【独自】東日本大震災で被災した酒蔵で卑劣な犯行…帰宅困難地域に“火事場泥棒” 侵入者が後を絶たず 福島・双葉町 - YouTube
福島県にある酒造店の防犯カメラが捉えた映像が15日、SNSに投稿された。 瓶を1本ずつ持った2人の男が、画面の奥に向かって歩いている。 途中で1人が、足の裏を気にするそぶりを見せている。 2人は、酒造店の私有地に無断で侵入した。 被害に遭ったのは、創業300年以上の歴史がある冨沢酒造店。 福島・双葉町にある冨沢酒造店は、2011年の東日本大震災で被災した。 酒蔵は、福島第一原発からわずか3.6kmのところにあり、帰還困難区域に指定されていることから、現在も帰ることはできない。 冨沢酒造店のフェイスブックより「この酒蔵は、私たちの酒が眠っている、墓場の様に思ってます。思い出も、歴史も、全て残してきています」 当時、一時帰宅で持ち帰ることができたのは定められた袋1枚分だけだった。 冨沢さん一家は、酒造りの命ともいえる酵母と道具だけは、特別に持ち出す許可が出た。 しかし...。 冨沢さん一家(2011年6月の取材時)「...酒瓶、ぐちゃぐちゃです。お酒ってもう、子どもみたいなものだったので、やっぱり造るのにかなり手塩にかけてますので。うちは機械はできるだけ使わないでっていう、そういう作り方は、長々と伝えられてきた造り方なんです。全部これは、先祖の気持ちが入っているもの」 割れずに残っていた貴重な酒もあったが、持ち出すことができたのは一部だけだった。 つまり、防犯カメラに映っていた男たちが手にしていたあの瓶は、持ち出せずに残されたものだった。 冨沢酒造店のフェイスブックより「この方たちの持っているお酒は2011年の2月に瓶詰めしたものです。どんな思いで残していったのかわからないのでしょう」 今なお、あとを絶たないという心ない侵入者に、次のように訴える。 冨沢酒造店のフェイスブックより「貴方にとっては戦利品なのでしょうが、これは私たちの後悔と思い出の詰まったお酒です」 冨沢さんは警察に被害届を提出。 酒蔵は老朽化が進み危険でもあるため、立ち入らないよう呼びかけている。