今月20日のことになるが、南極海に出かけてる「調査捕鯨」団と Sea Shepherd が今シーズン2回目の対決を行った。
その際、「調査捕鯨」団の船に給油を行うために サン・ローレル号(Sun Laurel:韓国船籍、IMO番号 9405631)がいた。
この Sun Laurel 号に関して、少し前まで Sea Shepherd の総帥だった ポール・ワトソン(Paul F. WATSON)船長が意味深なことを述べていた。
・Our New Friends on the Whaling Fleet Tanker Sun Laurel (2013年2月21日 seashepherd.org.au)
WATSON 船長によると、「調査捕鯨」団の本体(?)である日新丸と Bob Barker 号と Sun Laurel 号が接近・衝突した際、Sun Laurel 号からメッセージ入りのビンが投げつけられたらしい。
以下、2013年2月21日分 seashepherd.org.au『Our New Friends~』からそのメッセージに関して述べた部分を(略
---- 以下引用 ----
(中略)
During the collision one of the Filipino seaman on the Sun Laurel tossed a bottle to one of the Sea Shepherd crew on the Bob Barker.
The note read: “To Research ship. Please: ‘May Day’ ‘Help’ All crew did not know to this Antarctic trip. So all crew don’t like to supply this fishing vessels. We cannot use telephone so we cannot speak to IMO. Please you as soon as possible catch action. Thank U.”
They also included a note with an order from their captain saying that the crew were denied access to the telephone from January 20th to February 28th.
The frightened crew did not know they were going to Antarctica and were completely cut off from the world.
They could not contact the IMO about their situation, or even their families.
Some of the crew on the Bob Barker tossed six Sea Shepherd crew T-shirts to the Sun Laurel crew and cheered when the Filipino crew put them on.
(以下略)
---- 引用以上 ----
Sun Laurel 号の乗組員が喜んだのは、単に Sea Shepherd の T-シャツをもらったからという説もあるけど・・・。
こういう話を WATSON 船長が持ち出したのは、20日の接近・衝突に関して「調査捕鯨」団側の責任を強調する狙いがあるかと。
「調査捕鯨」団が、Sun Laurel 号のことについてあまり言及できないのを計算に入れた上で。
つ~のも、南極海「調査捕鯨」に関与してるタンカーなり補給船について「調査捕鯨」団には前科があるため。
数年前まで、「調査捕鯨」団の燃料や鯨肉運搬を行っていた オリエンタル・ブルーバード号(Oriental Bluebird:パナマ船籍、後に第二飛洋丸に改名)の扱いがそれ。
この Oriental~、パナマ政府の調査で複数の法律違反をしたことが発覚し 2008年10月に船籍剥奪を喰らった。
が、その数ヵ月後、『第二飛洋丸(Hiyo Maru No. 2)』に改名+パナマ船籍で登録し、2008年分南極海「調査捕鯨」に参加した曰くつきの船。
で、Oriental~の立場について、日本政府は、共同船舶とパナマの某企業が契約を結んだ上で南極海「調査捕鯨」に参加してる、という見解を示していた。
つまり、日本政府は一切関与してない、と・・・。
この件については以下参照(手抜き)
・パナマから船籍剥奪された「Oriental Bluebird」が「Hiyo Maru Two」と名前を変えて調査捕鯨に同行している(2009年1月25日 )
で、Sun Laurel 号の扱いに話を戻す。
これについては、今月20日の件に関する「調査捕鯨」団の片割れである日本鯨類研究所(ICR)の声明が何気に重要なヒントを出していた。
・反捕鯨団体シー・シェパードによる妨害行為(第2報)(2013年2月20日 icrwhale.org)
・ Sea Shepherd vessels sabotage Nisshin Maru refueling and provoke collisions(2013年2月20日 icrwhale.org;.pdfファイル)
以下、2013年2月20日分 icrwhale.org『反~』から冒頭部分を(略
ただし、英語版からも対応部分を(略
---- 以下引用 ----
[以下英語版]
On February 20 around 1100JST until about 1200JST during refueling operations, the
Antarctic whale research (JARPAII) mother ship Nisshin Maru (NM) and her supply tanker were subject to sabotage by the Sea Shepherd (SS) ships Steve Irwin (SI), Bob Barker (BB) and Sam Simon (SmS).
The SI and BB are sailing under the flag of the Netherlands while the SmS has Australian registry.
