司書教諭日誌

福島県の公立小学校勤務。小規模校勤務ですが、司書教諭に任命されました。
日々の取り組みや学級指導を綴るブログです。

保育園へ

2013-08-22 20:24:53 | ボランティア
21日、仮設住宅内集会所に作られた保育園へ、Uさん・Sさんといっしょに行ってまいりました。
行ったというよりも、お二人にくっついていった、という方が正確です。
毎月訪れている恒例のお話会で「一冊くらい読んでみます?」と誘っていただき(前日に!)
「やらせてください」と、よく考えもせずに飛び込んでしまいました。

当日は、10人あまりの小さい子どもさんたちが、お行儀よくテーブルについてお話会を待っていてくれました。
Uさんたちは短い打ち合わせだけで順番や絵本、内容を決めていきます。
私は何冊か持っていった中から「うんちっち」を読んだのですが・・・・・・これは失敗!
小学校では絶対に受ける鉄板の絵本ですが、保育園の子たちには難しかった!
Sさんは、子どもたちに語りかけたり、やりとりしたりしながら、上手にお話の世界に子どもたちを引き込んでいきます。
そういうテクニックというか、心配りが大切なのだなあと勉強になりました。

当日の朝、ちょっと思いついて新聞のチラシで作る工作をいくつか作っていったのですが
お話会の最後にとってもカンタンな蝶をその場で折って飛ばせてみたら、
これは子どもたちが興味を示してくれました。
チラシを斜めに2回折り、つまんで上下に動かすだけなのです。
自分で折ったり、保育士さんに折ってもらったりして遊んで喜んでくれたようでした。

お話会の後、園長さんと打ち合わせや世間話を。
隣の市に作られた仮設の小中学校についてお尋ねしたところ
元々の町にあった2つの中学校と、2つの小学校と幼稚園が同じ建物で再開したとのことでした。
児童生徒も少なくなって、中には同級生のいない学年もあるとか・・・。
中学生は、人数が少なくて部活ができないために地元の中学へ進学する子もいるとのことでした。
子どもたちばかりではなく、通わせている親御さんや先生たちのご苦労を伺って、
仮設校の運営は本当に大変なのだなあと、改めて感じました。

久しぶりに訪れた仮設住宅では、あちこちに植えられたきれいな花が目につきました。
住宅の前にプランターで花壇を作って見事な花を咲かせていたり、
道路わきに大輪のひまわりが咲いていたりしているのを見ると、心がなごみます。

やっぱり、元気な子どもたちの姿はいいですね。
保育園にいた子の中には、ひょっとしたら震災後に生まれた子もいるかもしれません。
子どもたちの姿があることが、いちばんの救いだなあと思いました。

文科省、学校司書に関する調査研究協力者会議を設置

2013-08-20 21:46:32 | ボランティア
SLAのサイトを見ていたら、8月19日付でこんな記事が載っていました。

「文科省、学校司書に関する調査研究協力者会議を設置」(リンク先はSLAの記事ページです)

文科省のリンクが貼ってあったので辿ってみたら、
先日、学図研で実践発表された門脇さんや学図研の大先輩も研究調査協力者に入っていました。
頼もしい!

配布資料3の「学校図書館に置かれる人材について(比較表)」という表を見て愕然。
学校司書は「※ 制度上の設置根拠なし」「※ 制度上の業務の定めなし」
     「※法的な位置付けなし」「※ 制度上の資格の定めなし」
どきっとさせられます。
司書教諭と比べて、これほど違うとは。
こりゃ、とにかくまずは法制化しちゃったほうがいい!と思ってしまいました。
(そういう意味では、いい資料)

第2回会議のお知らせでは傍聴者や取材についてのお知らせも出ていました。
8月27日なので、こちらは2学期が始まっているためまず行けませんが、
資料はサイトで見れそうなので、今後チェックしていこうと思います。

この会議での調査結果が、いい形での学校司書法制化に繋がるといいのですが。

文科省のサイトを見ているうちに、平成20年度のサポーターズ会議報告書の中に、こんな一文を見つけてドキッ。

「ただし、これまでの学校教育における読書指導については、
「本を読むこと自体が楽しい」という読み方を教えることに失敗しているのでは
ないかとの指摘もある*」*2 「これからの時代に求められる国語力について」
(平成16年2月3日 文化審議会答申)。


