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航空機 ホンダ 三菱重工業 川崎重工業 IHI

2019-01-07 17:03:50 | Area Studies

以下の2015年11月の記事から3年余り。
ホンダジェット(米国拠点で製造 7人のり 月産4機ペース 2018年8月現在)は好調。小型ビジネスジェット(富裕層の保有率 米国18% 欧州8% 日本2% 日本は90機弱 米国は1万3000機 日本の対象富裕層4500人 米国は72000人 北米・欧州ではエアタクシーのサービス、ニーズがある。)で2017年通期(47機) 2018年上期(17機)と納入機数で米セスナを抑えて世界首位を続けた(2018年5月末 世界での運用機数86機)。販売台数を増やし2021-22年の黒字転換を目指している(2018年6月)。

これに対しリージョナルジェットを目指した三菱航空機。2009年9月以降、納入時期の延期を繰り返している(2018年10月までの納入延期は5回 延期理由は、素材変更 検査不備 部品の仕様決定難航 主翼の強度不足 配線の設計変更など)。親会社の三菱重工の重荷になっている。最近ではカナダの小型旅客機メーカーボンバルディアが機密流用を行ったとして三菱航空機を米シアトルで提訴(2018年10月)。三菱重工は債務超過状態(2018年3月末で1100億円)にある三菱航空機に単独で2200億円の金融支援(1700億円の増資引き受けと500億円の債権放棄)を行って債務超過状態を解消させた。

リージョナルジェットの世界では、カナダのボンバルディア、ブラジルのエンブラエルが2強。三菱はこの2強を追う形だった。大型機では、米ボーイングと欧州エアバスが激突していた。ところがLCCの台頭により、小型機にシフトするようになり、2社とも小型機に戦略を移すようになった。エアバスはカナダのボンバルディアの事業を買収して、米国での小型機生産に乗り出す構え。ボーイングは2019年中にもブラジルのエンブラエルを傘下に収める構え。三菱は、米ボーイングとアフターサービスで提携していることが強みだったが、どこにも納入実績がないまま、ボーイングとの関係も微妙になっている。しかしその原因は、三菱の側の開発・納入の遅延である。すでに開発費は6000億円以上。果たして成果は出るのだろうか(2019年1月7日追記)。

航空機の生産に関わる企業の浮上(2015/11/07) 

 航空機の需要が今後20年間で倍になるということが2012年―2013年といわれ続けている。新興国の格安航空の台頭、旅客貨物など航空輸送の伸びが見込まれている。この航空機の生産に関連するメーカーが注目されている。

国内では三菱とホンダがそれぞれ自社ジェット機の開発を続け、ホンダはすでに顧客納入を開始している。

 2015年4月23日にホンダはビジネスジェット ホンダジェットを国内初公開した(二輪車メーカーとして1948年創業 1963年4輪車に乗り出す その4輪車はエアバックのタカタ問題 フィットのソフトウェア問題という2つのリコール問題、を抱え 2012年9月に掲げた2016年度に世界販売台数600万台という経営目標を事実上棚上げ 経営戦略の転換に追い込まれている タカタ問題は死傷事故につながるが、事態は深刻と考えられる。4輪車のリコール問題、事故情報の報告漏れ(2000年成立トレッド法により事故情報をNHTSAに定期的に報告する早期警戒報告制度を2003年から14年秋まで10年以上にわたり怠った法規違反)問題で苦境に立つホンダにとって明るい話題となった。
 7人乗り 航続距離2185km 時速778km 価格450万ドル。
 エンジン(GEと提携 共同開発 米国で2014年11月量産開始 年間500基)からの一貫生産が特徴。飛行機の開発開始は1986年。2015年より顧客への納入を開始している。

 三菱では1965年に納入開始したYS11(1962年初飛行 プロペラ型エンジン旅客機)以来50年ぶりの国産旅客機MRJの初飛行を2015年11月実現。三菱重工業傘下三菱航空機が研究開発の主体。国産小型ジェット機MRJ(92席 47億円 航続距離3380km エンジンは米プラット&ホイットニー社製次世代エンジン 部品装置などの国産比率は3割とされる。部品点数95万点、自動車の30-40倍。多数の内外メーカーの協力がなければ飛行機生産は成り立たない。機体公開2014年10月 2008年開発開始 当初2013年10月ー12月に飛行予定 全日本空輸、日本航空などが導入予定) MRJの開発費用は1500億円を超える:2013年3月までに1800億円超える投資済で今後も投資必要。部品数は100万近い巨大プロジェクトである。そのため2007年に販売活動を開始してから(事業化決定2008年3月)3度にわたり初号機引き渡し時期の延期をした。初飛行はたびたびの延期の末に2015年11月実現した(納入開始予定2017年4-6月)。競合はエンブラエル(ブラジル)のEジェット。機体の3割が日本製の部品とのこと。飛行機制御器でナブテスコ。車輪装置で住友精密工業など。政策投資銀行では2015年5月の法改正で特定投資業務と呼ばれる企業の競争力強化などを目的とする資金供給制度を整備したが、この枠組みで1000億円超を投資する方針。

川崎重工業 三井造船との統合の破たん 社長解任事件
 ボーイング向けに航空機の胴体の一部を生産している川崎重工業(純国産哨戒機P1を量産)でも777そして787向けの受注、さらにはそれぞれの後継機向けの受注も見えるなど、航空宇宙部門が収益の柱になっている(2013年4月から6月 三井造船との統合をめぐって社長が解任される異例の事件が起きている(三井は国内造船第4位 川崎との統合で第3位に浮上する構想であった) 造船について川崎重工は中国で現地海運大手と合弁で造船所の運営を軌道に乗せていた。他方 三井造船は海洋資源開発の分野で実績があった。ところがこの問題で川崎で社長解任劇が生じ、結果として両社で社長が交代する異例の展開となった。

背景には造船業界の構造がある。長期のトレンドでは荷動きの増加は過去10年以上継続している。しかし船腹量が過剰に供給され続けたために、バラ積み船の貨物運賃は安値が続く。また造船能力の過剰も解消されていない。実需の2倍の造船能力に達しているとされる。他方三井造船では2014年1月に昭和飛行機工業を買収。これにより発生した負ののれんを含めて、最終損益黒字300億円台を達成している (13年3月期は82億円の赤字)。2014年3月期に過去最高の受注高(1兆1000億円規模)を達成した。

川崎重工業における経営方針の転換(事業部門ごとの収益管理の徹底)

川崎重工業では航空機 鉄道車両 二輪車を成長の柱とする方針を明示。前社長の方針を正面から否定。川崎重工業では、規模拡大で悪化していた財務数値の改善と収益管理の徹底、構造改革の推進をその後示している。まずDEレシオ2014年3月末1.2倍から1.1倍に引き下げる(規模拡大が行き過ぎ、三菱重工業に比べて財務改善で見劣り)。配当性向は30%目安を維持。 EBITを投下資本で割ってROICを算出 連結ROICを2013年3月期6.1%から2016年3月期11%に引き上げるのが目標)。

川崎重工 ロールスロイスと航空機エンジンを開発 川重は中核の制御装置を開発 オープンローター方式で燃費を大きく改善する

エアバス社ではA320の後継機を2030年に航空会社に納入予定 現在10%の日本製部品の比率を高める方針
  背景に燃費重視 
ボーイング787 中型機 
787では日本勢担当比率は35%
   2013/01 発煙トラブル 一時運航停止後2013/05 運航・納入再開
  三菱重工 Boeing 787の主翼
  川重   Boeing 787の前部胴体
  IHI    Boeing 787のエンジン部品
2013/06 GEと航空エンジン開発で合意報道 
Research: Boeing 787問題(2013年5月)

次世代大型機777X 開発中(2019年納入目標 2020年納入開始 400席の大型機 日本勢が21%)
  富士重工業(中央翼など) 三菱重工業(機体後部胴体) 川崎重工業
競合機 エアバスA350(エンジンはロールスロイスが独占供給 2014年初号機納入へ)
  2013/10 日本航空がエアバス導入決める

三菱重工業のポートフォリオ経営
 しかし川崎の収益管理の徹底や構造改革は、三菱重工業の後追いに見える。三菱重工業は、原子力発電事業や航空機事業などリスクの高い事業を進めていることで知られる。川崎に先んじて2012年度に事業格付け制度を導入。64の事業ユニットを収益性や事業性共通の尺度で測り、収益管理を徹底するようにした。これにより撤退(事業譲渡含む 商船建造から撤退)とともに成長分野への経営資源の集中(設備投資のほか買収など)も容易になった。航空機のほか衛星打ち上げ事業など宇宙開発事業も知られている(H2Aに続き基幹ロケットH3の開発 2020年度打ち上げ予定 この分野で強いのはロシアのプロトン 米ボーイングのデルタ、欧州アリアンスペースのアリアンなど 米ベンチャースペースXの2013年の低コストでの参入が話題。2014年9月に米NASAは2017年初飛行を目指す有人宇宙船の開発の委託先としてボーイングとともにこのスペースXを選定した。スペースXは米電気自動車ベンチャーのテスラのCEOイーロンマスク氏が2002年に創業した)。国相手の防衛宇宙事業は営業利益率6%で安定。

 三菱が構造改革に乗り出したのは2012年。事業別採算性の導入。成長分野に経営資源を集中。発電プラント事業(ガスタービンや石炭火力で強い)が伸びている(14年2月 日立と火力設備事業統合を完了 三菱日立パワーシステムズ)。ボーイング向けの胴体主翼生産が拡大。(このほか 製鉄機械事業で日立と事業統合 さらにシーメンスと合弁会社設立)そしてシェールガス革命を背景にしたコンプレッサー、LNG船受注増加。円安も寄与して2015年3月期連結営業利益2400億円超えて18年ぶりに過去最高を更新。2014年3月期も営業利益は上振れ。17年ぶりの最高益更新だった。2014年3月期2015年3月期と2期連続最高益を達成した。火力発電システム(米GE 独シーメンスと競合)と製鉄機械の2つの事業分野で世界top目指す。 2014年シーメンスと組んで仏アルストム買収目指す(買収は失敗し米GEが買収を実現)

