昨日のことになるが、密かに武器貿易条約(Arms Trade Treaty:ATT)という国際条約の調印式が行われた模様。
内容としては、武器の国際取引に関するルールを定めたものらしいが・・・。
・「武器貿易条約」で63か国が署名 米中露は見送り(2013年6月4日 afpbb.com)
色んな意味でコメントに困るこの話。
以下、2013年6月4日分 afpbb.com『「武器貿易条約」~』を全文(略
---- 以下引用 ----
【6月4日 AFP】
米ニューヨーク(New York)の国連本部で3日、武器の国際取引に関するルールを定めた初の国際条約「武器貿易条約(Arms Trade Treaty、ATT)」の署名式が行われ、日本を含む60以上の国が署名した。
米国は初日の署名を見送った。
ロシアや中国が署名する見込みは薄いとみられている。
条約の対象範囲は戦車,装甲戦闘車両,大口径火砲システム,戦闘用航空機,攻撃ヘリコプター,軍用艦艇,ミサイル及びミサイル発射装置,小型武器。締約国は、取引する武器が国際的禁輸措置の対象となっていないか、国際人道法・国際人権法に違反していないか、テロや犯罪組織に用いられる恐れがないかを前もって評価する義務を負う。
同日、アルゼンチンを皮切りに63か国が署名。
主要武器輸出国の英国、フランス、ドイツも署名した。
同条約の発効には50か国の批准が必要で、フィンランドのエルッキ・トゥオミオヤ(Erkki Tuomioja)外相は1年以内には発効にこぎつけたいと語ったが、ロシアと中国が近く署名する見通しはない。
また世界最大の武器・兵器輸出国の米国も、条約案の採択では中心的な役割を果たしながら署名はしていない。
米国の未署名についてジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官は声明文を発表し、「条約文の公式翻訳作業が終了次第、署名する」と説明した。
また米国では、条約が定める規制の多くが、すでに敷かれているとした上で、条約を「不法な通常兵器取引の防止に寄与する重要な努力だ」と強調した。
(c)AFP/Tim Witcher
---- 引用以上 ----
実は、去年7月の段階ではこの条約を巡る交渉は米国などの反対で一旦決裂してるんだよな。
・New conspiracy over Arms Trade Treaty?(Aug 3, 2012)(2012年8月3日 flagburner's blog(仮))
しかし、今年4月になって国連でこの条約が採択された。
以下は、今年3月に行われたこの条約に関する会議で国連人道問題調整事務所(OCHA)のヴァレリー・エイモス(Valerie Amos)人道問題担当国連事務次長兼緊急援助調整官(長い)が行った声明。
・武器貿易条約:緊急援助調整官による声明(2013年4月3日 unocha.org)
・Statement on behalf of United Nations agencies involved in humanitarian action Delivered by Under-Secretary-General for Humanitarian Affairs and Emergency Relief Coordinator, Valerie Amos 21 March 2013(2013年3月21日 reliefweb.int;.pdfファイル)
参考までに、2013年4月3日分 unocha.org『武器貿易条約~』から、Amos 人道(略)調整官が条約に盛り込むべきこととして触れた部分を(略
---- 以下引用 ----
(中略)
まず第一に、想定外のエンドユーザーへの転売も含め、移譲された武器によって国際人道法や人権法の重大な違反行為が行われるかもしれないリスクを、各国がきちんと査定する必要があります。
そしてもし当該武器がそのような違反行為に使用されると思われる、最も重要なというよりむしろ相当程度のおそれがある場合には、関係各国にそのような移譲の認可を控えるよう求めなければなりません。
第二に、当条約は、すべての通常兵器を対象にしなければなりません。
小型武器や武器部品も含まれます。
2011年に国連事務総長が小型武器に関する報告書で述べているように、小型武器貿易の規制は不十分です。
多くの国で、法令や管理システムがなかったり、またあっても実施能力が不十分であることから国際人道法や人権法に違反するような犯罪を犯す者の手にあまりにも容易に小型武器が渡ってしまっています。
第三に、このような条約は弾薬も対象にすべきです。
戦闘行為の継続には、途切れることのない弾薬の供給が不可欠です。
弾薬がなければ、今出回っている武器のストックも使うことができなくなります。
国連事務総長の報告書によれば、特定の武器が武装グループに広く出回っていることは、弾薬の入手しやすさにも関係しているようです。
一般市民に対する攻撃危険度が高まっている状況下においては、弾薬の追加供給を阻むことが先決でしょう。
弾薬の移譲規制は、武器そのものの移譲規制と同じくらい重要です。
第四に、条約には抜け穴があってはなりません。
通過や積み替え、ローンやリース、贈与、仲介やそれに類する取引など、あらゆる形態の武器の移譲を網羅すべきです。
そして「その他機器」に関する義務や、「防衛協力合意」の下での契約履行義務に関しても、武器の移譲として条約の範疇から除外すべきではありません。
(以下略)
---- 引用以上 ----
一応、武器の部品や弾薬に関しては取引規制の対象に入っているのだが・・・(条約第3章、第4章)。
↓条約本文(スキャン画像なので取扱注意)。
・The Arms Trade Treaty(2013年4月3日 treaties.un.org;.pdfファイル)
取引に関しては、思わぬ抜け穴がありそうで怖い(汗)
つか、この条約が実際に発効するには、最低50カ国が批准しないとダメなわけで・・・。
一体それまでに何年かかるんだろうか?