さらに、こんな報告も・・・


○ なお、学校における読書指導においては、読書生活を振り返らせ、読書の楽しさに
 気付かせて、習慣付けを行うだけでなく、すでに読書の楽しさに気付き、読書に親し
 んでいる児童生徒に対しても、更に様々なジャンルの図書を紹介し、その読書の幅を
 広げていく指導を行うことが重要な要素として求められる。
 しかし、現在、このような指導は、専門的な知識技能を持つ一部の教職員による取
 組として行われているに過ぎず、学校において、広く、組織的に行われる状況にはな
 っていない。

○ すなわち、現状において、多くの学校では、子どもが読書習慣を身に付け、その幅
 を広げていくための活動が、多様に展開されるまでには至ってないのが実態である。


H20年度に、すでにこんなドンピシャな報告が出ていたのですね。
恥ずかしながら知りませんでした。

情報のアンテナを広げなくては。

藤田浩子さん講習会

2013-02-19 21:44:47 | ボランティア
絵本ボランティアのグループに某財団から助成金がいただけることになり
毎月ずっとお話会にうかがっていた富岡町仮設住宅内保育施設の保育士さんたちに講習会を開くことにしました。
段取りや連絡・準備は全部Uさんがやってくださり、私はちょっとだけお手伝いをさせていただきました。

講師は、なんと藤田浩子さん!!

金曜日は、富岡町が開いている保育施設を3箇所訪ねて、子どもたち相手にお話会を開いてくださいました。
私は同行していないのですが、子どもたちは1時間、飽きることなく集中して、とても楽しんでいたそうです。
話し手の力ですね・・・!

土曜日は、3箇所の保育施設に勤める保育士さんたちが集い、実技と理論の両方の講座です。
「震災以来、こういう研修の場が全くなかった」からと、
保育士さんがとても喜んでくださったのが印象的でした。

講座は、とっても楽しいものでした。
今回、藤田さんをお招きするに当って、恥ずかしながらはじめてこのシリーズを読みました。
子育てに関わる、すべての人に読んでほしい名著だと思いました。
半分が文章、半分がマンガになっているのですが、このマンガもユーモアがあって、リアルで、ほっとするような温かみがあります。
「風の子サークル」という、子育てグループで話したり聞いたりしたことなどを盛り込んであるそうです。
このサークルは、親が子育て(子どもの本やわらべ歌、悩み相談)について学んだり、子どもを預けあうことによって親が自由な時間を作るようにしたりしている、とても実践的なサークルのようです。
こういうサークルがあり、仲間ができると、きっと子育てが楽しくなるだろうなあと思ってしまいました。
あやす・あそぶ〈3〉あんよのころまで (人と人とのかかわりを育てる・赤ちゃん編)
クリエーター情報なし
一声社


さて、講習会そのものは、藤田さんの具体的でわかりやすいお話と、楽しい遊びをどんどん行いました。
保育施設にいる子どもたちの年齢を見て、あの年頃の子どもたちはこういう特性があるから、こういうところに注意しなくてはならないのだと、実に納得のいくお話でした。
繰り返し語っておられたのは、テレビに子守をさせるな、ということでした。
幼い子は一つ一つの音を聞いて、重要かどうかを選別しているけれど、テレビのように多くの情報を次から次へ流すものに触れていると、次第に選別せず、すべて聞き流すようになってしまうというお話に、これは小学生にも通じるところがあるなと思いました。

遊びの紹介もたくさんしていただきました。
一つの遊びが、ちょっとずつ形を変えて次第に難しくなっていくのを教えてもらうと、大人の参加者も楽しみながら遊びに夢中になってしまいます。
午後からはお話会グッズ作成も行いました。
(こういう機会がないと、なかなか作成するのこともできませんので、集まって作るのはいいなあと思いました)

藤田さんは、とにかくお話や小道具やわらべ歌の引き出しが何千、何万とある方で、次から次へと学びたいことが出てくることは驚くしかありません。
語り口調が滑らかで、俳優さんのように本当にお上手!