売上高営業利益率の改善 10年3月期2.2%⇒14年3月期6.2%
自己資本利益率 1-2%⇒14年3月期11%(2015年度からの3ケ年計画では売上高5兆円:現在は3兆円規模 自己資本利益率10-12%目指す) 売上高5兆円(今は3兆円) 18年3月末で株主資本2兆円(15年3月末1兆6000億) ROE10%以上(同6.5%) 連結配当性向は30%プラスマイナス5% 自社株買いは否定 など。売上高5兆円の高収益企業を目指すが財務的方針は比較的保守的。
 市場は三菱重工業の高効率経営を評価したとされる。三菱が行っていることは事業部門ごとの収益管理の徹底にある。ポートフォリオ経営と呼ばれる戦略的事業評価制度。全事業を57の事業ユニットに集約。成長性や投下資本利益率を評価。CFを生まない事業は縮小撤退というもの。成長性の高い分野に経営資源を集中するため事業分野を4分野に集約

IHI 航空機エンジンで伸びる 資金効率改善
 またボーイングとエアバス向けにエンジン部品を供給しているIHIでは、民間航空機向けエンジン部品の販売が伸びている。過去に就航した機体向けの交換用部品の販売も堅調。IHIは不振の造船部門を連結から切り離した。

 IHIは造船部門をJFEHと経営統合し(ジャパンマリンユナイテッド誕生2013年1月)2014年3月期から連結対象から外した(なお国内造船最大手は今治造船 第2位がこのジャパンマリンユナイテッド)。航空宇宙部門(ボーイングやエアバスにエンジンを供給は好調。同様の航空宇宙部門好調の効果は、川崎重工業や三菱重工業でも指摘される。従来これらの重機械メーカーの業績は造船事業が引っ張っていた。ところが他方 造船はリーマンショックまえの増産投資(建造能力の過剰)、船価の低迷の影響で厳しい。大手は付加価値が高いLNG船や海洋資源開発関連設備にシフトしているがそれでも厳しいことに変わりはない。航空機エンジンと自動車用ターボエンジンで伸びる。プラント設備は競合激しく低収益。資金効率の改善で負債を抑える方針。仕入れから代金回収までを短くすることで資金を捻出できる。2014年9月 平均日数が136日でGEの2倍以上。これを7日(約2%)短縮すると200億円の捻出効果がある

   無人機(ドローン、農業用ヘリ、軍用ジェット機など 内部気圧維持 酸素維持不要 航空時間距離伸ばしやすい パイロット不足にも対応) ドローン(最大手は中国のDJI 玩具主体が仏パロット コマツでは上空からの工事現場撮影3次元データ化サービス開始 富士通では橋梁点検での接写技術開発中 生活物資輸送では世界各国企業が実用化に取り組む) 無人ジェット機(YSEC 明和工業など)

 衛星(三菱電機 NEC IHI 宇宙航空研究開発機構JAXA) 海外企業(米スペースシステムズロラール 仏ロラール) 小型衛星(アクセルスペース:東大発ベンチャー キャノン電子)

2015/11/07 original   2019/01/07 冒頭部分追記

Area Studies ビジネスモデル 経営戦略 


株価暴落とFRBの利上げ アルゴリズム取引 リスクパリティ

2018-12-29 16:09:31 | Area Studies

2018年12月の大暴落とFRB(中央銀行)の責任

FRBはあるいは中央銀行は、政府からの独立性を示すために、政府の反対を押し切って金利を引き上げることが好きであるようだ。しかし12月19日の4度目の利上げ決定後の株価下落は破滅的だった。

なぜ回数まで示してそれを機械的に実行するのか。なぜ機械的に実行することが、政治からの独立なのか? そもそも景気過熱を抑えることが利上げの目的の一つだが、米国が利上げすると、途上国から

米国に資金が還流する側面がある。これは一面で米国の株価上昇に寄与するが、結果として新興国の景気ダウン、国内では住宅投資のダウンから、企業の収益を低下させる可能性もある。こうなってくると

日本でもそうだったが、中央銀行の独立性という教科書の建前をどう考えるべきかという問題になる。独立性には中央銀行が正しく判断するという前提がある。

しかしもし中央銀行がただしく判断できないことがあるなら独立性はそもそも間違っているのではないか?

2018年9月26日 FRB FOMCで3ケ月ぶりの利上げ決定 FF金利の誘導目標をo.25%引き揚げ年 2.00~2.25%へ

2018年10月23日 トランプがFRBの利上げを批判 景気を押し下げる最大の脅威 常軌を逸している

2018年10月25日 米NY株価 ダウ工業株 3日続落2万583ドル42セント

2018年10月25日 欧州中央銀行理事会 量的緩和政策の年内終了を確認(この最初の決定は2018年6月の理事会でなされた) 現在は月150億€訳2兆円のペース 超低金利政策は少なとくと来年2019年夏まで続ける

2018年11月7-8日 FRB 利上げ決定見送りつつ12月の利上げを示唆

2018年11月13日 イタリア政府(政府債務GDP比130%超 EU基準の60%を大きく超える ギリシアの180%に次ぐGDP比財政赤字2.4%とする予算案を9月末に提示 前政権が0.8%としていたものを拡大) 2019年度予算案の修正拒みEUとの対決路線維持

2018年11月28日 米NY株価 利上げ停止観測で株高 3日続伸前日比600ドル超上げて 617ドル70セント上げて2万5366ドル43セント

2018年12月1日 米中首脳会談 カナダバンクーバーでファーウェイ副会長逮捕 違法な金融取引の疑い 米中貿易摩擦高まる

2018年12月1日 フランス マクロン政権 労働法改悪 富裕税廃止 法人税率引き下げ33%→25% 防衛費の5割増額 社会保障増税 燃料税引き上げ 公務員の大幅削減 徹底した構造改革路線で経済の浮揚図るが 低所得者の厳しく富裕層にやさしい政策に国民は反発 各地でデモが続き窮地に デモ参加者を治安部隊が弾圧 死者1名 ここまでで死者が合計3人 改善されない高失業率に社会全体にマクロン批判高まる

2018年12月4日 米NY株価 前日比799ドル。36セント 3.1%安 2万5057ドル7セント1日下げ幅で今年4番目 米長期金利は低下 一時2.88%(3ケ月ぶりの低水準) 長短金利の逆転 逆イールド傾向

2018年12月4日 フランス フィリップ首相 燃料税引き上げの6ケ月延期を声明 デモ鎮静化図る 財政赤字2.8%の達成困難に

2018年12月5日 NY 債券市場で11年ぶりに長短金利が逆転=逆イールド現象 景気後退の予兆

2018年12月7日 米NY株価 3日続落前日比558ドル72セント 2.23%安 2万4388ドル 米中貿易摩擦への懸念 英国のEU離脱問題の不透明感 アップルなどハイテク株下落

2018年12月10日 フランス マクロン 生活支援策を発表 譲歩へ

2018年12月10日 イギリス メイ首相 離脱案が英議会否決濃厚のため採決延期 → 2019年3月末 合意のないまま英国EU離脱が濃厚になった

2018年12月12日 イタリア政府 GDP比2.4%赤字 から2.04%に下げた案を提示して制裁回避を狙う

2018年12月13日 欧州中央銀行理事会 量的緩和政策の12月末終了を決定(当面 満期が来た債券については再投資して保有残高を維持する方針)→ 南欧諸国を中心に金利上昇懸念

2018年12月19日 FRBは来年の利上げペース4回から2回へ減速を宣言 2018年の機械的利上げ → 株価下落 内外経済の悪化に重大な責任

         利上げ回数を宣言して実行するという機械的利上げ手法 インフレ(物価上昇率 コアデフレーターは3ケ月連続で3%下回る)が生じていないのに利上げを続け株価暴落を招く 利上げはアメリカへの資金還流 新興国の景気後退 アメリカのバブル化につながるほか 住宅投資を押し下げる懸念も強い 住宅投資はすでに失調 7-9月期前年比マイナス 金利上昇プラス 鉄鋼 木材価格上昇で住宅コスト上がる 企業は減税で得た利益を設備投資の使わず自社株買いに回しているとされる

         このアメリカのFRBの「馬鹿な」政策のおかげで日銀は低金利を維持しつつ円安による企業収益改善効果を得られた。 

2018年12月19日 欧州委員会 イタリア提出の2019年修正予算案を承認 財政赤字を2.04%まで下げる妥協案

2018年12月19日(水) FRB年4回目の利上げを決定 FF金利の誘導目標を年2.00~2.25から2.25~2.50%へ引き上げ → トランプは批判しているが意外に正しいのではないか?

