転辺り」です・・・。
使用しているカスタムパーツって、ボアアップキットとチャンバー、バリエーター、エアクリーナーの他は調整パーツのみです。
実のトコロ、想像以上にお金は掛かっていないのです。でも、その割にはトテモ速いですよ(^^)b。
これは一応「町乗り用」です。