「調査捕鯨」団の片割れである日本鯨類研究所(ICR)の公式サイトには、日本語版と英語版が存在する。
今まで俺は、主に日本語版と英語版における声明の違いとかを問題視してきた。
だが、つい最近になるまで気に留めなかったことだが、英語版のページにはある重大な問題が潜んでいた・・・。
まずは、英語版の TOPページ(の画面メモ)(一部)。
アクセシビリティ的に TOPページのレイアウトはどうなんだ、って話もあるが・・・。
それとは別の重大な問題として、右上にある日本語版へのリンクを示した『日本語』と日の丸の画像ってのがある。
これのどこが問題か?
端的に言えば、『日本語=日本固有のもの』という固定概念を「調査捕鯨」団が持ってることを思わぬ形で露呈したからだ。
その辺りは、『翻訳 / Translate』 という画像にマウスのカーソルとかを合わせた際に出てくるメニューからも伺える。
↓問題のメニュー(の画面メモ)。
イディッシュ語がイスラエルの国旗と対応してるのは、イスラエルに住んでないユダヤ系の人達(特にアシュケナージム)への挑戦?
冗談はともかく。
このメニューは『TranslateThis』というサービスをそのまんま使ってるブツなんだよね(JavaScript 使用)。
実の所、これを使う際にサイト作成者側は国旗の表示有無を設定できるのだが。
この辺りについて、ICR のサイト作成者はどこまで調べてたのかという話だけど・・・。
結果的に、この件は『言語=国家固有のもの』という固定概念を「調査捕鯨」団が持ってるのを無意識のうちに示した格好かと。
自分達の持ってる価値観で「他者」を判断するのはよくあることとはいえ、ね。
一方、「調査捕鯨」団の宿敵(?)である Sea Shepherd の公式サイトの場合、世界各国にある支部のサイトと特定の国に向けたメッセージが記されてるページを示すパーツが妙な配列になってるんだよな。
↓問題のパーツ(の画面メモ)。
日本語版のページに日の丸を当てるという面では、『日本語=日本固有のもの』という固定概念を Sea Shepherd も(略)
裏を返すと、それがいかに強力かってのを示してるとも言えるが・・・。
なお、今回ネタにした問題に関しては、1996年にヤコブ・ニールセン(Jakob NIELSEN)氏が公開した『国際ウェブユーザビリティ(International Web Usability)』というコラムの補足記事『国旗の問題(Flag Problems)』で指摘されている。
・国際ウェブユーザビリティ(1996年8月1日 usability.gr.jp)
・International Web Usability(1996年8月1日 useit.com)
・国旗の問題(1996年8月1日 usability.gr.jp)
・Flag Problems(1996年8月1日 useit.com)
参考までに、1996年8月1日分 usability.gr.jp『国旗の問題』を(略
ただし、原文も引用しとく。
---- 以下引用 ----
[以下原文]
The problem with using flags as symbols for language choice is that some languages are spoken in many countries.
For example, using an American flag for the English language understandably makes the British upset (they invented the thing, after all) and also irritates Canadians and many others.
Of course, using a Canadian flag wouldn't work since many Canadians speak French.
The recommended solution is to use flags that match the geographical location of the service and its main intended audience.
For example, a tourist site in Continental Europe would use a British flag for English unless it was mostly targeted at American tourists, whereas a tourist site in the Americas would use a U.S. flag unless it was mostly targeted at Europeans.
I have seen the English flag used once, but would generally recommend against this seemingly neutral choice since few people outside the U.K. know the regional flags for England, Scotland, etc.
[以下日本語版]
言語選択のシンボルとして国旗を利用するのは問題がある。
というのは、ひとつの言語が数多くの国で使われている場合があるからである。
例えば、英語のシンボルとして合衆国旗を使うと、イギリス人が怒るのは目に見えている(いずれにしろ、そもそもの発明者は彼らなのだから)。
カナダ人をはじめとして、他にもイライラする人はたくさんいるだろう。
もちろん、カナダ国旗は使えない。
かなりの国民がフランス語を使うからだ。
お薦めできる解決法としては、そのサービスと、想定ユーザ層の地理的な位置に合った国旗を使うことだ。
例えば、ヨーロッパ大陸の旅行者向けサイトなら、英語を表すのに英連合王国旗を使う。
これはもちろん、そのサイトのメインターゲットが合衆国の旅行者でなければの話だ。
かつて、イングランド旗を使っているサイトを見かけたことがあるが、これは一見、中立的に見えるものの、一般的にはお薦めできない。
英連合王国以外の人で、イングランドやスコットランドといった地域別の旗がわかる人はめったにいないからだ。
---- 引用以上 ----
16年前のこの指摘が今も当てはまること自体、いかに『言語=国家固有のもの』という固定観念が根強いかを物語ってるかと。
今まで俺は、主に日本語版と英語版における声明の違いとかを問題視してきた。
だが、つい最近になるまで気に留めなかったことだが、英語版のページにはある重大な問題が潜んでいた・・・。
まずは、英語版の TOPページ(の画面メモ)(一部)。
アクセシビリティ的に TOPページのレイアウトはどうなんだ、って話もあるが・・・。
それとは別の重大な問題として、右上にある日本語版へのリンクを示した『日本語』と日の丸の画像ってのがある。
これのどこが問題か?
