世界各国で自社車のリコールを呼びかけたトヨタ自動車日本法人副社長こと佐々木 真一氏が、謝罪会見を行ったのだが・・・。
・トヨタ副社長 大規模リコールで国内初会見、謝罪(2010年2月2日 asahi.com)
・トヨタ:大規模リコール問題 「安全対策を最優先」 経営には影響大--副社長会見(2010年2月2日 毎日jp)
つーか、なんたって副社長が謝罪会見に出てるのか理解できない面もあるけど。
以下、2010年2月2日分 asahi.com『トヨタ副社長~』から、会見内容について触れてる所を引用する。
---- 以下引用 ----
(中略)
佐々木副社長は冒頭、「世界のお客様に心配をかけ、心からおわびする」と謝罪。
米メディアには、豊田章男社長の会見を求める論調もあるが、「この件に一番関与しているのは私。ご容赦願いたい」と弁明した。
佐々木副社長は、1月にリコール発表に至った経緯を明らかにした。
そこからは、米当局主導で大規模リコールに追い込まれた様子がうかがえる。
トヨタは、アクセルペダル部品の不具合の問題を07年、米国での苦情で把握した。
部品は別のものに切り替えたが、更新した部品でも、欧州で不具合が見つかった。
欧州では昨年8月、材質や形状を変えた部品に再更新した。
一方、米国では再更新しないまま、対応を検討していた。
その最中の昨年8月、米国でレクサスの4人死亡事故が発生。
アクセルペダルがフロアマットにひっかかって事故が起きた可能性が浮上し、11月に対応を発表した。
だが、ペダル部品の問題は、残されたまま。
佐々木副社長は「どちらもアクセルペダル周りの問題。NHTSA(米高速道路交通安全局)から『お客様目線で早く決断しては』と忠告された」と、当局に促されたことを明かす。
(以下略)
---- 引用以上 ----
今回のリコール対象車における対応策については以下を参照。
・トヨタ、アクセルペダルに関する リコール対象車両の改善措置内容を発表 (2010年2月1日 トヨタ自動車)
・Toyota Announces Comprehensive Plan to Fix Accelerator Pedals on Recalled Vehicles and Ensure Customer Safety(2010年2月1日 Toyota Motor Sales)
なんだろうな。
なんでトヨタは欧州で問題となった不具合が発覚した際に、米国でもリコールを呼びかけなかったんだろうか?
仮にその時点でリコールを行ってれば、もう少し(ブランド力失墜などの)損害(?)を減らせたかもしれないのにね。
それとも、リコールしてクビが飛ぶのを(日本法人含む)トヨタの幹部が恐れたから?
いずれにしろ謎である。
それと問題なのは、NTHSA の指摘を受けた後にとったトヨタ自動車(日本法人)の対応か。
NTHSA は、去年9月に例の不具合について注意喚起を行ってるんだよな。
・Toyota Owners Are Cautioned About Floor Mats And Accelerator Pedal Interference(2009年9月29日 National Highway Traffic Safety Administration)
その 2ヵ月後に、トヨタ自動車(米国法人)は例の不具合への対応策を公表してる。
・Toyota Announces Fix for Accelerator Pedal Entrapment Problem(2009年11月25日 National Highway Traffic Safety Administration)
で、最初に欧州で例の不具合が見つかってからこの事態に至るまで、トヨタ自動車(日本法人)は一体何をしていたのだろうか?
よもや、世界各国の現地法人と労働組合で生じてる争議よろしく「現地法人のことは現地法人で可決」というスタンスを貫こうとしたのだろうか?