2018年12月24日(月) 米NY株価 下げ幅は一時450ドル 前週の週間下落率は6.9%  2008年10月以来10年ぶりの下落率

    株式の急激な下落はもちろん売りによって生じているが、株価変動率指数(別名 VIX指数あるいは恐怖指数)の数値が急上昇したことで、リスクパリティ型のファンドからこの指数に連動して機械的な

   売りが出ることが、相場の下げを大きくしているとされる。またこうした局面では安全資産である国債に資金が集まる。すると国債の利回りはむしろ低下することになる

        18年は法人税減税の増益効果10%ほど これが来年なくなる 欧州中国景気の減速 → 2019年は景気後退へ

2018年12月26日 5日ぶりに反発1086ドル25セント高の2万2878ドル45セント 4.98%過去最大の上げ幅

   株価が上下に激しく変動する背景として プログラム取引の影響が指摘されている。最近の話題はキーワードを読み取って売買する

   テキストマイニングタイプである。「利上げ」「FRBの保有資産縮小」などは売りの合図になる

2018年2月の株価暴落 

2017年10月18日 米NY株価 ダウ工業株30種平均は2万3000ドルにのせる

2017年11月30日 米NY株価 ダウ工業株平均2万4000ドル台乗せ  米主要企業の企業収益好調が背景

b2017年12月13日 米FRB FOMCで6ケ月ぶりの金利引き上げ決めるに 2015年12月に利上げ開始

2018年1月4日 ダウ工業株30種平均2万5000ドル突破(2013年5月に1万5000ドル超える 2017年1月25日に2万ドル台にのせる 11月30日2万4000ドル台のせ)日経平均は2万3000円突破(2017年10月13日に2万1000円台のせる)米予想PER21倍は2004年以来の水準(強気派は企業収益の拡大をさらなる投資の根拠としている しかし景気拡大は物価上昇圧力を生み結果としてFRBによる利上げを急ぐ判断につながるむ PBRは2.4程度 この時点の日本PERは16程度 PBRは1.5程度) バフェット指数は2017年12月上旬時点で日米とも120%近かったがこの1月上旬には130%を超えている

1月17日 ダウ工業株30種平均は2万5000ドル台のせる

1月18日 日経平均株価が続落 年初からの早い上昇に警戒感強い

1月19日 米長期金利2.66%台 2014年7月以来3年半ぶりの髙い水準

1月23日 日経平均2万4000円台乗せる 1991年11月以来26年ぶり

1月24日 一時108円台 4ケ月半ぶりの円高 ドル安

1月27日 ダウ工業株30種平均は史上初めて2万6000ドル台 株高 債券高という微妙なバランス(適温相場)の持続に懸念

1月29日 米長期金利一時2.72% 3年9ケ月ぶりの水準(背景にドル安を通じた輸入物価上昇) 米長期金利の上昇は株式相場の調整につながるとの指摘多し 日本でも長期金利が一時0.095% 2017年7月以来約半年ぶりの高水準 米株価29日に2017年9月以来の下げ幅 30日も一時300ドル下げる

1月30日 日経平均は5日続落 終値2万3291円97銭 5日間で800円超える下げ 1ドル109円を上回る円高(米金利の上昇にもかかわらず 日米金利差のため ドル調達コストが上昇しているためドル買い あるいは米国債の買いがおきにくい) 輸出関連株に対する調整色強まる

1月31日付けFOMC声明文 物価の上向きを予想 金融政策で段階的利上げを予告→米長期金利 一時2.75%に上昇(3年10ケ月ぶりの高水準)

1月31日 米財務省は2-4月に米国債発行を3-5年債中心に計420億ドル増やす計画を発表 → FRBの買い入れ額縮小の状況では市場消化額増加を意味する

     米議会が10年で1.5兆ドル(約165兆円)大型減税を成立させていることは米国債増発(借入必要額増加 米国の財政赤字拡大) 景気過熱(企業業績拡大効果) 物価上昇など上振れを予想させる

2月2日 雇用統計発表で1月の賃金の伸びの加速が指摘される

2月2日(金) 米長期金利は一時2.85%に急上昇(4年ぶりの水準 金融緩和による債券バブルの崩壊) 米金利の低位安定崩れる → 高いPER許容できず 米株価暴落へ(PER22倍から20倍に修正)ダウ工業株平均 前日比665ドル安 下落率2.5% 下落幅は2016年6月の英国離脱以来(3.4%)最大。2008年12月1日以来9年2ケ月ぶりの大きさ

2018年2月3日 米FRBはパウエル(64歳 弁護士出身 米投資会社カーライルの共同経営者を経験 2012年5月からFRB理事)体制に事実上移行(3日付けでパウエル氏が米連邦公開市場委員会議長に就任 5日に第16代FRB議長に正式就任

ジャネット・イエレン議長(71歳)は退任:在任の4年間 雇用優先の姿勢貫く 失業率は8%台から4%台 4.1%(2017年10月)へ低下 株価は上昇 物価上昇率は2015年に1%未満に低下、2%近くの1.7%まで回復)

2月5日から9日 下落 S&P500が下値の下限とされる50日移動平均を割った コンピュターが売りを加速 アルゴリズム取引の影響指摘される

2月5日 VIXは一時38と節目の30を大きく上回る 投資家が債券に殺到し 米金利は2.88%から一気に0.2%下落 5日米国株前日比1175ドル安=史上最大の下落幅 下げ幅4.6%は欧州債務危機問題深刻化した2011年8月以来 日経平均は2万3000円割れ 2017年12月29日以来 (米国株の下落は米経済の先行きへの不安を高めて FRBが利上げに慎重になる理由になる。逆に 株高を通じた米経済の上昇は、利上げ時期を早めにすることにつながる)

2月6日 日経平均は一時2万1000円を割る 年初からの上昇分打消しへ 米国株変動率指数VIXは一時50超える(2017年10月に9.19の過去最低に減少 2月13日に24台まで低下 リスクパリティという手法では相場変動率が高まると自動的に運用リスクを減らす)日本ではPERの髙いハイテク株に売り圧力 米国では米国株3営業日ぶりに反発 前日比567ドル高  このほかプットのチリ引きも盛んになる。空売り同様に相場の変動を激しくする恐れがある。

 トレンド追随型と呼ばれる CTA(商品投資顧問)と呼ばれる海外ヘッジファンドの売買も議論されている。CTAは、相場が上昇トレンドに入れば買い、下落トレンドに入れば売りに転ずる 売りは3段階にわかれる。

 最初はリスク許容量が減っただけ 持ち高を減らす。つぎは上昇トレンドが終わったとの判断で、買い持ち高をゼロに近いつける。最後は下落トレンドに転換したと判断して、持ち高を売りに傾ける。・・・このような機械的な売りがあることで、個人投資家が下値で拾おうとしても、相場の下落が続き成功しない。下落基調が長引くことにもなる。

2月7日(平昌冬季五輪開幕) 日経平均反発上げ幅一時700円越える

2月8日米VIX33まで上昇(前日比2割高い)米国株は再び急落 1月の高値から1割下落 日本株は11%下落

2月9日 取引終盤でS&B500 200日移動平均線を目先の下値を下回りアルゴリズムの買いが作動 反面1週間で株式ファンドから巨額の資金流出 過去最大306億ドル 日経VIXも30台後半まで上昇 為替1ドル108円台まで上昇 輸出関連株下落

2月12日から16日 米株は押し目買いで続伸 ハイテク株や金融株(金利上昇は収益に有利 市場変動の拡大でトレーデイング収入の増加期待)など。米国株が戻ると買われていたドルが売りにだされ、円高が進んだ(15日一時106円台前半)。株が下がると安全資産とされる通貨が買われる。これはリスク回避の動き。同様のことは日本市場でも株が下がると円が買われる傾向がある。円高は日本企業の業績には逆風。米株が上がる中、輸出企業の業績悪化懸念から、機械や車などが下げて日経平均は続落した。

2月13日 一時1ドル107円32銭(108円を突破)・・・・2017年末には114円台だった。

2月14日米国 株価は4日連続続伸 金利は午後に一時2.92% VIXは5日の37台から19台に低下 節目の20を下回る 円は1ドル112円台半ばまで買われた。日本の株価は一時2万1000円割れ。

2月14日日本 空売り比率(売買代金に占める比率)14日連続で40%超える(通常は30%台 これまでの最長記録11日超える)日本株 日経平均採用銘柄予想PER12倍台に低下 米VIX20以下に低下。

 株式 割安感から不安定な展開 予想PERは約13倍と低下。懸念は企業業績鈍化懸念、円高相場の影響。日本株戻り遅い。金利上昇は金融株にはメリット

2月16日 円相場一時105円台 1年3ケ月ぶりの高値(米財政悪化の懸念など 円高で円高恩恵銘柄が注目 原材料輸入するエネルギー関連・製紙 海外旅行会社など) 

2月12~16日 日米とも株価反発

2月19~23日 外人投資家の売りを個人と自社株買い 投信が吸収

変動性指数の低下により下値不安薄らぐ

MRF残高高水準(13兆円弱 昨年後半株高で利益を確定した現れ)

個人マネーの復帰 経験則「3月上旬は株価があがりやすい」「毎月第一営業日の株価は上昇しやすい」

不安要素は米国の金利 物価上昇が加速すると上昇 長期金利が節目の3%にのせるかどうか 2月上旬の株価急落で米国株のPERは先行き1年の予想ベースで16倍台に低下(益回りは6%近くに回復。イールドスプレッドは回復して株に資金が戻ることを正当化している)。

 

 


株式交換 share transfer or stock transfer

2018-12-29 11:15:13 | Area Studies

企業買収を考えるときに、株式交換share transfer or stock transfer という買収方式の導入は画期的でした。これにより高株価経営により企業買収に伴う借入を減らすことができます。

ただ海外企業の場合、相手方株主は現金を望むかもしれません。つまりこの手法が成立する前提は相手方株主が入手する株式をどう評価するかです。

一般的には国内で、子会社の完全子会社化など(互いに株主が買収先企業を知っており株式の売却方法もある状況)でこの手法はよくつかわれます。日本では1999年の商法改正で

利用が可能になりました。このような株式の使い方を買収通貨acquisiton curencyと呼ぶことがあります。この株式として、手元に自社株があれば(=市場での自社株買いで生まれたもので金庫株treasury stockと呼んでいます)

それが使われます。新たに株式を発行することも可能ですが、増資と同様に株式の権利の希薄化dilutionにつながる側面もあります。ところで企業買収は

実際には失敗が多いとされています。失敗する一つの理由は、買収合戦が過熱して買収代金が割高になることです。買収後の財務の悪化をいかに防ぐかは、企業買収の成否を

決める大きな要因になります。株式交換方式による買収は、借入を減らす意味で有力な選択肢になります。

 


