野の花 庭の花

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生垣で満開だったネズミモチ(20-099)

2020年05月28日 08時34分03秒 | 

イボタノキかなと思ったが、葉の様子からみてネズミモチの斑入りの品種だろう。生垣で満開だった。遠くからみても枝が真っ白にみえる。突き出した雄しべがかわいい。名前はひどい。「タマツバキ」はまともな名前だが、なぜ椿?という疑問は残る。

(2020-05 川崎市 道端) 

ネズミモチ


ネズミモチ(鼠黐、Ligustrum japonicum)はモクセイ科イボタノキ属の樹木。和名は、果実がネズミの糞に、葉がモチノキに似ていることから付いた。暖地に自生するとともに、公園などに植えられている。「タマツバキ」の別称も用いられる。

特徴
高さ数mになる大型の低木。よく横枝を出して、塊状の樹形になる。茎は灰褐色をしており、その表面に多数の粒状の皮目が出るのが特徴。

葉ははっきりと対生し、長さ4-8cm、楕円形から広卵状楕円形、厚手でのっぺりとしており、表面にはつやがある。葉柄は長さ5-12mm、紫色を帯びることが多い。

花は6月頃に咲く。花序は円錐形で特有の異臭があり、枝先に出て長さ5-12cm、多数の花をつける。花は経5-6mm、花冠は白で、中程まで四つに割れ、それぞれが反り返る。雄しべはこの花冠の裂け目の内の対面する二つのところから出て、花冠の裂片くらいの長さがまっすぐに突き出る。花序が多数出るため、木全体に真っ白の花の塊が散らばったようになり、遠目にもよく目立つ。また、ハナムグリなどもよく集まる。

果実は長さ8-10mmの棒状に近い楕円形で、はじめ緑、後に表面に粉を吹いて黒く熟する。

生育環境
低地や低山の日向に生える。照葉樹林における代表的な陽樹であり、森林内の開けたところや山火事のあとなどに多数見られる。

分布
日本では本州・四国・九州・琉球列島に広く見られ、国外では台湾と中国から知られる。

利用
観賞価値は低いが安価かつ都市部など日照土質の劣悪に耐える堅強さから、街路樹や生け垣の穴埋め(植えつぶし)として利用される。 やや寒さに弱いため、利用は関東以西が中心。 日干しした熟した実は漢方薬の女貞子(ジョテイシ)として滋養強壮目的などに使われる。 フクロモチ var. rotundifolium は葉が丸くなり、枝が詰まって生じるもので、園芸品である。ただし近年は後述のトウネズミモチもよく使われる。

分類
日本では同属にイボタノキなどがあり、似たような場所に生えるものもあるが、ほとんどは落葉性であり、この種のような厚ぼったい葉を持つものではないため、区別は簡単である。

ただし、中国原産のトウネズミモチは非常によく似ているうえ、あちこちで栽培されることが多いため、混乱を生じている。葉を裏から日にかざして見ると、本種は葉脈が透けて見えない(トウネズミモチは葉脈が透けて見える)。また、本種の果実は楕円形である(トウネズミモチの果実は球形に近い)。しかし、特に葉だけでの区別は困難で、またトウネズミモチが野外に出る様子もあるため、やっかいなことがある。

その他
この植物は、枝を枯らすとすぐに葉が脱落する。押し葉標本ではまず一枚の葉も残らない。離層が出来る前に殺そうと薬品処理すると、その時点で葉が落ちることさえある。



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