ラプサンスーチョンは福建省武夷山市桐木関で生産されている紅茶です。日本でも松を燻した香りに魅了された紅茶ファンが多くいますね。
正山小種・松燻小種・Lapsangsouchong など、その時々によって呼び方も記載の仕方も変わります。
英語表記であるLapsang souchong は
松燻小種を福州語で発音したのがそのまま表記になったと言われています。
松(lap) 燻(sang) 小(sou) 種(chong)。
以前福州出身の人に読んでもらったら、確かにそのように聞こえたので、ほぼ間違いないでしょう。
中国国内では以前からそれほど注目されるお茶ではなかったのですが、北京オリンピック前後に、「金駿眉」という紅茶が一気にスターダムに押し上げられたことで、再び語られるようになりました。
この背景については、直接お会いする人には(質問されれば)私が見聞きしたことを織り交ぜながらお話しますが、中国ではネット上でもそのストーリーの外格を知ることが出来ますので、そちらを参考にされても良いと思います。
さて、イギリスではBOHEA(武夷)と呼ばれ愛されたお茶ですが、このラプサンスーチョンの産地、桐木関は現在も武夷山市に属するものの、言語(方言)は武夷山で使われる閩北語ではなく、隣接する江西省鉛山県で使われる「鉛山語」です。その鉛山は緑茶の産地になります。
小種・Souchong、つまりスーチョンは日本語で言う、在来種を意味します。武夷岩茶では「奇種」です。
そんなことからも、本来のラプサンスーチョンとは何か…そのヒントの一端が見えてくるのではないでしょうか?
人の行き来や、情報伝達が何事もなく潤滑に行われやすくなった現代となっては、あまり大したことがないように感じられる方もいるかもしれませんが、中国語は言葉の1つ1つにかなりの情報量が潜む言語ですので、上記のような言葉はこのお茶に関係する、ありとあらゆる場においてヒントとなるはずです。