司書教諭日誌

福島県の公立小学校勤務。小規模校勤務ですが、司書教諭に任命されました。
日々の取り組みや学級指導を綴るブログです。

読書感想文の指導

2016-10-01 20:10:42 | 読書指導

国語では、遅ればせながら読書感想文の授業をやっています。

ありがちな読書感想文の指導

A
・夏休みに書いてきた中からいちばんよさそうな感想文を選ぶ
・それを書いてきた子どもといっしょに見直し、少し書き直す。

B
・夏休みに書いてきた中からいちばんよさそうな感想文を選ぶ。
・先生がリライトし、子どもに清書させる。

C
・読書力のある子や作文のうまい子に課題図書を読ませ、書かせる。
・教員といっしょに感想文を書く。低学年の場合は聞き取り方式で書く。

批判しているわけではありません。
ぜんぶ、私が今までやってきたことです。
・・・・・・・・・・・・・反省。

私の学級でも夏休みに読書感想文の宿題を出しました。
今となっては、失敗したなあと思います。
大した指導もせずに丸投げしたのですから。

その反省を生かし、国語の授業中にまず本を時間を設けることにしました。
全部読んでから感想を書くのではない、ライブ感想文です。

子どもたちには、こんな話をしました。
「あせって読む必要はありません。
 読みながら考えたり思ったりすると、心や頭が動きますね。
 その動きを大切にしてください。
 ああ、自分はこういうふうに思うんだ・・・という変化に気づくことが大事です。
 そして、忘れないうちに書きましょう。」

教室がしんとなり、メダカの水槽の水音が大きく響いたので、慌てて水を足して音を小さくしました。

翌日は、感想の書き出しのヒントを板書し、読書の続きをさせました。
長編を読んでいる子には、登場人物のメモをノートに書く方法を教えました。
(人物相関図とまではいかず)
読んでしまった子には、感想を書く視点をカンファランスしました。

3日目は、読み終えて最初の感想を書いた子が増えてきたので
感想文の構成パターンを教えました。

〈感想文の構成 その1〉
 読んだきっかけ
 あらすじ + 感想
 あらすじ + 感想
 自分と比べる
 あらすじ + 感想
 まとめ

〈感想文の構成 その2〉
 感想 ・ 疑問
   ↓ 
 証 ↓ かいてあること
 拠 ↓ 自分の考え
   ↓
 まとめ 自分の答え

多くの子には、「その2」のパターンを勧めました。
二人で作品へのいちばんの「疑問」を考え、
その問いへの答えを探す項目を考えたり、ヒントを出したりしました。
(ここでは「疑問」としましたが、「問いかけ」としたほうがよかったでしょうか?)

子どもたちからは、こんな「疑問」が出されました。
「あんなに小さなルドルフが、イッパイアッテナでさえ歯が立たなかったブッチーをやっつけられたのはどうしてか」
「もし、自分のクラスにオーガストみたいな子が転校して来たらどうなるだろう」
「どうして転校生の始にはびりっかすが見えたのか。びりっかすって、いったい何者だったのだろうか」

なかなかいい疑問です。
さあ、子どもたちはうまく自分の考えをまとめることができるでしょうか?
自分の考えをまとめることは苦しい作業です。
でも、まとめられたらすごく楽しいはずです。








2年生のリテラチャー・サークル

2016-03-04 23:08:45 | 読書指導
2年生のクラスで2回目のリテラチャー・サークルを行いました。
選んだのはこの2冊。

 最初、ブックリストをもとに図書館で数冊読んで選び、教室で子どもたちに見せて選んでもらいました。
 「たまたま・たまちゃん」は表紙に引き付けられたのか、すぐに決まりました。
 「おそうじをおぼえたがらないリスのゲルランゲ」は、台詞の言いまわしが面白かったのか、読みたいという子がいました。

さて、児童が6名なので、3人ずつの班を2つ作ります。本も3冊ずつ必要です。 
 両方とも学校では所蔵していなかったので1冊ずつ市立図書館から借り、残りはネットショップや古書店で購入しました。もちろん自腹です。
 こういうとき、ネットワークシステムがあって相互貸借できるところはいいなあと思います。

