目をとめたような偶然ではない
わたしの想いの瞳が
しっかりと捕らえたのだ
まわりの風景が
消え去った後に
ひとつの人影が残った
時を逆上る帆舟は
舟足を速めながら
透明度を増し続けて
魅かれてゆく哀しみは
急速に強まりなかせらも
わたしの両腕を
ひとつの人影に引き寄せた
わたしはすべてをなくすかもしれない
そうつぶやきながらも
わたしは少年の瞳をした自分に気づいて
愛の旅支度を始めた
塚原将『愛する人よ-あなたと旅ができるなら』より
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