島根・丸山知事「カイロ大首席卒業の小池都知事に分からないわけがない」人口問題巡り小池百合子VS全国知事会の世紀のバトルが勃発

2024年08月17日 17時19分14秒 | Weblog

全国知事会で、人口減少問題に対する宣言の”一極集中”の表現を巡り、東京都の小池百合子知事と地方知事との間で意見が分かれた。小池知事「因果関係が不明確であり削除すべき」とした。山陰放送によるとそれに対し、島根県丸山達也知事「これは、数学じゃなくて算数のレベルだと思う。カイロ大学を首席で卒業されている小池都知事が、分からないわけがない。私は、分かっているけど分からないふりをしてるんじゃないかと思う。それは自分にとって都合が悪いから」と指摘した。経済アナリストの佐藤健太氏は「人口減少は国家が取り組む問題。知事会は『隣の芝生が青いのは、けしからん』と言っているようなもので、強烈な違和感を覚える」と指弾する。

「東京だけズルい」「俺たちにもっと税財源をよこせ」

日本の人口が減少しているのは「東京都が悪い」。極端に言えば、そのような暴論が自治体の首長たちの間で交わされている。我が国の首都を“攻撃”しているのは全国知事会だ。

大都市の人口や産業の集中と人口減少には明確な因果関係が見られないのだが、財政力の違いを背景に東京都や大阪府などが子育て支援策を充実させることにも噛みついている。

もはや驚くしかない。全国の自治体リーダーが集まる全国知事会では、縮小し続けるパイの奪い合いにベクトルが向かっている。これまでも東京都をはじめとする大都市圏と他の道府県は財政力格差を理由に税財源の移譲を議論してきたが、今度は人口減を理由に「東京だけズルい」「俺たちにもっと税財源をよこせ!」と言い出したのだ。揃いもそろって、このような解しか出せないのでは全国知事会という組織の存在意義を疑ってしまう。

8月初めに開かれた全国知事会は人口減少問題をめぐる緊急宣言を決議した。そこでは総力を挙げて人口減少への構造的潮流を食い止めるとし、国に総合的な人口戦略を推進するよう要求した。人口が減少していけば、国力は衰退する。我が国の経済は伸び悩み、国際競争力も低下するのは自明だ。数十年も前から警鐘が鳴らされてきたにもかかわらず、我が国は国家として戦略的な対策を推進してこなかった。今さら感はあるものの、知事たちが政府に総力を挙げた対策を求めるのは当然と言える。

だが、問題は宣言の原案にある。それを見ると「人口減少の構造を改めていくためには、人口や産業が特定の地域に集中している現状を見過ごすことなく~」という記述が盛り込まれていたのだ。「特定の地域に集中」とは、東京一極集中を意味する。知事会は人口減少の一因が首都の存在にあると“攻撃対象”にし始めた。どのような根拠で言っているのか知らないが、全く理解に苦しむ。

税収や権限を奪えば少子化が解決するという理屈がわからない

知事会における議論では、東京都と隣接する埼玉県の大野元裕知事が財政力格差の観点から税収を地方に振り分ける「偏在是正措置」を講じるべきとした。神奈川県の黒岩祐治知事も行政サービスの地域間格差が生じていると主張している。千葉県の熊谷俊人知事は国が行うべき施策を自治体が先行すれば、国による実施が見送られるリスクがあると論じた。

熊谷知事は毎日新聞が6月6日にウェブ版で配信したインタビュー記事の中で、東京都の小池百合子知事が進める高校授業料実質無償化や都内の0~18歳に月5000円を給付する「018サポート」などに関し、「都道府県がする範ちゅうを超えている」と批判。偏在是正の強化を求めている。さらに元総務官僚の浜田省司高知県知事らも「東京一極集中」の是正のため早期にメスを入れていくべきだと発した。

そもそも大都市圏に人口や産業が集積するのはメリットがあるからに他ならない。東京や大阪、愛知などの大都市は集積がもたらすメリットや労働生産性によって我が国のGDP(国内総生産)の3割強を創出している。住みやすい、働きやすい点もある。そのメリットを無視して税収や権限を奪えば少子化が解決するという理屈がわからない。

どれだけ無駄な事業を削減し、身を切る改革も進めてきたのか

この点、愛知県の大村秀章知事は「人口や産業が集積する大都市エリアは、周辺を含めた地域経済の活性化を図る役割も果たしており、そうしたことが各地域の人口や経済の伸びにも結びついている」と指摘している。言わんとしているのは、「隣の畑から果実を奪うことばかりを考えず、日本全体で果実を多くとれるようにすることが重要」ということだ。まさに、その通りだろう。

国が大都市の税収を吸い上げ、地方に回すという“愚策”の偏在是正措置が創設されたのは、2008年度の税制改正からだ。当時の石原慎太郎都知事は「国家権力の一方的な発動」と批判し、限られたパイを奪い合う争奪戦が大都市と地方の溝を生んできた。

ただ、これを「人口減少」を理由に当てはまるのは無理がある。たとえば、東京都以外の自治体においても県庁所在地とそれ以外の地域で格差は存在しているはずだ。そこに少子化問題があるならば、過疎化が進む地域に権限と税収を重点配分すれば、少子化は解決するとでも考えているのか。そうであるならば、是非やってもらいたい。

東京一極集中は人々の自由な居住地選択による人口偏在の「結果」

まだ他の公共サービスの方が優先順位は高いため子育て支援策まで手が回らない、というのならば少しは理解できる。だが、他のサービスも中途半端で「あれもこれも身の丈を考えず欲しい」というなら問題外だろう。どれだけ無駄な事業を削減し、身を切る改革も進めてきたのか。たしかに東京都には人口や産業が集中しているが、そもそも東京で事業を営み、暮らすにはお金がかかる。そこで税金を払っている分、充実したサービスを受けるのは当然のように思える。

東京都の小池知事は「特定の地域への集中」部分について、「人口や産業の集積が日本全体の人口に関連付けた主張が行われており、因果関係が不明確な主張を前提とした記述は取り除くべきだ」と強く要請した。その結果、緊急宣言は小池氏の主張が追記されることになっている。小池都知事の肩を持つつもりは毛頭ないが、行政の長が民意を背景に優先順位をつけて予算配分することが役割ならば、子育て支援策に東京都の予算の範囲内で重点配分するのは何ら問題ない。それを他の自治体が「税収をよこせ」「やりすぎだ」という理屈は通らないのではないか。

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