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心理学概論20100621感覚知覚1

2010-06-22 10:25:48 | Weblog
昨日開講の心理学概論(20100621)感覚知覚1で使用した資料です。

図版は著作物なのでこういう場での掲載には制限があるのですが、これだけ小さな画像にしたので問題はないでしょう。

多くの教科書などからのコピーです。

私たちが周りの世界を理解すること(知覚)の話でしたね。

さて、知覚はどのような順路で成立するんでしたっけ。

1 感覚器官に外界から物理・科学的な刺激(適刺激といいました)が入ります。

2 感覚器官の感覚受容器から、神経信号が出て、知覚神経を経て脳の一次処理領域に伝達されます。

3 このあたりが、心理学では感覚記憶って呼ぶところ。

4 次いで、二次処理領域、記憶領域、連合領域などに信号が伝わり、外界の刺激の同定が行われます。解釈されるわけ。

見えの世界、すなわち視覚に問題を絞って話をしたのが昨日でしたね。

視覚では、1の適刺激は380nm(ナノ・メートル)から720nmまでの波長帯域の電磁波。

それより短いあるいは長い波長はみえません。紫外線、赤外線のたぐいです。

視覚の2は、目。目の構造はカメラに例えられますので勉強しておいてください。レンズもあれば絞りもシャッターもあります。

そしてフィルムにあたるのが網膜。視細胞には2種類あって、錐体細胞と桿体細胞。昨日の授業では錐体細胞の話しかしなかったんですが、カラーフィルムです。RGBの3原色に敏感な3種類の錐体細胞がカラー視を実現しています。

デジタルカメラのカラーCCDと同じようなものですね。(もっとも、CCDのほうが人間の網膜を真似したわけだけど)

網膜のから視神経が脳に向かって伸びていますが、網膜の中心部分から右の網膜(左視野担当)と左の網膜(右視野担当)では経路が異なるので注意しましょう。

右網膜からの視神経は、脳の底部で交叉して(視神経交叉)、右目からも左目からもすべて大脳の右半球に向かう。左網膜からの視神経は、左半球に向かう。

外側膝状体を経るルートと、上丘を経るルートがありますが、行き着くとろこは大脳の後頭葉視覚担当領域(ブロードマンの脳地図の17野)に到達します。これが視覚の一次処理中枢。

視覚の段階3、いわゆる感覚とよばれるのは、視覚17野でおこっていることでしょうか。

そして即座に脳梁を経て左右網膜からの情報が相互に転送され、数ミリ秒ほど遅れれはしますがこれで左右視野情報が揃います。

視覚の段階4、いわゆる知覚はここから先です。すぐ知覚の領域や、記憶を担当するところ、前頭連合野などとネットワークを経て情報転送をした結果、「誰それさんが近づいている」とか「UFOらしき移動体がある!」などと認知するわけです。

私たちの心というのは便利に出来ていて、ほんの少し一瞥しただけで人の顔がわかったり、表情がよみとれますね。進化の過程で、人の顔、目の表情などに特化した視知覚が発達したものと考えられています。

空に浮いている入道雲をみて、怖い顔の親父を思い出したり、塀の上の猫よけペットボトルが人の気配と感じたことがみなさんにもあったのでは?

こうした高度な視知覚機能は、ときに無いものを見たり、あるものをみのがしたり、ちがったように見えたりさせます。

こうした錯視について、たくさんのデモをし、体験してもらいました。

来週はこの続きと、聴覚、味覚、嗅覚、皮膚感覚などのいわゆる5感について学びます。

予習しっかりしておいてください。

2010/06/22・記

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