患者さんに紹介状を持たせることがあります。
より大きな病院(大学病院、総合病院等)への紹介目的です。
検査依頼だったり、処置依頼だったり。
全ての処置、検査を自分の病院で出来れば良いのですが、やはり限界があります。
うちの病院で紹介状を出すときは、
まず、腫瘍などが疑われる時。
腫瘍か否か。良性なのか悪性なのか。
これは見ただけではわかりません。
こちらで勝手に、「まぁ、大丈夫やろ」と判断してしまって、
実は悪性のものだったら大変なことになります。
ですから、怪しい時は必ず紹介!まず紹介!
何もない方が良い訳ですから、
「安心感を買いに行きましょう!」と言って、無駄足になることを期待しますね。
んで、次に多いのが抜歯の依頼です。
歯ぐらい、さっさと抜いてよ!という患者さんの声が聞こえてきそうですが、
たかが抜歯、されど抜歯。
軽い気持ちでやると大変な事になることがあります。
自分のスキルでは抜くのが大変そうな時。
神経の損傷を起こしそうな時。等々。
そんな時はやっぱり紹介しますね。
本当は紹介せずに、自分の病院でやった方が、売り上げという点ではプラスです。
でも、そんな理由で無理をして、1時間以上かけて歯を抜いたり、結局、抜けなかったり。。。
さらに、神経を損傷してしまって、唇がしびれたまんまになってしまったり。。。
それは患者さんにとってはものすごいマイナスになります。
だったら、紹介した方が、手間はかかりますが、
患者さんにとっては確実にプラスになると思います。
だから僕は変に見栄を張らずに正直にいいます。
「この歯は抜くのがすごい大変そうだから、ここではやらない方がいいかも。
お互いの為に無理するのはやめときましょう~」って。
そしたら、患者さんも「そうですね~」ってわかってくれます。
あと、何か全身疾患を持っている患者さんの治療前には、
必ず主治医の先生にお手紙を書きます。
「こういう治療を行うのですが可能ですか?何か注意することはありませんか?」と。
自分の勝手な判断で処置を進めないように気を付けてます。
一度、初診で来られた患者さんが
「歯を抜いてくれ!今日、抜いてくれ!すぐ抜いてくれ!」と言われたのですが、
何とか説得して、手紙を主治医の先生に持って行ってもらったことがあります。
そしたら、その返事が
「今、抜くと命にかかわる。」
という内容で血の気が引いたことがあります。
やはり、きちんと順を踏むということは大切だと思うのです。