私の研究日記(映画編)

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『ショーシャンクの空に』(CATV) 2回目

2009-08-26 23:28:05 | さ行
製作総指揮:リズ・グロッツァー、デヴィッド・レスター
製作:ニキ・マーヴィン
監督・脚本:フランク・ダラボン
原作:スティーヴン・キング
撮影:ロジャー・ディーキンズ
美術:テレンス・マーシュ
音楽:トーマス・ニューマン
製作:1994年(アメリカ)
時間:2時間23分

 自宅CATVにて鑑賞(6月終わり頃だったか・・・)。

 あらすじ。「1949年、妻とその浮気相手を殺害した罪で終身刑の判決を言い渡されたアンディーはショーシャンク刑務所に収監される。物静かなたたずまいを見せるアンディーだったが、元銀行員の知識と不屈の精神によって、尊厳を取り戻し、そして自らの運命の切り開いていく…」(『映画生活』からの引用)。

 3度目の観賞である。
 この映画ほど説得力のある「希望」という言葉も珍しいと思う。
 「希望を持つことは素晴らしい」というアンディのセリフは、前後の文脈は関係なく、ただこの部分だけを聞いたら、社交辞令のように陳腐な言葉だと感じる。少なくとも私個人からすると、希望を実現するために努力し続けるのは辛いことだし、希望を果たせなかった場合の挫折感は怖い。色々な意味で希望を持つというのは難しいことだと考えているからだ。
 だから「希望を持つことは素晴らしい」などと突然いわれても、「希望の難しさに触れもしないで、希望を持てなんていうなよ」と思ってしまうのだ。

 そういう意味で、この作品で重要なのはレッドの存在。「お前に一言いっておくが、希望は危険だぞ」というセリフが代弁するように、レッドは希望の持つ苦汁を何度も味わってきた人物だが、そのレッドが最後の最後でようやく報われるからこそ、「希望を持つことは素晴らしい」というセリフに説得力がこもっている。この作品の良い所は、そうした希望の辛さと素晴らしさとを描こうという絶妙なバランス感にあるのだと思った。



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