(以下略)
[以下日本語版]
2月20日午前11時頃(日本時間)から12時頃にかけての間、第二期南極海鯨類捕獲調査(JARPAII)船団に属する調査母船日新丸(NM)への補給船による補給作業に対し、シー・シェパード(SS)妨害船スティーブ・アーウィン(SI号、オランダ船籍)、ボブ・バーカー(BB号、オランダ船籍)及びサム・サイモン(SmS号、豪州船籍)による妨害を受けた。
(以下略)
---- 引用以上 ----
Sun Laurel 号の名前は一切出ていない。
一方、オリエンタル~については ICR の声明とかで名前を出した形跡はあるものの、いかんせん例が少なすぎるのよね。
・調査への妨害>写真 (2007/2008)(icrwhale.org)
・グリーンピースと動物福祉 -「環境保護団体」は南極海で人と鯨に何をしたか-(icrwhale.org)
オリエンタル~を補給船として南極海「調査捕鯨」で使ってた頃から、「調査捕鯨」団は補給船の名前を出したくないことが伺える。
ってのを踏まえると、「調査捕鯨」団がSun Laurel 号の名前を出さないのは、ある意味自然の流れかと。
この辺りは、「調査捕鯨」団が「調査捕鯨」全般の情報公開について消極的なのを踏まえれば納得でき・・・ないか(謎)。
ちなみに、ICR のサイト内を『ローレル』で検索(google の検索)すると、なぜか画面には『調査母船日新丸の補給船サン・ローレル~』と表示される。
が、実際のページでは、『サン・ローレル』の部分が削除されている。
↓その一例。
・調査への妨害>写真>2013.02.20_(2)(icrwhale.org)
↓検索結果(の画面メモ)。
か~な~り曲解すれば、上の検索結果と実際の内容のズレは「調査捕鯨」団における Sun Laurel 号の立ち位置を示してると言える。
正式に「調査捕鯨」団の船舶なのかそうでないのかあいまいという・・・。
なお、WATSON 船長は、Sun Laurel 号の乗組員の労働環境について 国際労働機関(ILO)海事労働条約(Maritime Labour Convention:MLC)違反の疑いあり(ただし、何の条文に違反してるかは言及してない)として、パナマ海事局(Maritime Authorities in Panama)に通報した模様。
以下、2013年2月21日分 seashepherd.org.au『Our New Friends~』から後半部分を(略
ただし、[]内は俺が追加した補足。
---- 以下引用 ----
(中略)
The officers of the ship seem to have little regard for their safety as well, and we saw several members of the crew the nearly get hit in the head with the swinging hook and block on the crane.
None of them were equipped with helmets.
They were mostly a good bunch of young men caught in the middle of an issue that took them into a situation they were not prepared for.
The message from the crew is an indication that the Captain, Owners, and Manning Agents of the crew for the MT Sun Laurel are in direct violation of the Maritime Labour Convention (MLC, 200[6])
The MLC convention, established by the International Labour Organisation (ILO), is a UN body that sets out seafarers' rights to decent conditions of work.
It has been designed to become a global instrument of the international regulatory regime for quality shipping, complementing the key Conventions of the International Maritime Organization (IMO).
We are reporting this to the Maritime Authorities in Panama regarding the violation of the MLC Convention.
This will be our 2nd report- the first one was about the oil pollution incident on the 17th of February.
(以下略)
---- 引用以上 ----
ただし、MLC が正式に発効するのは2013年8月20日なのだが。
もっとも、Sun Laurel 号の所有者が乗組員に対し(パナマの)法律で定められる対策を怠ってたら大変なことになりそうだけど・・・。
2013年2月25日追記:画像表示や リンクがおかしかったので訂正・・・。
その際、「調査捕鯨」団の船に給油を行うために サン・ローレル号(Sun Laurel:韓国船籍、IMO番号 9405631)がいた。
この Sun Laurel 号に関して、少し前まで Sea Shepherd の総帥だった ポール・ワトソン(Paul F. WATSON)船長が意味深なことを述べていた。
・Our New Friends on the Whaling Fleet Tanker Sun Laurel (2013年2月21日 seashepherd.org.au)
WATSON 船長によると、「調査捕鯨」団の本体(?)である日新丸と Bob Barker 号と Sun Laurel 号が接近・衝突した際、Sun Laurel 号からメッセージ入りのビンが投げつけられたらしい。
以下、2013年2月21日分 seashepherd.org.au『Our New Friends~』からそのメッセージに関して述べた部分を(略
---- 以下引用 ----
(中略)
During the collision one of the Filipino seaman on the Sun Laurel tossed a bottle to one of the Sea Shepherd crew on the Bob Barker.
The note read: “To Research ship. Please: ‘May Day’ ‘Help’ All crew did not know to this Antarctic trip. So all crew don’t like to supply this fishing vessels. We cannot use telephone so we cannot speak to IMO. Please you as soon as possible catch action. Thank U.”
They also included a note with an order from their captain saying that the crew were denied access to the telephone from January 20th to February 28th.