CVC

2018-12-26 15:08:55 | Area Studies


 corporate venture capital 大企業がスタートアップ企業に投資するもの

がある。目的 新たなテクノロジーの活用導入

    期待 自社ビジネスの変革改善 優れた人材の獲得(アクハイヤー:アクイジション+ハイヤー)

    手法 パートナーシップ 直接出資 買収など

    実際 ビジネスに結びついた成果は少ない 社内調整が複雑であることも原因

    対策 窓口の一本化 関係部門の情報共有の仕組み必要 秘密保持契約の簡略化

注目されるのは一般のVCが利益を第一の目的としているのにCVCは、新規事業の育成や研究開発が投資の目的とされていることである。

レコフの調査によると2017年のCVC投資額は172件681億円(国内向けは353億円)、他方新興市場でのIPOによる調達額は1550億円。他方、米国のCVCの規模は

2016年で167億ドル(1兆9000億円)。米国ではスタートアップ企業の多くが資金調達方法として大企業へのバイアウト(売却)を選ぶとされるが、大企業が新たなビジネスを

立ち上げるために、M&Aをルートを活用してきたのに、日本では今それが始まったばかりということがわかる。

自前主義でなく外部との連携で新事業を創出するオープンイノベーション

海外ではアップル、グーグル(親会社はアルファベット) アマゾン インテル フェイスブックなど

→ IT企業による若い企業の買収 この現象はその成否が一面ではIT企業の現在および将来の評価を分けるが

他面では社会的にみた企業の開業率を抑え、産業の新陳代謝にマイナスとの指摘がある。また本来の事業とは違う

新興企業の発掘育成に経営資源を傾けることへの批判もある。またIT企業や新興企業自身がCVCを設立する場合、

そうした企業ならでの感覚,選択眼が有効に働くこともある。競合しそうな企業を取り込んで自社の戦力を強化することも

ありうる。スタートアップ企業自身を目利きに使うファンドもある。

国内でもKDDI NTTドコモ ヤフーなど通信ネット系からはじまり一般のメーカーにも広がる

あり。ソニー パナソニック 三井化学 住友化学 トヨタ 日産 NTT 楽天 ヤフー ファナック NEC 住友商事 三井物産 伊藤忠商事

コニカミノルタ 日本ユニシス 伊藤忠テクノソリューションズ 三井不動産 JR東日本 野村証券 みずほ証券など

投資マネーが過剰で、人材も不足。適切な企業評価が行われていないとの批判あり。

→ 容易にカネが集まる状況はスタートアップ企業側の慢心やガバナンスのゆがみにつながっていると指摘されている

投資の厳選が必要との指摘がある。


米国の為替条項要求と日本側の政策の手詰まり

2018-12-26 07:26:38 | Area Studies

米国は日本との貿易交渉で、通貨切り下げを封じる為替条項を求める考えを繰り返し示している。
日本側はこの交渉を物品貿易交渉TAGと呼び、為替については
日本は為替介入を長年していないと反論するが、米国は日本の量的金融緩和政策そのものが通貨安誘導政策であることを見抜いている。
2018年9月末にすでに北米自由貿易協定NAFTA再交渉で成立した米国・カナダ・メキシコUSMCA協定では、為替条項が導入されている。
為替条項をちらつかせることで、貿易交渉を有利にしようとしているとされる。

しかし競争的通貨切り下げの回避は国際通貨基金IMFの協定にもある。それを起きて再確認しても大きな問題がないとの意見もある。
ではそれにもかかわらずこの問題が騒がしいのはなぜか?

市場ではドル高の基調が続いている。トランプ政権による法人減税や財政支出拡大により米国は景気拡大を続け、
米連邦準備制度FRBは2018年4回にわたり利上げした。この結果、米国への資金流出が促されドル高が進行した。為替リスクを考えると
ドルを決済通貨とした方が有利なのだ。世界経済における米経済のシェアは相対的に低下しつつあるが、されたのである。新興国通貨不安もあって
国際通貨ドルの地位は逆に高まっている。円安の原因は、米国の経済政策にあるともいえる。
私の考えは米政府が為替条項をもちだすのは、為替変動の原因を他国に転嫁して、
自国の経済政策を原因に上げられたくない心理の現れではないかと思える。

また企業の対外M&Aに伴う円売り・ドル買いが円買い圧力を弱めたとも指摘されている。

ドル高の影響は新興国に大きい。新興国ではマネーが流出。対応して国内金利を引き上げている。また通貨がさがるため物価の急騰が起きている。またドル建て債務の負担が増している。
新興国債券にデフォルトの不安が高まっている。トルコやアルゼンチンなどの通貨が激しく変動した国は少なくない。

ドル高は日本の投資家には海外投資を増やすチャンスである。直接投資。債券投資。ただ債券投資では
先に投資したものが金利上昇で評価損がでている。
またドル調達コストが急上昇して投資にストップをかける側面もある。

為替条項については、日本の量的金融緩和政策が制約を受けるとして市場が反応しているとの解釈がある。
確かに米国の景気回復に伴う利上げが、ドル高の基本的背景。しかし日本が量的金融緩和政策を続け、超低金利にあることは米国との金利格差を広げ
ドル高・円安要因であることも事実だ。円安は日本企業の経常利益を押し上げている。日本企業は現地生産を進め、
2011年以降は直接投資収益が貿易収支黒字を上回るようになっている。円安はその利益のかさ上げに役立っている。
その出発点は安倍政権での量的金融緩和政策の拡大であった。

ただ為替条項の問題がなくても量的緩和政策がすでに限界にある。展開余地がないとの指摘も多い。
金融機関収益などへの副作用も目立ち金利を再度
下げる余地は乏しい。
その意味では米国が景気回復を続け、円安局面が続くことは日銀にとってもありがたいことだった。
しかし2018年10月頃から世界経済は米中貿易摩擦の激化から変調が目立つようになった。なお変調を多少緩和したのは
原油安で米国のインフレ期待が抑えられたことである。米国の実質金利が上がることでドル高が維持されたのである。
ところがいま米国の景気が転換点にある。政策の行き詰まりという危機はこれからかもしれない。




産業革新投資機構の蹉跌

2018-12-25 19:27:51 | Area Studies

2018年9月に発足したばかりの産業革新投資機構JICが早くも行き詰まった。2018年12月10日 民間出身の役員が全員辞任を表明し事実上活動を休止することになった。直接の原因は、高額報酬だが報酬の高低より、自ら9月に出した報酬案を2ケ月後の11月に否定した経済産業省(島田隆次官)にも相当な問題がある。また政府の関与を強めれば、リスクキャピタル投資の判断がゆがめられることはあきらかなのに政府関与の姿勢を強めた担当大臣(世耕弘成経済産業省)も感覚がおかしい。問題はファンドの性格。官が主導して、企業再生を含めてリスクマネーを供給する立場なのか、あるいは産業育成のためのリスクマネー供給のいずれなのか、腰が据わってなかったのではないか。前身の産業革新機構INCJに対する評価の違いにもその点がみえる。外側からみると産業革新投資機構は産業革新機構の後継。その役割のすべてが変更されるものではないとみるのが自然だが。

 第四次産業革命に向けたリスクマネー供給に関する研究会報告書 スタートアップ企業に対する投資を主とした投資対象として謳っている。


シェア経済(シェアリングエコノミー)

2018-12-25 13:53:43 | Area Studies

モノ 空間 スキルなどの共有 定額制サービス(収益の安定化-継続化 リカーリングビジネスあるいはリカーリングビジネス リカーリングモデルとも。入ってくる収入をリカーリングレベニューと呼ぶ) 

このようなビジネスの弱点は、在庫管理や運営のコストにある。シェア経済の多くは月額会費制で、リカーリングビジネスの側面がある。車の例で分かるのは、所有ではないことにより、コストを下げつつ

所有している場合の利便性(必要とするときにすぐに使えるなど)を追求しているのではないか。

自動車そのもの カーシェアリング ライドシェア → 利用者の100万超え(2017年) 新車市場に大きな影響

→ 保有需要であるリース需要も高まっている。(カーリース:5年 毎月支払い レンタカー:6時間から 利用時間分 カーシェアリング:15分から 月会費+利用時間)

自転車 → 競争が激しく利益が出ない 放置が各国で問題になる 保証金の未返還問題など

様々なスペースの時間貸し ビル マンション 駐車場 共用オフィス(コワーキングスペーズ)

家庭電器製品(家電) 家具 子供服 婦人用バック 旅行用バック ビジネススーツ ゲーム機

スキルのシェア スキルのシェアサイトに登録 利用者の評価でサービスの質があがる仕組み

育児のシェア アプリで入力して応答待つ


デジタル課税

2018-12-25 13:12:40 | Area Studies

グーグル、フェイスブック、アマゾン、アップルなど巨大IT企業(プラットフォーマー)は、ネットを通じたデジタル財の取引をもとに成長 拠点(恒久的施設)をもたないことで課税逃れをしてきた。企業は低税陸国やタックスヘイブンなどに無形資産を移転して租税回避を繰り返してきた。=価値創造地と納税地の乖離

2018年3月 EUではデジタル課税案をまとめた。売上高の3%の課税。EUでもアイルランド、ルクセンブルグは低税率の国は反対姿勢。フランスは推進派でドイツと連携して合意を目指していた。ドイツはアメリカからの報復を気にして国際的な見直しを強調。2018年12月4日妥協案を財務相理事会でフランスが提示した。税率は3% 課税の対象を広告の売り上げに絞り、データの売り上げなどは除外。21年までに国際的な解決策が得られなかった場合に発効。加盟国に2019年3月までの合意をよびかけ(→しかし年内合意断念)。

