粗茶淡飯

中国・台湾・日本のお茶に関する色々。執筆者・徳田志保。

緑茶の産地で作られる紅茶…宜興紅茶⑥

2016-08-24 06:25:54 | 紅茶(中国茶・台湾茶)

(日月潭紅茶。揉捻後。)


数日開きましたが、
前回に続き揉捻のお話からです。

③ 揉捻(CTCは対象外)

揉捻の加圧は軽く→重く→軽くが原則である。
葉の表面をきちんと壊しつつ、外観は細く、締まった美しさを保つこと。揉捻するとその葉の一部がくっ付き、玉状になることがあるが、必ず解すこと。そうでないと葉温が安定せず品質にムラが出る。発酵は揉捻が始まった時に事実上始まっていると考えて良い。そのため、必ず揉捻作業をする環境を、低温高湿にすること。必要に応じて水を撒くなどの対策が必要。

まだ日本の多くの生産者が、葉をちぎって揉めば水色が赤くなる…と思っていて、揉捻機にパンパンに茶葉を入れますが、必ずそうしなければいけないということはありません。葉の表面組織を傷つければ水色は変わります。そして、水色が赤いことも必要ですが、茶湯の透明度も大切です。これは中国紅茶だけでなく、他国のものも同じだと思います。

日本国内ではまだ緑茶仕様の揉捻機を使用して紅茶を作っているところがほとんどです。それでも大きな問題はありませんが、様々な工夫が必要です。紅茶は緑茶と違って1台の揉捻機上で長く揉みますので、ステンレスの上で葉と機械が長く摩擦をすると品質(味わい、水色など)に悪影響が出ることがあります。ヒルを増やすとか、機械そのものの素材を交換する方法等ありますが、まずは機械にインバーターを付けて回転数を変化させること、そして、揉捻機の圧のかけ方を工夫することでかなり改善されますので、生産に関わる方々には是非試していただきたいと思います。



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