みごとな紅色の椿「赤角倉」。千重咲きで、花芯の雄しべはみえない。高芯咲きのバラを思わせる整った咲きっぷりだ。江戸初期からある伝統的な品種。
(2020-02 東京都 神代植物公園)
「赤角倉(あかすみのくら)」は紅色の千重咲き、割しべの中~大輪。花期2~4月。
樋(とい)状の花弁が厚く重なり、花心に近づくに従い順次小さくなり盛上がる。「角倉椿は素庵(そあん)が不思議に思って手に入れ、植え置いた木」として、本種に近い紅色、千重咲きの花が江戸初期の「百椿集」で紹介されているそうです。
素庵は、角倉了以(すみのくらりょうい:安土桃山~江戸前期の朱印船貿易家で京都と大坂を結ぶ高瀬川運河の開削を行った土木事業家)の息子で、豪商にして茶人・書家・愛椿家。