端的に言えば、『日本語=日本固有のもの』という固定概念を「調査捕鯨」団が持ってることを思わぬ形で露呈したからだ。
その辺りは、『翻訳 / Translate』 という画像にマウスのカーソルとかを合わせた際に出てくるメニューからも伺える。
↓問題のメニュー(の画面メモ)。
イディッシュ語がイスラエルの国旗と対応してるのは、イスラエルに住んでないユダヤ系の人達(特にアシュケナージム)への挑戦?
冗談はともかく。
このメニューは『TranslateThis』というサービスをそのまんま使ってるブツなんだよね(JavaScript 使用)。
実の所、これを使う際にサイト作成者側は国旗の表示有無を設定できるのだが。
この辺りについて、ICR のサイト作成者はどこまで調べてたのかという話だけど・・・。
結果的に、この件は『言語=国家固有のもの』という固定概念を「調査捕鯨」団が持ってるのを無意識のうちに示した格好かと。
自分達の持ってる価値観で「他者」を判断するのはよくあることとはいえ、ね。
一方、「調査捕鯨」団の宿敵(?)である Sea Shepherd の公式サイトの場合、世界各国にある支部のサイトと特定の国に向けたメッセージが記されてるページを示すパーツが妙な配列になってるんだよな。
↓問題のパーツ(の画面メモ)。
日本語版のページに日の丸を当てるという面では、『日本語=日本固有のもの』という固定概念を Sea Shepherd も(略)
裏を返すと、それがいかに強力かってのを示してるとも言えるが・・・。
なお、今回ネタにした問題に関しては、1996年にヤコブ・ニールセン(Jakob NIELSEN)氏が公開した『国際ウェブユーザビリティ(International Web Usability)』というコラムの補足記事『国旗の問題(Flag Problems)』で指摘されている。
・国際ウェブユーザビリティ(1996年8月1日 usability.gr.jp)
・International Web Usability(1996年8月1日 useit.com)
・国旗の問題(1996年8月1日 usability.gr.jp)
・Flag Problems(1996年8月1日 useit.com)
参考までに、1996年8月1日分 usability.gr.jp『国旗の問題』を(略
ただし、原文も引用しとく。
---- 以下引用 ----
[以下原文]
The problem with using flags as symbols for language choice is that some languages are spoken in many countries.
For example, using an American flag for the English language understandably makes the British upset (they invented the thing, after all) and also irritates Canadians and many others.
Of course, using a Canadian flag wouldn't work since many Canadians speak French.
The recommended solution is to use flags that match the geographical location of the service and its main intended audience.
For example, a tourist site in Continental Europe would use a British flag for English unless it was mostly targeted at American tourists, whereas a tourist site in the Americas would use a U.S. flag unless it was mostly targeted at Europeans.
I have seen the English flag used once, but would generally recommend against this seemingly neutral choice since few people outside the U.K. know the regional flags for England, Scotland, etc.
[以下日本語版]
言語選択のシンボルとして国旗を利用するのは問題がある。
というのは、ひとつの言語が数多くの国で使われている場合があるからである。
例えば、英語のシンボルとして合衆国旗を使うと、イギリス人が怒るのは目に見えている(いずれにしろ、そもそもの発明者は彼らなのだから)。
カナダ人をはじめとして、他にもイライラする人はたくさんいるだろう。
もちろん、カナダ国旗は使えない。
かなりの国民がフランス語を使うからだ。
お薦めできる解決法としては、そのサービスと、想定ユーザ層の地理的な位置に合った国旗を使うことだ。
例えば、ヨーロッパ大陸の旅行者向けサイトなら、英語を表すのに英連合王国旗を使う。
これはもちろん、そのサイトのメインターゲットが合衆国の旅行者でなければの話だ。
かつて、イングランド旗を使っているサイトを見かけたことがあるが、これは一見、中立的に見えるものの、一般的にはお薦めできない。
英連合王国以外の人で、イングランドやスコットランドといった地域別の旗がわかる人はめったにいないからだ。
---- 引用以上 ----
16年前のこの指摘が今も当てはまること自体、いかに『言語=国家固有のもの』という固定観念が根強いかを物語ってるかと。