ま、実際は例の不具合情報を把握していたが責任を認めたくなかった、って所だろうが・・・。
この辺には、日本企業が抱えてる問題点も現れてるみたい。
・亀裂が入った日本の「品質神話」<上>海外生産増加で技術・品質管理に弱点(1)(2010年2月3日 中央日報)
・亀裂が入った日本の「品質神話」<上>海外生産増加で技術・品質管理に弱点(2)(2010年2月3日 中央日報
)
中央日報の記事の後半では、日本企業の不具合とリコールまでの対応の遅さについて指摘していた。
以下、2010年2月3日分中央日報『亀裂が入った日本の「品質神話」<上>~』からさ囲碁の部分を(略
---- 以下引用 ----
(中略)
このように欠陥を認めようとしない過信が、大量リコールの背景になっているという指摘が多い。
トヨタに対する消費者の不満はすでに07年からあった。
シャープの冷蔵庫の欠陥も06年から発生していた。
にもかかわらず、世界最高の技術というプライドが消費者の不満を無視する原因になったということだ。
しかし日本企業は海外生産を増やす中で技術・品質管理に失敗し、結局、遅い対応でリコール事態を深刻にした。
日本企業は修理要請に対する反応も遅い。
申し込んでから数日かかる。
官僚的手続きのためでもあるが、製品の欠陥を消費者の過失と見なす雰囲気も少なからず影響している。
---- 引用以上 ----
製品が壊れるのは消費者のせい、って奴か?
それはそうと。
今回のリコール騒動に関しては、「トヨタ方式の品質管理が行き届いていない」云々という意見が結構出てるんだよな。
でもさ、それって下請け企業が(受注条件や納入期限厳守などで)本来トヨタ本社が負うべき負担を背負うことで成り立ってる一面もあるんだよな。
(トヨタ方式の品質管理を支えてるのは、労使協調路線という色んな意味で不可思議な労務対策だが面倒なのでパス)
俺としては、この騒動をきっかけにトヨタ方式の品質管理の問題点(トヨタ本社が負うべき負担を下請け企業に押し付けている)にもっと関心が集まって欲しいのよね。
でも、日本国内(一部国外)メディアの論調からすれば、それとは逆に(トヨタ自動車の各国法人が)トヨタ方式の品質管理を徹底させる方向に向かう可能性が高くなったかと。
なんて事を踏まえると、今回のリコール騒動は実の所トヨタ方式の品質管理を徹底させたいトヨタ自動車の各国法人にとってありがたいんだろうな。
トヨタ自動車全体の売り上げは一時的に下がるだろうが、トヨタ自動車の各国法人にしてみればそれ以上のモノを得られるかもしれないのだから・・・。
・トヨタ副社長 大規模リコールで国内初会見、謝罪(2010年2月2日 asahi.com)
・トヨタ:大規模リコール問題 「安全対策を最優先」 経営には影響大--副社長会見(2010年2月2日 毎日jp)
つーか、なんたって副社長が謝罪会見に出てるのか理解できない面もあるけど。
以下、2010年2月2日分 asahi.com『トヨタ副社長~』から、会見内容について触れてる所を引用する。
---- 以下引用 ----
(中略)
佐々木副社長は冒頭、「世界のお客様に心配をかけ、心からおわびする」と謝罪。
米メディアには、豊田章男社長の会見を求める論調もあるが、「この件に一番関与しているのは私。ご容赦願いたい」と弁明した。
佐々木副社長は、1月にリコール発表に至った経緯を明らかにした。
そこからは、米当局主導で大規模リコールに追い込まれた様子がうかがえる。
トヨタは、アクセルペダル部品の不具合の問題を07年、米国での苦情で把握した。
部品は別のものに切り替えたが、更新した部品でも、欧州で不具合が見つかった。
欧州では昨年8月、材質や形状を変えた部品に再更新した。
一方、米国では再更新しないまま、対応を検討していた。
その最中の昨年8月、米国でレクサスの4人死亡事故が発生。
アクセルペダルがフロアマットにひっかかって事故が起きた可能性が浮上し、11月に対応を発表した。
だが、ペダル部品の問題は、残されたまま。
佐々木副社長は「どちらもアクセルペダル周りの問題。NHTSA(米高速道路交通安全局)から『お客様目線で早く決断しては』と忠告された」と、当局に促されたことを明かす。
(以下略)
---- 引用以上 ----
今回のリコール対象車における対応策については以下を参照。
・トヨタ、アクセルペダルに関する リコール対象車両の改善措置内容を発表 (2010年2月1日 トヨタ自動車)
・Toyota Announces Comprehensive Plan to Fix Accelerator Pedals on Recalled Vehicles and Ensure Customer Safety(2010年2月1日 Toyota Motor Sales)
なんだろうな。
なんでトヨタは欧州で問題となった不具合が発覚した際に、米国でもリコールを呼びかけなかったんだろうか?