課税に慎重で貿易摩擦で対立する米中が接近(2018年11月のOECD 国際税制会議)。背景としてのIT大手の租税回避策がある。

背景として税負担率格差の存在 伝統的ビジネス企業が23.2%に対しデジタルビジネス企業は9.5% このような圧力のもと アイルランド政府はアップルとの間で追徴課税仮払いで2018年4月同意(エスクロー勘定に6月以降9月まで最大130億ユーロ) このほかルクセンブルグ政府はアマゾンドットコムとフィアットに オランダ政府はスターバックスに対して追徴課税指示中

デジタル課税:英国が2018年10月に2020年4月から売上高の2%に課税を決定。フランスはイタリアは課税案を準備中。従来の法人課税ルールでは国内や支店など恒久的施設を課税できない問題があったことに対応したもの)

経済のデジタル化によって 法人税パラドックスが成り立たない(税率下げ 投資が活発化 税収はかえって増える 高めの成長率で税収を計算:ダイナミックスコアリングが成り立たない)

トランプ政権 2018年1月から連邦法人税率を35%から21%に引き下げ

 


パリ協定(2015年12月採択)

2018-12-24 20:16:44 | Area Studies

産業革命前にくらべ1度上昇これを今世紀末まで1度未満の上昇に抑えることが目標 2015年12月採択 2016年11月発効 2020年1月実施期間入り 日本ではなぜか再生エネではなく原子力発電を推進する議論がある。また再生エネにたいしては不安定で高くつくという否定的議論が絶えない。太陽光発電については買い取りコストが企業・家庭の負担になっているとの指摘がある。なぜかこれを言うのは消費者団体ではなく経済学者だ。この日本の議論は、世界全体ではとくに電力分野で再生エネルギーへの移行と低コスト化が急速に進行しているというよく行われる指摘とかみ合わないのはなぜだろうか。問題の一つは途上国への資金援助問題で、パリ協定では2020年までに先進国が官民あわせて年1000億ドルを途上国に供与するはずが、2017年6月トランプが離脱を表明して米国は資金拠出を取りやめている。2018年12月ポーランドで開かれたCOP24では、削減目標や量の検証で先進国・途上国共通のルールを適用する、途上国への資金支援の具体像を先進国は2年おきに公開すること、などの指針(ルール)が採択された。

温暖化は水蒸気量を増やし豪雨洪水、海面水位の上昇による浸水リスクなどで被害を広げるとされる。猛暑による火災や水位の低下も報告されている。現状で10年で0.2度程度の上昇が生じている。

 

 

 

 

 

 


英国のEU離脱(Brexit ブレグジット)

2018-12-11 23:06:09 | Area Studies
2016年6月23日の国民投票の結果(開票は24日)、英国のEU離脱(BREXIT)が決定した(投票権は18歳以上。離脱51.9% 1741万742票 残留48.1%1614万1241票  登録に対する投票率72.2%)。離脱すると経済が下振れするとの脅しに離脱派の英国民は屈しなかった。離脱支持はイングランド、ウェールズで高く、逆にスコットランドや北アイルランドでは低かった。逆に残留はロンドン、スコットランド、北アイルランドで高い結果になった。つまりはっきりと地域差があった。年代的には若い人に残留が多く、高年齢層は離脱支持が多かった。ただ改めてはっきりしたことは、キャメロン首相(7月にテリーザ・メイ氏に交代 サッチャー以来の女性の首相)がイングランド、ウェールズの多数派を代表しておらず、社会経験や歴史を踏まえた高年齢層の支持も得ていなかったことだ。つまりキャメロンあるいは残留派に、イングランドを代表して発言する資格はない。
 英国でも2008年以降5年続いて実質所得の低下 デフレ状況で移民が増加 ➡ 賃金の低下でマイナス成長へ 残留を希望するのはグローバル資本主義の恩恵を受けている大手企業やエリート層だという庶民の感情が強まった。また移民により 階級分裂高まり 移民排斥感情も高まった。国内で事業を営む中小企業には完全な離脱を望む声は多い。

 英国の金融界はEUの金融規制を嫌っていたともされる(却って競争力を低下させる)。税制面(低い法人税のほか税金優遇 補助金などで自由度高まる)でも離脱はEUの制約を逃れるメリットがある。興味深い例は、金融取引税(に象徴される金融規制)は残留により導入されようとしていたが英国は反対していたことで、この点だけからいえば、残留派の金融界の利害と離脱派の主張が重なる点である。この対立を改めて考えると、英国は、通貨の問題を含め、EUのすべてを受け入れていたわけではなく、これまでもEUを都合よく利用する側で自己都合を主張する存在だった。そのロジックを進めた一歩先にあるのが、国民投票による今回の離脱決定だった。もともと英国政府が行っていた、EUの都合のよいところだけを利用するご都合主義的な考え方が、今回の離脱を招いた(英国は1999年のユーロ導入当初からユーロへの参加を見送ってきた。金融政策という主権の保持にこだわり、自国通貨ポンドの保持を続けた。国境管理を続けた点ではシェンゲン協定1996年とは距離を保った)。
 このほか税制面でも低い法人税率で企業を誘致しようという英国のスタンスはEUの規制的な考え方とは違っていた。
 EU残留派は、EU離脱が決定すれば「英国は解体する」「英国の景気は後退する」と脅しをかけた。離脱派に労働者が多く、残留派に都市部の高学歴層が多い。階級対立が明確になった。米国のトランプ旋風と合わせてBREXITの勝利は、ポピュリズム(大衆迎合主義)が指摘される。しかしそうした考え方自身に、所属階級による歪みがないかは検討される必要がある。
 リスボン条約により 離脱は欧州理事会に通告して始まる 通告後2年でEU法は英国内で失効する。 

2017年1月17日 英国のメイ首相(キャメロン政権時の内相)は EUからの完全離脱を表明した。単一市場への残留を放棄した形。こうした議論は強硬離脱(ハードブレグジット)とよばれていた。3月末までに通告(通知を受けてEUは正式渉開始のスタンス)、2019年3月が期限(通告から2年以内に脱退協定締結とリスボン条約にある)。加盟国の離脱は1993年のEU発足以来初めて。メイは表明のなかでEUに限定されない自由貿易協定FTAの促進を主張。

2017年3月29日 イギリスのメイ首相はEUに離脱を通知した。今回の通知は3月13日に英国議会がメイ首相に離脱を通告する権限を与える法案が通過したことによるもの。リスボン条約によるもので交渉期間は2年間。EUのGDPの16%を占める英国の離脱はEUにとっても大きな意味を持つ。EU離脱は英国への投資の減少につながるという意見もある。しかし2016年6月の国民投票で52%の国民が離脱の意志を表明したことは重い。

2017年6月8日 英国総選挙(4月18日 メイ首相が緊急声明で発表) 保守党は過半数割れにおいこまれる(メイ首相の求心力は低下)。やはり6月からEUとの間で清算金などの交渉。(2016年6月の国民投票で英国民は離脱を選択。2017年3月にEU基本条約第50条により正式に離脱を宣言。その後、2019年3月29日にEUを離脱した。これをBrexitと呼ぶ。)

 2017年6月22日欧州連合首脳会議時点。市民の権利(英国在住のEU市民320万 EU在住の英国市民120万の権利)はそれぞれ守られることを確認した。今後、清算金(EU財政負担の約束を尊重で妥結)など離脱条件の議論を優先して議論。

 欧州連合とイギリスは2018年2月5日 移行期間の協議にはいった。英国側は離脱後の移行期間について約2年としつつ、状況に応じて延長できる仕組みを求めた(2018年2月21日)。3月22-23日に首脳会議で暫定合意が成立。2020年12月までを移行期間としてEU単一市場関税同盟への残留が決まった。

 なお英国はイングランド ウエールズ スコットランド アイルランドから構成されるが、そのスコットランドには独立を求める動きがあり、アイルランドでは統一(北アイルランドとアイルランド共和国の)を求める動きがある

2018-12-11(2016-06-26;2016-07-21;2017-06-23)


OPECの協調減産

2018-12-05 15:02:27 | Area Studies

 OPEC(石油輸出国機構)諸国とロシアなどは(2017年1月から減産開始)、2017年11月末に2018年末までの協調生産で合意し、原油の過剰生産解消が進んでいる。価格回復の結果、米国(ほかにはカナダ、英国、Brazilなど)の原油生産量が急激に増加している。サウジ(財政赤字)はサウジアラムコの株式上場までは原油価格の下支えを必要としている(ロシアとの10-20年といった長期での合意を模索している)。ロシアは1バレル60ドル超なら財政収支黒字(WTI原油価格は2017年7月40ドル台から一貫して上昇)できるが、原油価格は2018年3月末65ドル前後 1月には66ドルという3年ぶりの高値にある。この間、米株価は下げたので、株価と資源価格の相関(連動)が崩れたと話題になっている(2018年3月)。

   2018年12月 OPEC(15ケ国 本部ウィーン 議決は全会一致を原則 2017年の世界原油生産に占めるシェアは42%)はウィーンで総会を開き2019年以降も協調減産することで合意したとされる。背景にはシェールオイルを中心に米国の産油量が増加していること(2010年頃から活発化 2008年から2013年にかけ急増 2015年末に原油輸出解禁)。世界経済の減速で需要が減るとの観測。米中貿易摩擦による中国の需要減。英国のEU離脱を控えた欧州の先行き不透明など。投機マネーの流出がある。減産規模100万バレルを目指しているとされる。ロシアとの調整では減産幅をめぐって協議が続いた。背景にはエネルギー価格を下げたいトランプが増産を主張し圧力をかけているとのこと(トランプは2018年5月イラン核合意からの離脱を表明 2018年8月にはイランに対する経済制裁を復活させた。2018年10月イラン産原油の輸入ゼロを各国にもとめたり、11月に入り一部の国に適用除外を認めたりしているが、2018年7月に原油価格急騰でOPECを批判したことと併せて、原油高騰を望んでいないことは明白)、サウジが苦慮しているとされる。

 
 