The frightened crew did not know they were going to Antarctica and were completely cut off from the world.
They could not contact the IMO about their situation, or even their families.
Some of the crew on the Bob Barker tossed six Sea Shepherd crew T-shirts to the Sun Laurel crew and cheered when the Filipino crew put them on.
(以下略)
---- 引用以上 ----
Sun Laurel 号の乗組員が喜んだのは、単に Sea Shepherd の T-シャツをもらったからという説もあるけど・・・。
こういう話を WATSON 船長が持ち出したのは、20日の接近・衝突に関して「調査捕鯨」団側の責任を強調する狙いがあるかと。
「調査捕鯨」団が、Sun Laurel 号のことについてあまり言及できないのを計算に入れた上で。
つ~のも、南極海「調査捕鯨」に関与してるタンカーなり補給船について「調査捕鯨」団には前科があるため。
数年前まで、「調査捕鯨」団の燃料や鯨肉運搬を行っていた オリエンタル・ブルーバード号(Oriental Bluebird:パナマ船籍、後に第二飛洋丸に改名)の扱いがそれ。
この Oriental~、パナマ政府の調査で複数の法律違反をしたことが発覚し 2008年10月に船籍剥奪を喰らった。
が、その数ヵ月後、『第二飛洋丸(Hiyo Maru No. 2)』に改名+パナマ船籍で登録し、2008年分南極海「調査捕鯨」に参加した曰くつきの船。
で、Oriental~の立場について、日本政府は、共同船舶とパナマの某企業が契約を結んだ上で南極海「調査捕鯨」に参加してる、という見解を示していた。
つまり、日本政府は一切関与してない、と・・・。
この件については以下参照(手抜き)
・パナマから船籍剥奪された「Oriental Bluebird」が「Hiyo Maru Two」と名前を変えて調査捕鯨に同行している(2009年1月25日 )
で、Sun Laurel 号の扱いに話を戻す。
これについては、今月20日の件に関する「調査捕鯨」団の片割れである日本鯨類研究所(ICR)の声明が何気に重要なヒントを出していた。
・反捕鯨団体シー・シェパードによる妨害行為(第2報)(2013年2月20日 icrwhale.org)
・ Sea Shepherd vessels sabotage Nisshin Maru refueling and provoke collisions(2013年2月20日 icrwhale.org;.pdfファイル)
以下、2013年2月20日分 icrwhale.org『反~』から冒頭部分を(略
ただし、英語版からも対応部分を(略
---- 以下引用 ----
[以下英語版]
On February 20 around 1100JST until about 1200JST during refueling operations, the
Antarctic whale research (JARPAII) mother ship Nisshin Maru (NM) and her supply tanker were subject to sabotage by the Sea Shepherd (SS) ships Steve Irwin (SI), Bob Barker (BB) and Sam Simon (SmS).
The SI and BB are sailing under the flag of the Netherlands while the SmS has Australian registry.
(以下略)
[以下日本語版]
2月20日午前11時頃(日本時間)から12時頃にかけての間、第二期南極海鯨類捕獲調査(JARPAII)船団に属する調査母船日新丸(NM)への補給船による補給作業に対し、シー・シェパード(SS)妨害船スティーブ・アーウィン(SI号、オランダ船籍)、ボブ・バーカー(BB号、オランダ船籍)及びサム・サイモン(SmS号、豪州船籍)による妨害を受けた。
(以下略)
---- 引用以上 ----
Sun Laurel 号の名前は一切出ていない。
一方、オリエンタル~については ICR の声明とかで名前を出した形跡はあるものの、いかんせん例が少なすぎるのよね。
・調査への妨害>写真 (2007/2008)(icrwhale.org)
・グリーンピースと動物福祉 -「環境保護団体」は南極海で人と鯨に何をしたか-(icrwhale.org)
オリエンタル~を補給船として南極海「調査捕鯨」で使ってた頃から、「調査捕鯨」団は補給船の名前を出したくないことが伺える。
ってのを踏まえると、「調査捕鯨」団がSun Laurel 号の名前を出さないのは、ある意味自然の流れかと。
この辺りは、「調査捕鯨」団が「調査捕鯨」全般の情報公開について消極的なのを踏まえれば納得でき・・・ないか(謎)。
ちなみに、ICR のサイト内を『ローレル』で検索(google の検索)すると、なぜか画面には『調査母船日新丸の補給船サン・ローレル~』と表示される。
が、実際のページでは、『サン・ローレル』の部分が削除されている。
↓その一例。
・調査への妨害>写真>2013.02.20_(2)(icrwhale.org)
↓検索結果(の画面メモ)。
か~な~り曲解すれば、上の検索結果と実際の内容のズレは「調査捕鯨」団における Sun Laurel 号の立ち位置を示してると言える。
正式に「調査捕鯨」団の船舶なのかそうでないのかあいまいという・・・。
なお、WATSON 船長は、Sun Laurel 号の乗組員の労働環境について 国際労働機関(ILO)海事労働条約(Maritime Labour Convention:MLC)違反の疑いあり(ただし、何の条文に違反してるかは言及してない)として、パナマ海事局(Maritime Authorities in Panama)に通報した模様。
以下、2013年2月21日分 seashepherd.org.au『Our New Friends~』から後半部分を(略
ただし、[]内は俺が追加した補足。
---- 以下引用 ----
(中略)
The officers of the ship seem to have little regard for their safety as well, and we saw several members of the crew the nearly get hit in the head with the swinging hook and block on the crane.
