司書教諭日誌

福島県の公立小学校勤務。小規模校勤務ですが、司書教諭に任命されました。
日々の取り組みや学級指導を綴るブログです。

子どもに本を買ってあげる前に読む本

2009-03-31 22:12:13 | 読書録
赤木かん子著「子どもに本を買ってあげる前に読む本 現代子どもの本事情」
ポプラ社 2008

先日の講演会で紹介されていたので、図書館で借りて読んでみました。
講演会と、学図研会報に載っていた金原瑞人氏との対談と内容が重なっている部分が多いように思いました。
赤木さんの今の考え方をまとめた本のようです。

驚いたのは、この本を読むのに20分もかからなかったことでした。
速読したのでも、一部しか読まなかったのでもありません。
熟読・熟考したとはいえませんが、一通り読んだのに、それしかかからなかった、
それはなぜか?

「昔の本が読めなくなる主な理由は」という章があります。
言葉や活字、絵や段組が古くなると、ビジュアル的にもう読めなくなるのだそうです。
逆に、今は新聞も活字が大きいし、段組もぱらっとしていて、挿絵や写真も入り、
見出しの文字も大きくて、改行も多く、一行空きも多いです。
(一行空きは、ネットの影響ではないかと思います)

この本は、まるっきりそういう作りをしているのです。
ビジュアル的に、非常に見やすく作ってあります。
きっと、意図的なものでしょう。
もし、30年前の段組でこの本と同じ文章量を詰め込んだとしたら
おそらく3分の2くらいのページ数になるのではないでしょうか。

30分以内で、ある程度まとまった情報が受け取れる本。
これからはそういう本がどんどん増えていくのかもしれません。

いや、思えば新書ブームってコレだったのかも。
最近の新書は「あれ、内容はこれだけ?」と思えるカスカスなものも見かけますから・・・




3月30日

2009-03-30 19:35:20 | 司書教諭日誌
3月30日

4月の職員会議で提案する図書館教育プリントを作成。
 
 ・学校図書館はこんなことをします(4つのサポート)
 ・貸出開始日
 ・朝の読書タイムについて
 ・先生のおすすめの本募集
 ・リクエスト表

昨年度力を入れたのは「アピール」だった。
学校図書館用の掲示板を数箇所設けたり、職員会議で月ごとの学習に役立つ本リストを載せたりした。

来年度は、もう少し踏み込みたいと思う。
それが「リクエスト表」の回覧だ。
先生たちは(私もだが)忙しいので直接会って話をする時間はなかなかとれない。
そこで、回覧板をまわしてはどうかと考えた。

年度当初や学期末には、それすらもわずらわしいと思われるかもしれない。
あるいは、毎週毎週回ってくる回覧板にいらつく人がいることも十分予想される。
それを覆すには、成果をあげるしかない。
「これを書くことでメリットがあるんだ」と思わせるようにきちんと運営していく。
それが来年度の行動目標だ。

図書館リニューアルのボランティア

2009-03-28 21:47:29 | 司書教諭日誌
赤木かん子さんプロデュースによる学校図書館リニューアルのお手伝いに行ってきました。

まずは参加者に「分類体系」についての講義。
 これがおもしろかった!
 なぜこんなふうに分けるのかということが、腑に落ちました。

その学校では、数週間前に赤木さんがいらしていくつか指示をされたそうです。
本棚は水性ペンキ(美術館などで用いる、速乾性のペンキ)で白く塗ることや、
天井、蛍光灯のゴミを払うことなど。
本棚はもちろん、柱や梁まで真っ白に塗られた図書館は、とても明るく綺麗でした。
全職員体制で準備に臨まれたようです。
本は、空き教室にすべて動かしてありました。

次に、大きく二つにわけて活動です。
片方は「棚の準備」
 赤木さんが準備した棚ラベルに棚シールを貼り、
 カッターで切り取ってブッカーでコーティングします。
 赤木さんが紙に本の分類を書いたものを棚にどんどん貼っていきます。
 その棚に、棚シールを貼っていくわけです。

