今回は、以下の記事に寄せられた Ursaemajpris さんのコメントへのレス・・・。
・2010年 IWC総会:最後の総会? 3(2010年6月26日 flagburner's blog(仮))
以下、コメントへのレス。
>「わざわざ鯨肉を食わなくても良いだろ?」という問いかけに どう答えるのか?
これについては、商業捕鯨復活を狙う人達は、「鯨肉食は日本の食文化における伝統」の一点ばりを続けるしかないと思っています。
なにせ、なんで日本の「伝統」が理解されないのかについて検証をあまり行ってないもので・・・。
>「資源利用の為に、どういう保護をすべきか?」
日本政府としては、アフリカで行われてる(た)ゾウの間引きと同様に大型クジラを間引くつもりかもしれません(妄想)
(小型のイルカ含む)鯨類の生態とか間引いた場合に生じる他海洋生物への影響についての検証が足りないまま行えば、後でとんでもない事態になっても弁明できませんが・・・。
仮に商業捕鯨復活を狙うなら、この辺りの検証結果を説明する必要があると思います。
ただ、
>非致死的調査云々も、そう言うのならやれば良いと。
そもそも IWC の議論自体が「結果ありき」で行われてる以上、非致死的調査といえども反捕鯨国がそこに商業捕鯨復活への伏線という疑いを持たれてもやむをえない部分があるんじゃないでしょうか?
一番大事なのは、IWC での議論を「結果ありき」で行わないようにすることだと思われますが・・・。
>日本の調査捕鯨(体制)自体の是非
>捕鯨賛成派はこういう問題には、あまり興味が無いようで。
「迷惑行動する保守」辺りが代表格ですね(謎)
これは、最初のレスに通じるものがあるかもしれませんが、「議論はすでに決着済み、以上」という論調になってるのかもしれません。
裏を返せば、「調査捕鯨」への批判そのものをタブーにする論調でもありますが・・・。
>「捕鯨を続けるために大事な問題」という意見は、捕鯨賛成派からは、まず聞かないですね。
この1つには、日本の「調査捕鯨」への反対を表明する人達の存在が捕鯨賛成派を助けてる(その逆もしかり)「逆予定調和」という構図が非常にありがたいものになってることがあるのかもしれません。
・日本に好都合なのは調査捕鯨の継続 「捕鯨外交のまやかし」が指摘する不毛な論争の背景(2008年2月13日 JanJanニュース)
極論を書けば、「調査捕鯨」が続行するには、むしろ問題が解決されない方が好都合だとすら言えますか・・・。
ちなみに、Ursaemapris さんに紹介していただいた JAMS.TV の記事と、元ネタとなった AAP の配信記事は少し色が違うんですよね。
・「鯨肉より果肉を」東ティモール大統領(2010年6月24日 JAMS.TV)
・Eat fruit not whales: Ramos-Horta tells Japan(2010年6月23日 smh.com.au;AAP)
簡単に書くと、AAP の記事では IWC で東ティモールが非加盟国になってることが記されてるだけでなく、Horta 大統領の発言の掲載順も JAMS.TV と異なってるんですよね。
以下に、Horta 大統領の発言部分を JAMS.TV 版と AAP 版で使われてる部分を(略
---- 以下引用 ----
[以下 JAMS.TV 版]
(中略)
「日本とは友好的な関係を築いているが、人間として、日本人に鯨肉の刺身をこれ以上食べ続けさせるわけにいかない。何故、野菜や果物じゃだめなのか。日本人は、5年間の“鯨肉断ち”をすべきだ」と話した。
(以下略)
[以下 AAP の原文]
(中略)
"Humanity, the oceans, cannot continue to sustain Japanese voracious sashimi appetite," he told the National Press Club today during a five-day visit to Australia.
Dr Ramos-Horta recommended Japanese people try five years on a whale-free diet.
"Why not go vegetarian, why not eat more fruit? We all make sacrifices."
The Nobel-prize winning leader said he was a great friend of Japan, but said it was "irresponsible, excessive on the part of Japanese consumers" to eat whale.
(以下略)
---- 引用以上 ----
日本語版を編集した際に、AAP の原文にあった最後のコメントが抜けてしまってるんですよね。
それより重大な問題としては、Horta 大統領の略歴や東ティモールが IWC に加盟してないという情報が抜けてる所にあるんですが。
日本語版だけ読んだ(+東ティモールに関する最低限の知識を知らない)人は、東ティモールに関する情報がわからないままという・・・。
まぁ、日本語版の編集者がその部分を「関係ない」と判断しただけかもしれませんが。
# こんなんでいいんでしょうか、Ursaemajpris さん?
>なにせ、なんで日本の「伝統」が理解されないのかについて検証をあまり行ってないもので・・・。
私は「食糧確保政策としての(商業)捕鯨」てのが、何で受入れられないのかが分からないんですよね。
頑張ってはいても国内の畜産業は海外と比べるとやはり脆弱ですし、日本が動物性蛋白質を海産物に求めるのは当たり前だと思うんですが。
>一番大事なのは、IWC での議論を「結果ありき」で行わないようにすることだと思われますが・・・。
IWCは捕鯨国と反捕鯨国の調整の場であるはずなのですから、程度はあるにしても捕鯨国の(商業)捕鯨を認めないと、全体としての鯨類保護は不可能だと私は思うんですけどね。
だってIWC加盟=捕鯨不可なら加盟している意味がないですから。
>仮に商業捕鯨復活を狙うなら、この辺りの検証結果を説明する必要があると思います。
今の調査捕鯨は、とりあえず100年ぐらい続けて「これだけ続けてるけど、鯨類の頭数には影響ないよね(増えてるよね)、じゃあ商業捕鯨再開で良いでしょ?」を狙ってるんじゃないかと私は思ってるんです。
こういうデータ(記事)とかも利用して。
【日豪プレス】QLD、ザトウクジラ北上中 前年比10%の頭数増加 http://www.25today.com/news/2010/07/qld_249.php
【毎日新聞】IWC:商業捕鯨再開先送り 世界のクジラ、増加傾向 http://mainichi.jp/life/today/news/20100702ddm013020139000c.html
>日本語版だけ読んだ(+東ティモールに関する最低限の知識を知らない)人は、東ティモールに関する情報がわからないままという・・・。
記載があったらあったで「加盟もしてないくせに」みたいな予断を読者に与えるような気が。
産経とかなら、そういう箇所こそを強調したりしてw