蚊

いつぞや書いてた『直木賞狙うぞ、長編小説』ではございません。
ほんものの蚊、でございます。

落ち武者・・・落ち鮎・・・名残の蚊？？

いません？　最近。そうゆうしぶとい蚊。
ちょっと前の真夏、暑いわ、暑いわ、暑すぎる！の時のほうがいなかったように思うの。
気のせいかな？　一回り小ぶりなんだけどしつこく飛び回ってるのが・・・多くなったように感じて。
また、それが刺されると痒いねん。

敵もね、そろそろ季節外れになるっていうんで必死になってるのかな？
子孫残す為に、栄養つけるぞ～って感じで遠慮なく刺す。

昔、蚊って耳元でぶ～んって羽音立てていたように思うんだけど、この頃音無し。
気がついたらとまってて、とまってたら最後、痒いの。
いつだったかな～、誰の文章だったかな？　書いてあったのよ。
「ああ、血ぐらい、いくらでもくれてやるさ。　俺は血の気が多いんだから、多少吸われたところで全然構やしないさ。　だけどよ、血を吸わせてやってんだから、そのお礼ってのが痒みってぇのは止してくれないか。　黙ってそっと吸っていくんだったら、オイラ、お前を潰しやしないぜ」っての。

私も、なんか頷く。　そりゃあさ、いろんな病気を蔓延させるかも知れないし、よくないのはわかってるけどさ、なんで痒み・・残すのよ。
別に痒くさせなきゃ、私だって目の敵にして潰したり、蚊取り線香なんて焚きはしないのに。
さっきもね、やられたの。ジーンズから出てる足首にかゆかゆが出てきた。

で、よ～く見たら、血を吸いすぎて体が重くなったのか動きの鈍いのが飛んでいた。
情け容赦なく叩いて、掌の血溜まり？・・・これは私のA型の血だ、なんて思いながら手を洗いに行った。

昔、書いた小説は男の血を吸った蚊がよたよた飛ぶシーンから始まって。
それを叩き潰して、せめてものあだ討ちが男への最後の愛情にするか、顔を刺されているのに気がつかない男の鈍感さをモチーフにするか・・・そんなとこで悩んだな。

いらんことを思い出させる、秋のしましま模様の蚊・・・。