銀行の投融資におけるモラルダウン

2018-10-24 19:43:27 | Area Studies

銀行の金利が下がり設備投資額が増えたというのが公式発表(金融機関の収益を圧迫 2018年6月頃 新規貸し出し0.6%前後まで低下 異次元緩和前の2012年末の1.1%から低下 貸出競争で契約も取れない 借換え時に低い金利で融資契約奪われる 財務体質がぜい弱でも高い金利がとれる企業への融資が増える)

銀行の個人向け融資。アパートローンとカードローンの急拡大が問題視されている。さらにスルガ銀行のシェアハウスローンは、銀行という組織を挙げて不正にローンを拡大した疑いが強い。背景には企業向け融資の拡大がなお低調で、利回りが低い中、これらのローンの利回りが高く、銀行の収益改善に有効だった側面が指摘されている。アパートローンやシェアハウスローンについては、そもそも長期の需要見通しに即しているか疑問の声があり、最終的には銀行の債権として不良化するのではないかとされている。カードローンについては、系列のノンバンクに不良債権を回す仕組みのため、ローンを行うメガバンクには傷がつかないが、これはそもそも消費者金融規制における総量規制(借入人の年収の3分の1以内)の尻抜け行為ではないかという指摘がある。結果として、安易な貸出で過大な債務を負った個人の破産や系列ノンバンンクの不良債権拡大が生ずる恐れがある。背景には日本銀行が行っている超低金利政策(異次元金融緩和政策)のため金融機関が利益確保に苦しんでいる問題がある。この超低金利政策が、経営上の規律をダウン(モラルダウン)させているのである。地銀が金利上昇リスクが高い外債運用に飛びつくのも、同じであり、日銀の政策の結果、銀行が投融資でモラルを低下させているといえなくない。

スルガ銀行(創業家の岡野一族が支配。一族の実態のない親族企業に融資。もともと不動産融資 アパートローンなど個人向け融資が9割という特異な銀行(通常の銀行は融資に占める個人は3割程度)このような特異なビジネスモデルにはほかの銀行と異なったより厳しいリスク管理が必要なのではないか 預金総額約4兆円強 融資総額約3兆2000億円)のシェアハウスローン(横浜東口 渋谷 二子玉川などの支店が関与) 販売業者に年収1000万以上 預金残高700万以上といった社外秘の審査基準を伝達 借入希望者の年収(シェアハウスの所有者の所得、年収、資産を証明する書類を偽造 エビデンス=借入希望者の年収・金融資産情報の偽造 レントロール=物件の入居率・家賃などの偽装 満室時想定賃料の7割が融資上限・物件価格の9割はが融資上限 逆算して想定賃料・物件価格を高く計算 行員自身が偽装に加担) 預金額 売買契約 預金通帳 入出金明細の金額を改ざんして融資を実行していた。カードローンで融資した資金を預金させる手法もとられた 個人は法人と違い借換えをためらわず3-4%のアパートローンから客は借り換えで逃げ出し、融資残高を維持するために新規案件に傾斜することになった。営業至上主義 営業の行員には前年実績値の1.5倍=スチレッチ目標 毎月1億円の有担保ローン 月10億円のノルマ課せられた例も ノルマ ビルからとびおりろ 家族を皆殺しなどのパワハラ 暴力 強迫。 販売業者側が偽造したとされるが、銀行側も偽造を知りながら融資を繰り返していた。各店の支店長以下の職員のほか、本店の役職員も絡んだ組織的な犯罪の疑いが強い。審査部には営業部上がりを配置し、形式主義的審査で不適切融資を黙認放置。異を唱える人員は配置替え。問題に関与した役職員がすでに退職あるいは解雇した疑いもある。シェアハウス融資の総額は2035億円(個人向け融資の2割 土地建物の価値は)。借り手は1258人(多くは1億以上を借り入れる)。シェアハウス「かぼちゃの馬車」の運営会社のスマートデイズが東京地裁に民事再生法適用を申請して受理される(2018年4月9日 3月末の負債総額は約60億円 入居者を確保できず2018年1月から賃借料支払止まる)。運営会社としてほかにサクトインベストメントパートナーズ、ゴールデンゲインなどがあり、ゴールドゲインも5月23日に東京地裁で破産開始手続気に入り破綻した。スルガ銀行は実質与信費用(貸倒引当金)を45億円から436億円に拡大。2018年3月の連結純利益予想430億円は210億円に縮小。
後述するアパートローンとともに実需を離れた過大なローンの供給は結果として、不動産不況を強める結果になる恐れも強い。

これだけでたらめな事例がでても 遠藤金融庁長官(森長官の後任)は定期検査への復帰を否定している。森信親金融行政の失敗を示す事例ではないか?

アパートローン

2016年末残高が22兆円強 6割強が地銀分 地方でのアパートローン拡大は人口減少と一致しない動き。ニーズがないため、極端にはフリーレントで借り主募集する動きも。2015年の相続税課税強化が影響。節税目的(債務により財産額圧縮)でアパート建設。相続税対策としてのアパートローン。
背景:金融庁がアパートローン拡大に警戒姿勢 銀行は建築業者に顧客を紹介し手数料(建築請負金額の0.5-3%程度)を得ていた
ノンリコース型:責任財産限定型 返済の原資とする特定の財産を限定したローン アパートローンの場合は当該のアパートとその敷地に限定する このような限定の代わりに金利は一般のローンより高め

アパートやマンションなど投資用不動産をめぐる融資は、利回りが高いため拡大。不動産業者側は投資家とサブリース(転貸:一括借り上げ家賃保証制度)契約を結ぶことで、家賃保証、空き室保証をして投資家を安心させようとする。ただし、家賃保証には相場の下落により減額の可能性が、空き室保証についても免責期間が設定されている。金融機関にすると案件の多くは不動産業者側の紹介なので、支店の業績を低コストで上げる手段になる。半面、業者側が数値を改ざんするリスクがある。金融機関の審査上の工夫としては、投資家の自己資金の要件を取得価格の2割以上とする、家賃の2割下落した場合、金利が3%台に上昇した場合のシミュレーションをする、建築費の妥当性を検証する、現地調査で周辺相場・空き室状況を確認する、エリアを限定する、担保評価を保守的にする。書類改ざんを防ぐため通帳、源泉徴収票など原本確認を徹底する。営業店長の決済権限を制限するか本店決済とする。また融資当初に仮に問題がなくても環境変化の問題がある。物件取得時点で土地価格、建物価格、入居者の見通しが適正かどうか。賃貸料の下落、空き室率の上昇 金利の急上昇 大規模修繕の必要の発生など。スルガ銀行のシェアハウスローンの場合は建設会社が多額のキックバックを不動産会社に払う、不動産会社は物件を高額で取得する、スルガ銀行は投資家に投資資金を融資し投資家は割高な物件を割高な金利で入手する、不動産会社は入手したキックバックでサブリースの赤字を補填し、販売代理店にキックバックもしていた。大変奇妙だが、キックバックは投資家も含め関係者で一緒に食べており、不動産会社が自分だけもうけるという構造ではない。だからこそ、この「バブル」は続いたのだろう。ただニーズがないところに物件の供給を続ければ、空き室率の上昇でいつか限界がくる。

投資家が高額物件を購入したのは、不動産価値評価法の一つである収益還元法が悪用されたと伝えられている(日経2018年10月11日)。つまり賃料とか入居率を実際より高く仮定することで、高い期待利回り、高額の不動産評価を演出したとされる。収益還元法で出される数値は、多くの仮定にもとづいており、実際の取引価値とは別個のものと考えるべきだろう。

カードローン 地銀で縮小の動き(2017年9月)これまでの審査厳格化から踏み出す 無担保で使い道が自由であるため拡大(金利は10%超)

2017年6月末で残高5兆6793億円 前年同月比8.6%増 消費者金融業者が年収の3分の1までという総量規制がある(2006年末成立の改正貸金業法による)のに野放し(利用者の8割は3分の1超の制限を超えている実態) 銀行のカードローンが消費者金融(融資残高は2017年3月末で2兆7000億円)の1.5倍規模に増加(全銀協の発表では2017年8月末で加盟116行の残高は4兆3715億円 大手11行では2兆4237億円で全体の55%)。過剰融資の可能性が指摘されている。

年収の3分の1あるいは2分の1に融資額上限を制限する 年収証明不要の場合は融資上限引き下げ。銀行が貸して、焦げ付いたときはノンバンクに損失リスクを移す。役割分担して銀行本体を傷つけない仕方をしていることが問題になった。

三菱東京UFJ→アコム  三井住友→SMBCコンシューマーファイナンス

みずほ→オリエントコーポレーション

背景:金融庁が総量規制を示唆(2017年8月)

融資枠(コミライン) 審査は事実上締結時のみ。財務状況が良好な企業に対象を限定することでリスクを調整。

企業(財務状況の良好な企業が対象 金利を長期固定できるメリット) 銀行とのお付き合い いざいうときの2017年7月で契約件数1万1000社あまり 利用は6000社。契約額は約30兆円。利用額5兆円程度。将来の保険。企業の銀行融資需要は依然弱い、伸びは年率2-3%。民間の事業会社ではグループ会社への親子融資が拡大。2017年3月末で55兆6241億円 この4年で倍増。

外債運用
運用難から外債投資に走る銀行が多い。金融庁は海外金利急騰を懸念していたが実際に米金利の上昇で2018年3月期決算では外債投資で損失を被る銀行が続出した。

2017/10/24(2018/10/24)

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米中貿易摩擦(FAANGに影響) 米金利引き上げ(新興国に影響)

