Re:SALOON & VBA

若者よ!! 常に冒険をそして探求を忘れるな!!

自由・責任・誠実……
これが私の基本姿勢
 若者の無気力・無関心・無責任が叫けばれる今日の日本の情況は、アメリカTV・映画界でも同じこと。べン・マーフィーがそんな中にあって、自分なりの独自の世界を築きあげている数少ないスターの一人として特異な存在であることは、日本のファンにも有名だが、その後、最近、多くのファンの質問に答えて、その深遠な思想の一端をのぞがせている。
 「私は、『自由』を熱愛するようなファンにまず、一目を置くことにしているんです。『自由』こそが、常に私が求めてやまなかった最終目標なのですからね……。でも『自由』は決して楽なものではありません。自動的に与えられた特権などと考えるのは誤りでしょうね。余りにそれは子供じみていますよ、何度も何度もくりかえすことによって,はじめて『自由』は獲得しうるものです。自分の生活をすこしでもよりよいものにしようとする意志を持っている人間が、それを実行するときはじめて『自由』は扉を開くんです……。現在の自分の生活に満足してしまうタイプの人間にはわからないことですが……」。
実にこれは、カンサス州の小さな田舎町にうまれ各地を転々とする中で、つねに冒険心と探究心を失うことのなかった彼が、身をもって把みとった結論なのである。ベンは『自由』について、さらに熱っぽく語っている、「自分が『自由』であろうとするなら、自分の行動にかならず『責任』をもつのでなければならないと思います。そして、『責任』をもつためには、それなりの勉強もしなければならないわけですよ。それと『誠実』であることですね。自分が『自由』であろうとするのと、同じように他の人も考えているわけですから、いろんな衝突もうまれてくるでしょう。その時、『誠実』に相手の立場も考えるのでなければならないということです。けっして、自分の意見を他人におしつけたり、自分のからに閉じこもってしまうことがないようにね…」。


個性を大事に……
ピートは私の目標だった
『自由』について、まくしたてる彼は、確かに個性的人物の多いTV,映画界でも珍しいほどの強烈な個性の持ち主だ。しかもそれは決して浅薄なものではない。いくつもの大学で勉強を重ね、本をよみ、そして実践するなかで把みとった自分なりのしっかりとした見解に裏付けられている。ともすれば、哲学的思索にふけると、空語的になり観念的になるものだが、彼は、それをはっきりと否定する、「お金は必要です。もちろん、お金が目的ではないし、私自身、お金に固執するわけではない。実際に自分でお金をかせいで、生活することは大変なことなわけですよ。ようするに『根なし草』ではいけないということだと思います。よりよい生活をもとめる意志は現実生活のなかから生まれてくるものだし、また、そうでなければならないと思いますね……」。
 彼自身が個性的であるのと同様に、彼が尊敬するのもまた、きわめて個性的な人物だ。「私にとっての理想の人物というか目標は、まず、私の両親でしょうね。私が13のとき、二人は婦人服店をはじめたんですが,二人とも読書家だったし、店をやるなんてことははじめてなのに努力していましたよ。自分が転々と大学をかえて学費が必要なときでも、半分は負担してくれましてね、だからといって一応の成功をなしとげた私におんぷしようなんて気もないわけですよ」二人は、今でも、その洋装店を経営し、そこに住んでいる。
 「俳優にではジェームス・ディーン、ポール・ニューマン、そして.あのピート・デュエルです。確かにピートはおしい人物だったと思います。私のような者が彼と共演できる機会に恵まれて、しかも、彼の最後の演技を共にしたわけでしょう。この上もない幸せですよ……。ピー卜は、読書家でもあったし、よく働いた。俳優として、余りに彼は純枠すぎたのかもしれないですね。ある意味で、私は彼が自殺した原因がわかるような気がするんです。けっして自分をごまかすことのきらいな男だったし、それなりに責任感もまた強かったわけですからね……。私も、自分をごまかすことができない男だから、彼の気持ちはよくわかるんですよ、劇中のカーリーとへイズの友情関係は、私生活の面でも、私達二人の間にあったと思いますよ……」。


何にでもチャレンジレンジを……
冒険心あるファンを大歓迎
 彼をささえるものは、一体なんなのだろうか。はっきりと彼は「つねに冒険心と探究心を失ず、なんにでもチャレンジしてみることだ」と断言する。私は他人がいうほどに論理的な男ではありませんからね。何でも自分で、試して、「なっとくがいくまでとことんやってみるわけですよ。こうして得た結論は、そうそうくずれるものでありません。私の人生観も、現在の俳優としての地位も、趣昧も読書も、こうして、築きあげてきた一つの結論なんです。だからこれからもいくらでもかわる可能性を秘めているわけですね。無限の可能性を信じて、最大限の努力をする。これが私の基本姿勢です。そのために冒険心、探究心をつねに失なわないということです。まえにいった『自由』、これは、ここにつながるものですからね。だから、冒険心にみちあふれたファンの質問には、私なりに精一杯、答えようと思っています」。
(『テレビジョンエイジ1973年10月号』より)
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