粗茶淡飯

中国・台湾・日本のお茶に関する色々。執筆者・徳田志保。

日本で良質な烏龍茶が生まれない理由

2016-08-11 01:40:18 | 国産烏龍茶


4月中旬の午後に摘採し、日干萎凋後、17時過ぎにカレイに配置、室内萎凋を行いつつ、20時、22時、0時、2時に揺青を行い、翌朝9時前、殺青をする直前のウードン山の鳳凰単叢の葉っぱです。

栽培を熟知し、烏龍茶を自作したことがある日本の茶生産者でしたら、この1枚の画像だけですぐ、日本で烏龍茶を作ることがなぜ難しいのかがわかると思います。

日本式半発酵茶という言葉が出て来て一定期間が経ちますが、なぜ日干萎凋が必要なのか、何のために夜中に揺青するのか…という基本の基本を軽視しているため、恥ずかしくてとても本場の人に「これが日本式!」と、胸を張って言えないようなシロモノが毎年出来ています。

現時点で、「オススメの日本式半発酵茶はありますか?」と問われれば、私なら即座に「過去も現在もありません。」とお返事するでしょう。大人の事情を抱えているからと、ありとあらゆる売り言葉を尽くして取り繕っても、違うものは違う、ダメなものはダメ。

ユーザーの皆様、美味しい不味いはあくまでも個人の主観的判断です。プロも説得し得るような客観的判断と、具体的な改善策の提示が出来ない内は、生産者さんを褒めたり、けなしたりしないであげてください。結局最後に痛い目に遭うのはあなたの目の前にいる、その生産者さんだと思うのです。