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桜宮高、決まらぬ「民間校長」…教職員全体の人事にも遅れ
産経新聞 3月15日(金)15時13分配信
体罰問題があった大阪市立桜宮高校をめぐる人事が難航している。現在、市教委幹部が兼任している同校の校長について、市教委顧問で前バレーボール全日本女子代表チーム監督の柳本晶一氏が民間校長の人選を進めているが、内定には至っておらず、教職員の入れ替えの案策定にも遅れが出ている。21日には管理職を除く全高校の人事異動の内示が予定されており、市教委では同校の指導体制刷新に向けギリギリの作業を迫られている。
■柳本氏に人選一任
「校長は学校運営の最高責任者。改革の意思を示すためにも民間人を据える」。永井哲郎教育長は、産経新聞の取材に対しこう強調した。
市教委では同校改革に向け外部人材を積極登用する方針を決め、校長については当初、柳本氏を最有力候補に位置づけていた。橋下徹市長も「最高の人選」とラブコールを送ったが、多忙の柳本氏は「常勤は困難」と固辞したため、同校改革担当の顧問職を新設して迎え入れた。
市教委は応急策として、暫定的に大継章嘉指導部長が校長を兼務する異例の人事を発令。市教委内では「柳本氏の顧問就任で外の空気を入れるという当初の目的は果たせた。校長は市教委内部の人間でもいいのでは」とする声もあったが、事務方トップの永井教育長は民間校長の実現にこだわりを見せた。
永井教育長は「船頭が2人にならず、柳本氏と連携できるように」として、柳本氏に人選を一任。市教委では4月上旬から新校長を就任させ、大継部長の兼任を解く日程を描くが、「具体的な候補者名は事務方には伝わってきていない」(市教委幹部)。
■総入れ替え実現は
桜宮高の体罰問題は教員人事全体にも影響を及ぼしている。
教員の希望などをヒアリングした各校長の報告をもとに市教委が教員人事案を計画、例年は3月の中旬には固まっている。だが今年は年明けに桜宮高校の体罰問題が表面化して前校長が対応に追われ、ヒアリングを行えないまま更迭。同校の作業遅れが影響し、他校を含めた教員の人事案がまとまっていないという。
橋下市長は当初、市教委に同校の教員の「総入れ替え」を求め、その後も「体育系クラブの顧問の総入れ替えは絶対に譲れない。もし平成25年度もいるとなれば人件費は執行しない」と迫っていた。
しかし、市教委では「全員一斉に異動させては学校運営が成り立たなくなる」と否定的だ。橋下市長が体罰を生む一因と指摘してきた同一校での長期在籍教員についても、当初は在籍10年超の教員を原則として4月に一斉異動させる方針だったが、内示を直前に控えて「対象者全員を動かすとはかぎらない」(市教委幹部)とトーンダウンしている。
市立高は23校と学校数が少なく、担当教科も細分化されていることなどから、これまでも異動が滞ってきたといい、「体育系顧問の総入れ替えや長期在籍教員の一斉異動は現実的には難しい」(同)としている。
橋下氏の要望とは乖離(かいり)した人事案策定。だが、策定には橋下市長が信頼を寄せる柳本氏が携わっており、市長も13日には「柳本さんに任せる」と述べ、静観する構えを見せている。
【用語解説】大阪市立桜宮高の体罰問題
昨年12月23日、当時のバスケットボール部主将の2年の男子生徒が自宅で自殺。顧問の男性教諭の体罰に悩んでいたことが判明し、市教委は今春の体育系2科の募集を中止。定員120人分を普通科に振りかえて入試を実施した。弁護士で構成する外部監察チームが自殺と顧問の暴力との因果関係を認め、市教委は2月13日に顧問を懲戒免職処分とした。
要は橋下市長の意向を酌んで柳本氏が動いていないということ。
橋下市長、友人かなにか知らないが、頼んだ相手が悪い。
柳本氏では解決しきれない。
なぜなら、この度の生徒が自殺した原因に顧問の暴力があることに心から納得していない
のではないかと思われる節があることだ。
もし、橋下市長の心意気に感じたなら、どんなに忙しかろうが校長を引き受けたと思われ
る。
それが、柳本氏が校長就任を固辞して、顧問でお茶を濁した段階で、橋下市長は次善の策
をとるべきであった。
校長としての管理能力に疑問が付き、その上本気になってない人間に、いくら友人である
からと預けてもできる相談とできない相談があろう。
このままでは、尻つぼみの結果に終わり、市長自身のパフォーマンスと言われかねないの
ではないか。