このときの、棚の決定がポイントだなと思いました。
 手持ちの本に合わせて棚を決めるのではなく、  
 「この規模の図書館なら、この分野の本は棚○段、このジャンルは○段」
 というように、図書館全体の規模からジャンルごとに本の大体の冊数を決めて棚を決定するやりかたです。
 なんだかスーパーの陳列棚の作り方を見ているようだと思いました。
 「入口に野菜売り場を置いて、調味料はここ、洗濯用品はここ・・・」という具合です。
 これは合理的だと思いました。
 スーパーの売り場と同じように、このジャンルは入口の方が使いやすいとか、
 このジャンルはこのジャンルと隣りあわせにすると効果的などと構想するのは。

もう一方では、赤木さんの分類シールごとに本を分け直してシールを貼っていきます。
ここには多くのボランティアが参加して人海戦術でこなしていましたが、
本の内容によって分け方が異なるので、司書さんが大忙しだったようです。
どんな本だか判断できる人が必要です。
また、この段階で廃棄する本や別室に置く本をより分けていました。

学校図書館の本にはすべて3ケタのNDC背ラベルが貼ってあったのですが、
それに変わるものとして分類シールを貼るという構想。
これは、賛否両論があるだろうなと思いました。
昆虫などの一部にはNDCも並記してある棚シールですが
その他にはNDCは記載されていません。
NDC信奉者には受け入れられない方法でしょう。

一方、絵やピクトサインで表現する分類シールも、中には何を表しているか分かりにくいものもあります。
例えば、ハートが一つ、二つ、三つのシールがありますが、
それらは心の本やボランティアなど違うものに当てられているため、どれが何だったか混乱しやすく、
シールを貼る人たちは何度も確認しあっていました。

残念ながら、初日の作業はこれでおしまいでした。
掲示板やカウンターテーブルのリニューアル、季節感のある展示などは明日に持ち越しです。

初日だけの参加でしたが、図書館運営の勉強になりました。
子どもの立場に立って考えた「子どもの皮膚感覚」による分類は、たしかに画期的だと思います。
480のごちゃつき具合などは、どこでも頭を悩ませている問題だと思いますし。

自分の学校に当てはめて考えると、とにかく思い切って古い本を取り除きたくなりました(笑)
学校図書館=おしゃれな雑貨やさん構想も、感覚的に理解できます。
     =落ち着けるカフェ、という実践も知っていますが。

帰りに早速、春休みにやることをリストアップしました。








考え中です

2009-03-25 21:31:39 | その他
3年前にこのブログを立ち上げて以来、今年の3月はじめまでは平日ほぼ毎日更新というスタイルで続けてきました。
当初はブログを毎日更新するために司書教諭としての仕事を何が何でも、些細なことでもやることを課してきました。
行動目標の指針としていたわけです。

振り返ってみると、1年目は図書館の施設そのものの改装に熱中していたので、毎日更新のペースと合っていた気がします。

2年目は、1年目の続きとシステム固めだったので、これも継続してできました。

3年目で、行き詰まり感が出てきました。
成果はそれなりに上がっているのですが、次の山が見えずにずるずると細かい手ばかり打ってきたような気がします。

3年というのは、ひとつの区切りだと思います。
来年度からは、次のステップをめざします。

効果があって、負担が少なくて、おもしろい!と思えること。

高望みかもしれませんけど、この3つは外さないでいこうと思います。

来年度からは、このブログの役割も変えます。
でも、どうするかはまだまだ考え中です。

CHECK

2009-03-15 22:34:33 | その他
雑誌「学校図書館」3月号の特集1が「評価」だった。
記事を読んで、なるほど自分の一年間の活動をきちんと振り返って、できたところもできないところも評価しなくてはならないのだと腑に落ちた。

そう思ってノートをめくったら、「20年度にやりたいこと」の実践項目は全部やっていた。
ただ、その成果を客観的に評価していなかったことが問題だった。
利用者の視点から、あるいは直接評価していただくと、次年度の課題が見えてくると思う。
そして、課題が見つかるということは、次の目標が見つかるということだ。
やる気が出てきた。