たまたま・たまちゃん (ともだちがいるよ!)
クリエーター情報なし
WAVE出版


おそうじをおぼえたがらないリスのゲルランゲ (世界傑作童話シリーズ)
クリエーター情報なし
福音館書店


両方とも80ページ前後の本なので、約20ページずつ、4回に分けて行うことにしました。
このくらいだと、1時間の授業内に読んで、書いて、話し合うことができるのです。
読むのが少しゆっくりな子には、朝の読書タイムに読んでおいてもいいと話しました。

2回目なので、子どもたちは役割も大体理解しており、話し合いもリラックスして進みました。
なかなか書けない子にはアドバイスしたり、話し合いのファシリテーターに教師が入ったりもしましたが
子どもたちは回を追うごとに上手になっていきました。
今回、ICレコーダーを1台だけ使って、私がいない間の会話を録音させてもらいました。

4回の読みが終わったあと、5日目は自分たちが読んだ本を相手の班に紹介する試みをしました。
「あらすじ」「主人公」「おすすめポイント」に分けて紹介を書き出し、紹介します。
紹介を聞いた後は、全員が読みたいと手を挙げたので、少しだけ読書タイム。

2年生のリテラチャー・サークルは、こんなふうに進めると無理なく楽しくできるのだなと、一つのパターンを掴んだように思います。

しおりコンテスト

2014-11-09 18:18:55 | 読書指導
うちの学校図書館でも、遅ればせながらの読書週間です。

 しおりコンテストで作品募集
      ↓
 
 作品を展示して投票してもらう
      ↓

 選ばれたしおりを印刷し、読書ビンゴの賞品に
      ↓

 全部読んだら、図書委員お手製スペシャルしおりプレゼント!


という、我ながら少々ぬるい企画です。(様子見)


投票用ポストを若手君に頼んだら張り切ってすぐに作ってくれたのはいいけど
ガムテープの上からスプレーペンキで塗ったりして(^^;)
ガムテープはペンキをはじくことを知らなかったようです。これも勉強勉強。

しおりコンテストは、6年生の図書委員長が「やりたい!}と乗ってくれて
なんと2時間もかけて素敵なイラストを応募してくれました。
えらい! 毎日すごーく忙しいのを知っているので、余計に感動!

前の学校だと100通以上の応募があってにぎやかなイベントでしたので
応募数が少なくて「あれ・・・」という気落ち感も、正直ありました。

でも、参加者が楽しんでくれればいいじゃないか!

というわけで、
子どもと本を結び付ける働きかけを懲りずに続けていきましょう。

絵本賞実践校にも応募しました。受かるといいな。

とある絵本の、書架プレゼント懸賞も応募しました(^^;)

子どもたちが育てた芋を焼き芋にしたので、図書館前にこっそり
「ばばばあちゃんのやきいもパーティ」を展示。
焼き芋が余ったらこうするといいんだって、と紹介もしました。
(その前にクラスで読み聞かせ)







     


今年の読書週間

2014-10-28 22:29:25 | 読書指導
図書館担当の若い先生と、今年の読書週間について相談しました。

今頃!?と、突っ込んでやってください(^^;)

今までにやってきた取り組みをいくつか紹介したところ
しおりコンテストに惹かれたようでしたので
昨年度、本校で行っていたというジャンル別の読書ビンゴと
しおりコンテストを組み合わせて取り組むことにしました。

小さい学校は、こういう小回りが利くのが便利。
というより、私のように泥縄な人間にはありがたいところです。



小野町ふるさと文化の館

2014-08-16 00:27:11 | 読書指導
8月13日

帰宅途中、ふと思いついて小野町の「ふるさと文化の館」に立ち寄ってみました。
ここは、郷土資料館と図書館、丘灯至夫記念館、美術館が複合された建物です。
隣は公民館。脇には小さな小川も流れ、木陰のベンチでは小さな子を抱いたお母さんたちがおしゃべりしていました。
平成5年建築。