None of them were equipped with helmets.
They were mostly a good bunch of young men caught in the middle of an issue that took them into a situation they were not prepared for.
The message from the crew is an indication that the Captain, Owners, and Manning Agents of the crew for the MT Sun Laurel are in direct violation of the Maritime Labour Convention (MLC, 200[6])
The MLC convention, established by the International Labour Organisation (ILO), is a UN body that sets out seafarers' rights to decent conditions of work.
It has been designed to become a global instrument of the international regulatory regime for quality shipping, complementing the key Conventions of the International Maritime Organization (IMO).
We are reporting this to the Maritime Authorities in Panama regarding the violation of the MLC Convention.
This will be our 2nd report- the first one was about the oil pollution incident on the 17th of February.
(以下略)
---- 引用以上 ----
ただし、MLC が正式に発効するのは2013年8月20日なのだが。
もっとも、Sun Laurel 号の所有者が乗組員に対し(パナマの)法律で定められる対策を怠ってたら大変なことになりそうだけど・・・。
2013年2月25日追記:画像表示や リンクがおかしかったので訂正・・・。
ほう、よく名前を出したなと思ったのを記憶しております。
(削除されたということを今知りました)
↓
調査母船日新丸と補給船(サン・ローレル)の横付け給油を妨害し日新丸に衝突してきたSS妨害船スティーブ・アーウィン(SI)号
http://www.icrwhale.org/eng/130220SS2.wmv
調査母船日新丸を進路妨害するSS妨害船サム・サイモン(SMS)号。向こう側に(左からの順)、ボブ・バーカー号(BB)号、補給船サン・ローレル、スティーブ・アーウィン(SI)号ゴムボート及びSI号が見える
http://www.icrwhale.org/eng/130220SS.wmv
調査母船日新丸の補給船サン・ローレルを囲むSS妨害船。手前からボブ・バーカー(BB)号、スティーブ・アーウィン(SI)号、サム・サイモン(SMS)号。
http://www.icrwhale.org/gpandsea-img409.html
調査母船日新丸の補給船サン・ローレルに船首を衝突させるSS妨害船ボブ・バーカー(BB)号。
http://www.icrwhale.org/gpandsea-img410.html
SS妨害船ボブ・バーカー(BB)号に衝突され損傷した補給船サン・ローレル左舷。
http://www.icrwhale.org/gpandsea-img411.html
SS妨害船ボブ・バーカー(BB)号は調査母船日新丸と補給船サン・ローレルの間割り込もうとして補給船左舷に衝突。
http://www.icrwhale.org/gpandsea-img412.html
SS妨害船ボブ・バーカー(BB)号は調査母船日新丸と補給船サン・ローレルの間に割り込み、日新丸はボブ・バーカー(BB)号と接触。
http://www.icrwhale.org/gpandsea-img413.html
SS妨害船ボブ・バーカー(BB)号は調査母船日新丸の補給船サン・ローレルに衝突し船首を押しつけて横付け給油を妨害。
http://www.icrwhale.org/gpandsea-img414.html
SS妨害船ボブ・バーカー(BB)号が横付け給油をしようとしていた調査母船日新丸と補給船サン・ローレルの間に割り込む。
http://www.icrwhale.org/gpandsea-img415.html
>実は発表当時(たぶん発表してすぐ)はしっかり“サン・ローレル”という文字が入っておりました。
う~む。
ICR のサイト管理・更新を ICR 自身が行ってるのかそうでないのか不明な点が多いのですが・・・。
仮に ICR 自身がサイト管理・更新を行ってたら、今回の現象は起きなかったかもしれませんね。
まぁ、名前を最初から出さなかったとしても、ICR 自身や Sea Shepherd が公開した画像でバレバレなのですが。
そもそも、「調査捕鯨」団がなんで Sun Laurel 号の名前を隠すのか、という疑問は依然として残ったままです。
「調査捕鯨」団にしてみたら、「安全上のため」(誰にとっての?)という名目があるんでしょうが・・・。