粗茶淡飯

中国・台湾・日本のお茶に関する色々。執筆者・徳田志保。

2016年鳳凰単叢③

2016-07-21 00:55:12 | 烏龍茶(中国茶・台湾茶)


中国大陸の三大烏龍茶と呼ばれるお茶の中でも鳳凰単叢は、武夷岩茶や安渓鉄観音に比べて普及がかなり遅れていました。

そのせいで、私がこのお茶に関わり始めた2001年。工場に足を踏み入れた2006年頃は他の産地では絶えつつあった烏龍茶の原始的な製法や、その考え方が辛うじて残っていました。当時は業界関係者からは、こんなお茶に関わってどうする…と、色々と言われましたが、今振り返ると、私自身にとって、これは非常にラッキーなことだったのだと確信しています。

2012年頃から、このお茶も徐々に台湾や、東南アジア諸国、中国国内で注目を集めるようになり、上記の人達が積極的にこのお茶を扱うようになったことで、生産者も急速に豊かになって行きました。車を買い、山の下に家を借り、子供に教育を受けさせ、家や工場を積極的に建て替え始めます。

そして今…






工場の製茶機械は勿論のこと、このように日干萎凋するところも、雨天の際の影響を最小限に抑えるべく工夫されるようになりました。

私が初めてウードン村を訪れた2001年の時は民家と、最低限の製茶機械が置かれた小さな工場が山に貼りつくように並ぶ、小さな小さな山村でした。ガスもなく、製茶の熱源もまだ薪、プロパンガスが自由に手に入るようになったのも、ここ4、5年のことです。

そして一昨年「中国農業文化遺産」として承認及び登録完了。昨年から国又は省政府の様々なプロジェクトが開始します。



更に上記の動きに合わせるかのように、古樹の登録及び保護も始まりました。

5年後、10年後…鳳凰単叢は、どのようになっているのでしょうか。個人的には知りたいような、知りたくないような心境ではあります。






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