あなたはそっと手をあげた
思い切り別れさえあらわせない愛に
あなたを閉じこめておく辛さに
わたしはこの愛を捨てたい思いに倒れかけた
だが思い出のなかに凍てつく自信も
思い出を燃やしつくす確信もなく
腕ぐみをしたもの想いが
わたしを遠く走り去った電車に
瞳を投げつづけるだけにとどめさせた
激しい哀しさが
ふりそそぐ光のなかに
暗い腹をみせて一回転した後に
わたしの心の深みに溜息をおとした
塚原将『閉ざされた愛』より
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