○ 図書館コーナーの入り口には、「郷土のプリンセス リカちゃんコーナー」が!!
 リカちゃん人形が数体と、リカちゃん関連本、リカちゃん世界旅行の写真集、特別住民票などが掲示してありました。
  ※ご存知ない方に解説。
   小野町は平安期に小野篁が巡行したと言われる町で、美女として有名な小野小町は彼の娘だとする説があります。そこで小野町は「リカちゃんキャッスル」という製造工場や展示、服や小物を組み合わせてオリジナルのリカちゃんが作れるお土産コーナーなどのある施設を作りました。ちなみに、この展示のリカちゃんヒストリーが抱腹絶倒もので、幼い頃にリカちゃんで遊んでいた世代の女性には特にお勧めです。

○ 図書館は、ワンフロアに児童と一般図書が入っています。フロアの本棚はそれほど背が高くなく、解放的な雰囲気です。
 郷土資料コーナーには、小野町だけではなく福島県の本もありました。地元出身の有名人である小泉武夫さんの著書もたくさん。
 ノベルズや新書、文庫が別置きしてあるのは、書店の並び方みたいでわかりやすいです
 新しいYA文学やティーンズ文庫も入っていて、いい感じ。
 料理本コーナーの棚の上に、原発関連の本が小さい本ラックに入って置かれていたのはよくわからないのですが・・・すごい違和感でした。他に場所がないわけでもないでしょうに。
 山梨県立図書館で、好きな作家・乾石智子さんの本を探したら1冊もなくて愕然としましたが、ここにはちゃんと所蔵していて、しかも出たことを知らなかった新刊まで並んでいて感激。

○ 司書がお勧めする本リスト
A4用紙を縦4つにジャバラ折りにしたものが数種類。紹介する本も7冊だけとシンプルな作り。大人用意もあり。書架にさりげなく置かれ、書架上の展示スペースに掲示してありました。借りられている本の場所には「ただいま貸し出し中です。予約できます」という札もありました。このカードがたくさん展示してあるということは、それだけ借りられている証拠でしょう。
 小学校の読書マラソンのような、ちょっとした「読書ノート」(手作り)も発見! 公共図書館では初めて見ました。
 ・A4用紙 図書名・感想などの欄を印刷して半分に二つ折り、
・数枚重ね、ステープラーで中綴じ 表紙は色キリン紙

○ 町関連の新聞記事スクラップ
・A4チューブファイル(2穴)、新聞別、背中に新聞名と期間の日付
・コピー用紙の上部に「朝日新聞 平成  年 月 日 曜日」と両面印刷された台紙
記事を分類せず、時系列で両面に新聞記事コピーを貼ってありました。
  「小野町」という文字が入っていれば、川柳の投稿であろうと線量であろうとスクラップしてあります。ちゃんと、「小野町」という単語はマーカーで塗りつぶしてありました。手間隙かけています。
 このやり方は、学校でやろうと考えた新聞スクラップの参考になりそう。

こんなふうに、利用者にとてもわかりやすい仕掛けがさりげなくあちこちに見られるところがポイント高いなあと思いました。生活に密着した蔵書構成で、よく借りられているようです。

図書館2階の丘灯至夫記念館も、大変興味深いものでした。
「高校三年生」「高原列車は行く」「ねこふんじゃった」「ハクション大魔王」「みなしごハッチ」といったおなじみの曲が丘さんの作品だそうです。
安達の学校にいたときに鼓笛で演奏した「知恵子抄」(歌集ではなく歌謡曲の方)が、この方の詞とは知りませんでした。懐かしい。

地域資料館は、歴史や風土(地形、気候)、古い道、見事な縄文土器、ジオラマ、再現された古民家など、コンパクトながら驚きの充実ぶり。小学生の見学学習に、ぜひ来たい場所です。ここに来れる小野町の小中学生が本当に羨ましい! なかなかないです、市町村単位でここまで充実した地域資料館を持っているのは。(東京都のようにお金のある自治体は別ですが)