内容としては、武器の国際取引に関するルールを定めたものらしいが・・・。
・「武器貿易条約」で63か国が署名 米中露は見送り(2013年6月4日 afpbb.com)
色んな意味でコメントに困るこの話。
以下、2013年6月4日分 afpbb.com『「武器貿易条約」~』を全文(略
---- 以下引用 ----
【6月4日 AFP】
米ニューヨーク(New York)の国連本部で3日、武器の国際取引に関するルールを定めた初の国際条約「武器貿易条約(Arms Trade Treaty、ATT)」の署名式が行われ、日本を含む60以上の国が署名した。
米国は初日の署名を見送った。
ロシアや中国が署名する見込みは薄いとみられている。
条約の対象範囲は戦車,装甲戦闘車両,大口径火砲システム,戦闘用航空機,攻撃ヘリコプター,軍用艦艇,ミサイル及びミサイル発射装置,小型武器。締約国は、取引する武器が国際的禁輸措置の対象となっていないか、国際人道法・国際人権法に違反していないか、テロや犯罪組織に用いられる恐れがないかを前もって評価する義務を負う。
同日、アルゼンチンを皮切りに63か国が署名。
主要武器輸出国の英国、フランス、ドイツも署名した。
同条約の発効には50か国の批准が必要で、フィンランドのエルッキ・トゥオミオヤ(Erkki Tuomioja)外相は1年以内には発効にこぎつけたいと語ったが、ロシアと中国が近く署名する見通しはない。
また世界最大の武器・兵器輸出国の米国も、条約案の採択では中心的な役割を果たしながら署名はしていない。
米国の未署名についてジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官は声明文を発表し、「条約文の公式翻訳作業が終了次第、署名する」と説明した。
また米国では、条約が定める規制の多くが、すでに敷かれているとした上で、条約を「不法な通常兵器取引の防止に寄与する重要な努力だ」と強調した。
(c)AFP/Tim Witcher
---- 引用以上 ----
実は、去年7月の段階ではこの条約を巡る交渉は米国などの反対で一旦決裂してるんだよな。
・New conspiracy over Arms Trade Treaty?(Aug 3, 2012)(2012年8月3日 flagburner's blog(仮))
しかし、今年4月になって国連でこの条約が採択された。
以下は、今年3月に行われたこの条約に関する会議で国連人道問題調整事務所(OCHA)のヴァレリー・エイモス(Valerie Amos)人道問題担当国連事務次長兼緊急援助調整官(長い)が行った声明。
・武器貿易条約:緊急援助調整官による声明(2013年4月3日 unocha.org)
・Statement on behalf of United Nations agencies involved in humanitarian action Delivered by Under-Secretary-General for Humanitarian Affairs and Emergency Relief Coordinator, Valerie Amos 21 March 2013(2013年3月21日 reliefweb.int;.pdfファイル)
参考までに、2013年4月3日分 unocha.org『武器貿易条約~』から、Amos 人道(略)調整官が条約に盛り込むべきこととして触れた部分を(略
---- 以下引用 ----
(中略)
まず第一に、想定外のエンドユーザーへの転売も含め、移譲された武器によって国際人道法や人権法の重大な違反行為が行われるかもしれないリスクを、各国がきちんと査定する必要があります。
そしてもし当該武器がそのような違反行為に使用されると思われる、最も重要なというよりむしろ相当程度のおそれがある場合には、関係各国にそのような移譲の認可を控えるよう求めなければなりません。
第二に、当条約は、すべての通常兵器を対象にしなければなりません。
小型武器や武器部品も含まれます。
2011年に国連事務総長が小型武器に関する報告書で述べているように、小型武器貿易の規制は不十分です。
多くの国で、法令や管理システムがなかったり、またあっても実施能力が不十分であることから国際人道法や人権法に違反するような犯罪を犯す者の手にあまりにも容易に小型武器が渡ってしまっています。
第三に、このような条約は弾薬も対象にすべきです。
戦闘行為の継続には、途切れることのない弾薬の供給が不可欠です。
弾薬がなければ、今出回っている武器のストックも使うことができなくなります。
国連事務総長の報告書によれば、特定の武器が武装グループに広く出回っていることは、弾薬の入手しやすさにも関係しているようです。
一般市民に対する攻撃危険度が高まっている状況下においては、弾薬の追加供給を阻むことが先決でしょう。
弾薬の移譲規制は、武器そのものの移譲規制と同じくらい重要です。
第四に、条約には抜け穴があってはなりません。
通過や積み替え、ローンやリース、贈与、仲介やそれに類する取引など、あらゆる形態の武器の移譲を網羅すべきです。
そして「その他機器」に関する義務や、「防衛協力合意」の下での契約履行義務に関しても、武器の移譲として条約の範疇から除外すべきではありません。
(以下略)
---- 引用以上 ----
一応、武器の部品や弾薬に関しては取引規制の対象に入っているのだが・・・(条約第3章、第4章)。
↓条約本文(スキャン画像なので取扱注意)。
・The Arms Trade Treaty(2013年4月3日 treaties.un.org;.pdfファイル)
取引に関しては、思わぬ抜け穴がありそうで怖い(汗)
つか、この条約が実際に発効するには、最低50カ国が批准しないとダメなわけで・・・。
一体それまでに何年かかるんだろうか?