仮にその時点でリコールを行ってれば、もう少し(ブランド力失墜などの)損害(?)を減らせたかもしれないのにね。
それとも、リコールしてクビが飛ぶのを(日本法人含む)トヨタの幹部が恐れたから?
いずれにしろ謎である。
それと問題なのは、NTHSA の指摘を受けた後にとったトヨタ自動車(日本法人)の対応か。
NTHSA は、去年9月に例の不具合について注意喚起を行ってるんだよな。
・Toyota Owners Are Cautioned About Floor Mats And Accelerator Pedal Interference(2009年9月29日 National Highway Traffic Safety Administration)
その 2ヵ月後に、トヨタ自動車(米国法人)は例の不具合への対応策を公表してる。
・Toyota Announces Fix for Accelerator Pedal Entrapment Problem(2009年11月25日 National Highway Traffic Safety Administration)
で、最初に欧州で例の不具合が見つかってからこの事態に至るまで、トヨタ自動車(日本法人)は一体何をしていたのだろうか?
よもや、世界各国の現地法人と労働組合で生じてる争議よろしく「現地法人のことは現地法人で可決」というスタンスを貫こうとしたのだろうか?
ま、実際は例の不具合情報を把握していたが責任を認めたくなかった、って所だろうが・・・。
この辺には、日本企業が抱えてる問題点も現れてるみたい。
・亀裂が入った日本の「品質神話」<上>海外生産増加で技術・品質管理に弱点(1)(2010年2月3日 中央日報)
・亀裂が入った日本の「品質神話」<上>海外生産増加で技術・品質管理に弱点(2)(2010年2月3日 中央日報
)
中央日報の記事の後半では、日本企業の不具合とリコールまでの対応の遅さについて指摘していた。
以下、2010年2月3日分中央日報『亀裂が入った日本の「品質神話」<上>~』からさ囲碁の部分を(略
---- 以下引用 ----
(中略)
このように欠陥を認めようとしない過信が、大量リコールの背景になっているという指摘が多い。
トヨタに対する消費者の不満はすでに07年からあった。
シャープの冷蔵庫の欠陥も06年から発生していた。
にもかかわらず、世界最高の技術というプライドが消費者の不満を無視する原因になったということだ。
しかし日本企業は海外生産を増やす中で技術・品質管理に失敗し、結局、遅い対応でリコール事態を深刻にした。
日本企業は修理要請に対する反応も遅い。
申し込んでから数日かかる。
官僚的手続きのためでもあるが、製品の欠陥を消費者の過失と見なす雰囲気も少なからず影響している。
---- 引用以上 ----
製品が壊れるのは消費者のせい、って奴か?
それはそうと。
今回のリコール騒動に関しては、「トヨタ方式の品質管理が行き届いていない」云々という意見が結構出てるんだよな。
でもさ、それって下請け企業が(受注条件や納入期限厳守などで)本来トヨタ本社が負うべき負担を背負うことで成り立ってる一面もあるんだよな。
(トヨタ方式の品質管理を支えてるのは、労使協調路線という色んな意味で不可思議な労務対策だが面倒なのでパス)
俺としては、この騒動をきっかけにトヨタ方式の品質管理の問題点(トヨタ本社が負うべき負担を下請け企業に押し付けている)にもっと関心が集まって欲しいのよね。
でも、日本国内(一部国外)メディアの論調からすれば、それとは逆に(トヨタ自動車の各国法人が)トヨタ方式の品質管理を徹底させる方向に向かう可能性が高くなったかと。
なんて事を踏まえると、今回のリコール騒動は実の所トヨタ方式の品質管理を徹底させたいトヨタ自動車の各国法人にとってありがたいんだろうな。
トヨタ自動車全体の売り上げは一時的に下がるだろうが、トヨタ自動車の各国法人にしてみればそれ以上のモノを得られるかもしれないのだから・・・。