2018-10-12 15:20:15 | Area Studies

2017年1月 トランプ 環太平洋経済連携協定からの離脱表明
2017年4月 トランプ大統領の指示を受けて 米商務省 鉄鋼とアルミについて輸入制限の検討を開始。2018年1月 調査終了。3月に25%、10%の関税を発動(対象日本 中国など EU カナダ メキシコ 韓国 オーストラリア ブラジル アルゼンチンの7ケ国地域について猶予 アルゼンチン オーストラリア ブラジルとは大筋合意 韓国とは3月に鉄鋼を直近の7割に抑制することで合意)
2018年2月5日 パウエル氏 FRB議長就任 利上げ加速観測から世界的な株安。

3月16日 欧州連合 検討中の報復関税品目リスト案公表 3700億円()28億ユーロ)に約25%の報復関税を課す オレンジジュース とうもろこし バーボンウイスキー オートバイ 衣料品など
2018年3月18日 ムニューシン米財務長官 EUで検討されているデジタル課税に反対表明
2018年3月21日 パウエル新議長 FOMC 3け月ぶりの利上げを決定0.25%上げる。FF金利の誘導目標を年1.25-1.50%から1.50-1.75%に引き上げ。中長期的潜在成長率推計を1.8%に据え置き(18年10-12月期経済成長率は2.7%  ホワイトハウスは3%を掲げる)。失業率3.8%.物価上昇率は目標の2%に届いていない(1月で前年同月比1.7% 前月比0.4%)。利上げシナリオ年3回(エコノミストに多い4回説を否定)。
2018年3月22日 通商法301条を発動 知的財産権侵害を理由に中国製品(主にハイテク機器など産業機械 中国の国家戦略=中国製造2025を狙い撃ち 中国の技術などが世界標準となる可能性)に500億ドル相当の中国製品に高関税措置 同時にWTOに知的財産権侵害を提訴の方針 4月4日 中国は106品目 500億ドル相当の大豆や自動車など米国製品に対して25%の報復関税準備を発表 米中貿易戦争(米国は中国による知的財産権の侵害 国家資本主義的産業政策に対抗している)

  3月23日米国が鉄鋼アルミの輸入制限を発動

  → 世界株安へ 米中貿易摩擦を懸念(中国経済減速への懸念も) 鋼材 大豆 トウモロコシなどの価格が下落

  → 中国ZTE中興通讯 スマホ通信機器の生産できなくなる

4月17日 IMF発表の経済見通し 各国地域の成長率(2018年) インド7.4%  中国6.6% 米国2.9%   ユーロ圏2.4%  英国1.9%  日本1.2%  世界全体 3.9%       
2018年4月30日商務省発表 2018年3月 PCE個人消費支出物価指数 前年同月比2%上昇
2018年5月23日 トランプ政権 安全保障を理由に自動車や自動車部品に輸入関税の検討に入ることを発表(通商拡大法232条に基づく調査を大統領が商務長官に指示)現行2.5%を25%に引き上げる案が有力。

6月1日 EUは米国の輸入制限をWTO違反としてWTOへの提訴手続に入る また20日にも28億ユーロ分の報復関税
2018年6月1日 米国は3月に始めた鉄鋼 アルミの追加関税をカナダ メキシコ 欧州連合に拡大 EU WTO(安保を理由にする場合の輸入制限は例外として容認 定義はアイマイ)に提訴 7月から最大28億ユーロ規模の報復関税(WTOがルール違反を認めた場合 さらに36億ユーロの報復勧説) このほかカナダ、メキシコも対抗措置で報復関税 (過去にも1971年8月 ニクソン政権が輸入課徴金の導入表明⇔背景に貿易摩擦 2002年にはブッシュ政権が鉄鋼に最大30%の高関税発動→米国がWTO敗訴で関税撤回)
6月8日から9日 カナダ シャルボアでサミット トランプ トルドーがまとめた首脳宣言を拒否
6月12日 北朝鮮と首脳会談
6月13日 FOMCで利上げ決定 政策金利を1.75-2.00%に引き上げ 先進国の中で唯一 政策金利を2%近辺まで引き上げ(このFRBの姿勢も自国優先主義かもしれない。FRBは米国の金利が世界情勢に与える影響が誇張されていると主張しているが金利引き上げでドル高が進めば、新興国は資金流出+ドル建て債務の負担増で打撃を受ける) また 年間の想定引上げ回数を4回に引き上げ 3月の物価上昇率2% → ドル高・円安へ米金利引き上げ加速 新興国では相次いで金利引き上げ 通貨防衛へ 新興国ではドル建て債務負担増(途上国は通貨安・金利引き上げで成長率急減 とくにアルゼンチン・トルコなど対外債務の大きい国 アルゼンチン・インド・インドネシア・トルコ・ブラジルなど)→新興国からの資金流出 世界経済の減速は米株高を崩す可能性 ・米で利上げ加速の米国内の背景 10年で1.5兆ドルという減税。しかし中国製品への関税は減税効果を帳消しにする可能性。

6月15日 中国に対し500億ドル分 約1300品目に関する関税措置(25%の追加関税 4月の原案より約500品目減らす)を発表 → 米中貿易戦争へ(中国は大豆 トウモロコシ 果物 豚肉など米国産の農畜産品+飛行機 に報復関税)

2018年7月6日 米通商代表部USTR(ライトハイザー代表) 知的財産権侵害を名目(ハイテク分野の覇権争いの側面)公聴会を経て確定した 340億ドル相当の中国製品 818品目への制裁関税活動(中国以外から調達しにくい製品=特定製品を除外措置 10月9日まで企業からの申請を受けつける)依然米中双方の経済に深刻な影響が及ぶ懸念 → 中国では大豆などの食品に対抗して追加関税。残りの160億ドル分284品目についても公聴会を経て確定後 実施へ

7月6日 340億ドル分の中国製品(産業機械 電子部品など)に25%の追加関税をかける第一弾の制裁措置を発動

7月19日 CNBCテレビノインタビューでFRBの利上げに不満を表明。

2018年7月25日 トランプ大統領とユンケル欧州委員長 首脳会談で工業製品の関税撤廃などの貿易交渉入りで合意(9月から高官級の作業部会開始)

8月23日 160億ドルを対象に第二弾(半導体 プラスチック製品 ゴム製品 化学品 鉄道車両・部品など)に踏み切る(第三弾2000億ドル:食料品・革製品なども用意 税率25% 合計で2500億ドル 中国からの年間輸入額の半分 9月に発動) 中国は古紙 自働車 銅くず アルミくず などに25%上乗せ

8月 中国 報復関税リストにLNG 25%関税(8月3日第三弾として5207品目 600億ドル分を用意 LNGに25% 航空機に5%など 総額1100億ドルは米国からの輸入額1300億ドルの8割) → 米を直撃

→ 報復含め経済成長率にマイナス 企業心理の悪化 世界的サプライチェーンの崩壊生産性の低下

→ 中国側 債務削減(2017年末でGDP比率250%超え)よりインフラ投資継続へ(将来の停滞)

欧州連合に加え メキシコ カナダ 日本との間で通商協議 北米自由貿易協定のNAFTAの再交渉

8月27日 NAFTA再交渉 米国メキシコ合意 域内で部品調達比率を75%以上に引き上げる 日本や中国の部材は使用困難に 6年ごとに見直し サンセットは採用せず

8月31日 NAFTA再交渉 米国カナダ合意できず 9月19日再開 貿易関連法により9月末までに詳細公開の義務 カナダは輸出の76%がアメリカ向け 2019年に総選挙を控えるトルドー政権は妥協できない 仮にカナダがNAFTA離脱すると大混乱担う 原産地規則の強化にはおおむね賛成 5年ごとの更新定めたサンセット条項に抵抗

9月17日第三弾 食料品や家電2000億ドル分に10%上乗せ 9月24日発動へ(中国は木材やLNG 食糧品家電かばん 消費者に身近な商品含む 5ないし10%上乗せ 米国内にインフレ圧力観測 結果として「消費落ち込めば米国経済にもマイナス サプライチェーン網に打撃 米中とも双方の輸出額が減ることに 中国の対米投資も減少 米ハイテク企業買収されるよりはベターとの判断)

問題は米国が仕掛けるこの貿易戦争の影響である。保護主義的動きから景気悪化に向かうことを懸念する声がある。

米国の株高を支えてきたのはFAANGなどハイテク株(割高感がすでにある)。GAFAという言い方もある。独自の経済圏の頂点に立つプラットフォーマー(基盤提供者)。事実上の参入障壁の存在。高い収益性と成長力。

 株式に対する弱気はパッシブファンドへの資金流入の減少(あるいは流出)に現れる。指数の伸びを支えているのは、FAANGなどハイテク株だとされる。株高への信頼の低下はパッシブファンドへの資金流入を鈍らせ、流出さえ招く。

米中摩擦は、このアップルやアマゾンなどのIT機器(スマホ パソコン サーバー AIスピーカーなど)の受託製造を直撃して、米国IT企業に打撃となるという指摘がある。他方、ハイテク株は割高で値崩れしやすくなているほか、それぞれ問題も抱えている。トランプの一撃はFAANGの躓きの始まりとなる可能性もある。

日本企業は中国生産見なおし米国の生産の拡張・新設進める

フェイスブックは外部企業による会員情報不正利用の表面化(2018年3月 広告主離れが懸念される)、個人情報規制の強化された欧州で利用者が減少(米国でも規制強化の可能性)。ニセニュース対策の監視要員増員、データセンターなどのインフラ投資が増えて営業利益率は40%台から30%台に低下する見込みという。アマゾンはクラウドや広告事業で安定して利益を稼ぎ最高益を更新しているが、システム投資、物流への投資は拡大しているが納入メーカーから今協力金を徴収することで賄っている(2015年2月末から2018年2月23日で株価は3.5倍)。またプライム会員制度を収益源として育ててゆく方針。アップルは2017年11月に発売を開始した、iPhoneXの販売が失速。在庫が増えて在庫回転日数が大きく増えているとされる。アップルの好調への不安が高まっているが、アップルはそこでアプリ販売を収益の柱として強化する方針。動画配信ネットフリックスは契約者の伸びが市場予想を下回ったとのこと。グーグルの持ち株会社アルファベット(2015年2月末から2018年2月23日で株価は2倍)はEUからアンドロイドを使う端末で自社の検索サービスなどを不当に優遇しているとしてEU競争法違反として制裁金を課せられた(7月18日 43.4億ユーロ=5600億円)。これが減益要因になった。これらはまさにハイテク領域。まさにこの領域で米国と中国がぶつかっている、それが貿易摩擦にあらわれているのではないだろうか。トランプはハイテク領域での中国の躍進を、関税引上げという力技で止めようとしているように見える。