最後の最後にアンコールで「子育てどろぼう」「きしむ家」(タイトル違いだったらすみません)を語っていただきました。
きっととてもお疲れのときだったと思うのですが、つまることなく、見事な話術で話に引き込まれていきました。

世の中には、すごい方がいらっしゃるものだと感じ入りました。
あれから、ちょこちょことお話会グッズを作ったり練習したりしています。
学校の子どもたちに、必ず披露したいと思います。


残った本の委託

2012-01-08 19:03:53 | ボランティア
6日に、ボランティア仲間の方たちと市内の喫茶店に行ってきました。
Uさんのアイデアで、こちらの店にボランティアで残った本を預かっていただき、お客さんに気に入った本を寄付金と交換に持って行ってもらう取り組みを始めたのです。

全国から届いた本は、ほとんど配り終えたのですが、まだ手元に若干残っています。
それらを、Uさんが所属している本サークルの忘年会で呼びかけたところ、多くの方が本と引き換えに義捐金を寄せてくださったといいます。
そのお金を、先日、仮設住宅の避難所に持っていった靴下や膝あてなどに充てたというのです。
さらに、残った本は喫茶店が置いてくださることになり、お客さんに勧めていただけることになりました。
なお、善意で本を送ってくださった方たちのことを考え、本は「一冊300円以上でお願いします」という一線を設けることにしました。
誰も無理しないで、いろんな人がちょっとずつ協力できる、なかなかいい方法だと思います。

6日には、私の家にもあった本を届けてきました。
私も、前に家に届いたときに気になっていた本などを5冊ほどいただいてきました。
(義捐金もおいてきました)

この店はコーヒーがとっても美味しい店です。
店内にスペースをとっていただいて、感謝しています。

仮設住宅でのお話会・2

2011-12-16 20:19:52 | ボランティア
11日に、仮設住宅集会所でお話会を開きました。

一箇所は、T町集会所。
お年寄りが中心ときいていたのですが、小さい子もちらほら。
(子ども3人、大人19名)
昔話の紙芝居や小さい子向けのお話など、臨機応変で語られるお話スタッフ。

支援でいただいた図書カードを換金し、お菓子や防寒衣類などを準備したもの、
手縫いのバッグやタペストリーなどを持っていきました。
それから、Uさんの家にあった食器やタオルなども。
クリスマス模様のカペストリーは、パッチワークの見事なもので、
集会所の壁に飾ってもらいました。私が差し入れしたミニ・ツリーもいっしょに。
お話会⇒お茶会⇒支援物資を選んでもらう という流れ。

ここではバッグや防寒具が飛ぶようにもらわれいき、
実は午後の分にとより分けておいたものまでもっていかれてしまいました。
やれやれ。
帰り際に「こんなボランティアなら大歓迎!」とにこにこ顔で帰っていかれた方も。
まあ、それだけ喜んでもらえてよかった、ということにしておきましょう!

2箇所目は、K村集会所。
子ども8名と大人5名がお話会とおりがみ教室に参加してくれました。
同じ集会所に子どもがあと13人ほどいたのですが、彼らはみなゲーム機やカードゲームをしていました。
K村の子どもたちが通っている市内のK小学校にUさん・Sさんが読み聞かせに行っているので
顔見知りの子もいて、大歓迎してくれました。

お話会のあと、Sさんと私でおりがみ教室をひらきました。
このおりがみも、「みんな、おなじ空の下で」から送っていただいたものです。
Sさんはサンタクロース、私はトトロのおりがみを教えました。
お菓子の包み紙で作った大きなトトロを頭にかぶっていったら、
男の子が大喜びで、トトロもたくさん作っていました。
最後に、トトロ帽子をあげてきました。


K村集会所でも、午前中は保育が始まったそうです。
Uさんたちは、こちらの保育所にもボランティアで行く予定だそうです。

司書のOさんも、朝からずっとお手伝いしてくれました。
子どもに本を選んであげたり、お茶の準備をしたり・・・
とても助かりました。感謝です。

今のところ、絵本ボランティアは同じ市内で続けています。
仮設住宅集会所に開設された保育所2箇所に月一回程度。
仮設の集会所で土日など休日にお話会を二ヶ月に一回程度。(8・10・12月実施)
避難者の子どもが通っている市内の小学校での読み聞かせ。

この他、Uさん・Sさんは「心のケア」プロジェクトの方でもご活躍です。
本当に頭が下がります。