2018年9月20日 日銀総裁記者会見 長短金利操作付き量的質的金融緩和のもとで金融市場を調節するこれまでの方針の維持を賛成多数で決定した
2018年9月26日 米連邦準備制度理事会FRBはFOMC米連邦公開市場委員会で3ケ月ぶりの利上げを決定。FF金地の誘導目標を0.25%引き上げて年2.00~2.25%とする。2%超えるのは2008年以来ほぼ10年ぶり。今後の見通し。年内に1回。2019年に3回利上げの見通しも発表。2020年に1回。2021年はゼロ。国内景気動向に自信。利上げに踏み込めない日欧と対照的。

2018年10月4日 3日の上昇のあと米株式市場反落 下げ幅3ケ月ぶりの大きさ 米経済の好調(賃上げ)→(利上げ圧力)米長期金利の急上昇 10月5日一時3.24% 7年5ケ月ぶりの高水準(同日朝の48年ぶりの低い失業率が背景)⇒ 国際的な暴落へ

 2018年10月11日(木) 米株式市場3日続落 7月23日以来の安値 アルゴリズム取引による機械的な売り 午後VIX指数が急上昇一時28超えた(株式売りを招く)
10月11日 トランプ大統領がFRB批判 株安の責任はFRBにあると。
10月12日 NY株 ダウ4ぶりに反発 アマゾン アルファベットなど大手IT銘柄はなお下落

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2018-10-12更新


プラスチックの紙製品による代替

2018-10-02 06:21:18 | Area Studies

プラスチックを環境保護のために紙そしてバイオプラスチックに代替する動きに注目。

プラスチックは強度、耐久性、風味を損なわない、低コストなどの利点があり食器や包装用に普及した。

しかし分解されにくく、海や川に流出して環境汚染の原因になっている。

世界全体では年間に約1300万トンが海流出して、微生物が付着した状態で海底に沈んでいるとされる。

欧米で規制の動きがあるが日本では規制が遅れている。

欧州連合では2030年までに使い捨てプラスチック製品の使用を禁止する方針。

紙製品のほか、自然環境で分解される生分解性プラスチック(=バイオプラスチック)も代替品の候補にあがっている。

海底など酸素が少ない嫌気性と呼ばれる環境でも分解が進むことも必要とされる。

バイオプラチックには植物由来のものと、石油など化石資源由来のものがある。バイオプラスチックという場合は

基本的には植物由来の原料を使ったという意味が含まれている。現在のところはコスト的に数倍高くなることが

普及のネックになっている。レジ袋や食器などに使われている。

コスト的には紙製のストローは5円程度のものが、プラスチックだと1円以下だとされる。

基本的にストローを廃止する考え方もある。

使い捨ての食器、マドラー,綿棒も販売規制の動きがある。

レジ袋もやりだまにあがっている。買い物袋を普及させる、あるいは辞退を促す

等の方法も指摘されている。

研磨剤や化粧品にもプラスチック型微粒子が使用されており、この対策も急がれている。


4年ゼミ卒論要件

2018-09-27 15:55:30 | Area Studies

   前期は進路を固めることが最重点です。
 進路については、自分の方針、途中の相談、確定の報告等を必ずしてください。
 ゼミについての書き方の例 金融の基礎的知識の勉強と企業研究とを合わせて行う福光ゼミに所属した。企業研究ではあわせて年間30社以上の企業を扱い、発表と質疑を繰り返した。ゼミでの発表はプレゼンのトレーニングとして有効であったほか、さまざまな業種の企業をみることは知見を広げることにつながった。(この企業研究で△△を担当したことは●●に注目するきっかけになった。)

卒業論文についての注意
 まず一般的な注意として、指導を受けずに無断で提出してはいけません。テーマの選択、進め方、中間の報告、提出前の確認など論文指導を必ず受けてください。
 進路が固まった人から順次 卒業論文の準備について作業には入ることを考えています。
 卒業論文の準備作業とは論題を模索すること 平行して文献や資料を集めることです。文献資料を集められることをテーマとすることが大事です。逆にいえば資料を集めてみて、資料集めに困難があるテーマはそれでよいか考え直しましょう。自分が考えたテーマについて、検索して関連論文がたくさんみつかるようなら、皆さんの問題設定自体は正しく設定されています。だが他方で自分なりのオリジナルな考え方や、着想にもこだわってください。そこが皆さんが作り出したところです。どこまでのことがすでに指摘されているでしょうか。皆さんの指摘はどの部分がユニークでしょうか。

 論題が固まった人は卒業論文の実際の作成です。これについては仮説として証明したいこととそれを論証するプロセスを考えます。仮説を立てるためにはまずは資料を読み込む必要があります。そのうえで仮説をたてて自分でそれを検証する作業に入ります。

 このよう仮説―検証というのは一つのパターンです。このほかに事実の経緯を調べる
という書き方もあります。あるいは謎とか不明な点を究明するという書き方もあります。
一般的に論文では仮説―検証という書き方が好まれます。論文では一般的に新たな事柄を明らかにすること(この場合は仮説の証明)が、評価されます。
 つぎに卒業論文では、ルール(形式要件)を厳守してください。形式要件は提出日 提出場所等の厳守など経済学部のルールと、私のゼミ独自の内容についてのルールとがあります。ゼミ独自の基準(ルール)とは以下のようなことがらで昨年と同様です。枚数要件(毎年異なります A4で30枚以上 そのなかで自分自身で考えて書いた文章が20枚以上あるように, つまり半分以上は自分の言葉で構成するものとします)。なお1ページの字数は40字×30行=1200字を基本にします。
 提出は代理提出は認められていませんので、そこも注意してください。
 卒論を作成するには論じる内容を明確にする必要があります。論理構成といいますがどのように考えることで、どのような結論が導けるか、理屈をよく考えてください。これを逆にいえば証明すべき仮説を検討してたてます。それがどのようにすれば証明できるかを考えて論文を構成してゆくのが一つの方法です。では仮説はどうしたらでてくるでしょうか。思いつきもいいですね。いろいろ仮説を考えて資料を読んで絞り込んではどうでしょうか。途中で結論が変わっても構いません。大事なことはそうした試行錯誤を経て、確かな結論にたどりつくことです。
 すべて本論を書き終えたあとに、あらためて最初にそのテーマを自分が選んだ理由としてどのような背景があるかを自分の言葉で説明するといいでしょう。最後に自分が明らかにしたことなど評価できる点を述べます。そして一番最後に、明らかに出来なかったことや作業としてできなかったことなど反省点を述べます。なおテーマの設定 資料の集め方 書き進め方など 折に触れて相談にきてください。最後の段階でなおすのは大変なので、作業途中で進展の報告にきてください。少なくとも2~3回提出前に顔を出して、話し合うようにしてください。それと書いた文章を一度は見せてください。短い文章でもちょっと見せてもらえると多分いろいろアドバイスできると思います。
 最小限の形式について ページを打つこと 目次を作ること 
 最小でも はじめに 本文 あとがき の3部分に分けること
 使用した参考文献(その書き方は別に説明します)の項目を立てること
仮説検証のルール
 自分の意見を書くときはその客観性の証明を考えてださい。証明(検証)には文書(専門家Aもこう言っている)や
アンケートをとる、統計やグラフを利用する、財務諸表をみる、統計を加工する、歴史をたどる、等いろいろな方法があります。大事なポイントは、ほかの人もその事実を確認できるかどうかという点です。
 統計に関しては数字をどのように処理しているかは注目される点です。趨勢をみたり、数式(モデル化)して相関をとってみたり、といった点はよく問題になります。数値間の因果関係もよく問題になりますがそのためには、統計学にしたがった分析、仮説の検証が必要になります。
 内容 まる写しや転載に自分の名前を付けたものは認められません。
 また 転載(引用)をつなぎ合わせたもの 組み合わせたものも 不可です。
論文の評価
 オリジナルな文章が多いことは高い評価になるポイントの一つです。主張検証されている点がユニークであることも高いポイントになります。論文というのは知的な成果物ですが、成果というには新しいことが大事で、過去の他人の言説の受け売りではあまり評価を得られないわけです。自分なりの言葉で、どれだけあらたな知見を開いたかが勝負どころです。ですから自分の言葉が多いほどよいわけです。もちろん、文章の巧拙や、論理の運び方などにおいて、失敗していない(破綻していない)ことも大事ですね。
 以下 引用について説明しますが、先生によっては引用だらけの論文を論文ではない、という人もいます。それは知的になにも新しいことを作り出していないということを、指摘しているわけです。

引用(転載)のルール
 引用は構いませんが どこから引用したかを明記をしてください。また少なくとも半分以上は自分で書いた言葉で構成してください(引用はしても半分以下にすること)。
 引用が長くなることは 構いませんが その出典を明記して 前後にその引用文についての なぜ引用したのか その引用文を どう読み取るのかの説明をつけてください。
 内容のところにも書いたように、まる写しや、引用を組み合せたものは自分で書いたものではないので、認められません。引用については出典を明記すること、かならず自分の言葉で、引用する意味付けをすること、などのルールを守ってください。
 出典はできるだけ、オリジナル文献からします。もともと引用文献の場合はその本来の原典に戻って文章を確認します。統計についても、できるだけもとの統計に戻って数字を確認します。

2018/04/07(2018/09/27更新)