私の研究日記(映画編)

ここは『智に働けば角が立つ』の姉妹ブログ。映画の感想や、その映画を通してあれこれ考えたことを紹介しております。

『ノウイング』(Theater)

2009-09-02 18:51:45 | な行
監督:アレックス・プロヤス
撮影:サイモン・ダガン
美術:スティーブン・ジョンズ=エバンス
編集:リチャード・リーロイド
音楽:マルコ・ベルトラミ
出演:ニコラス・ケイジ、ローズ・バーン、チャンドラー・カンタベリー、ララ・ロビンソン、ベン・メンデルスゾーン、ナディア・タウンゼント
製作:2009年(アメリカ)
時間:2時間2分

 シネプレックス幕張にて鑑賞(7月始め頃)。

 あらすじ。「大学で宇宙物理学を教えているジョンは、ある日、小学生の息子ケレイブが持ち帰った紙に書かれた数字に目を留める。そこには過去に起きた大惨事の日付と犠牲者の数が書かれていたのだ。しかもそれは、50年前に小学校に埋められたタイムカプセルから出てきたものだった。やがて数字に予告された日付に大事故が起きる。さらに数字の最後には、人類がかつて遭遇したことがない大惨事が待っていた…」(『映画生活』からの引用)。




 あらすじからは分からないと思うが、ある意味これ以上ないほどにスケールの大きな作品である。だが、スケールが大き過ぎたのか、物語の焦点がボケてしまっている点は否めない。

 黙示録的な終末と新たな創世記の始まりを描いた壮大なハプニング映画だったようにも思われるし、終末を迎えた人類の絶望や家族愛を描いたヒューマン・ドラマだったようにも思える。実は未知なる存在からのメッセージを巡るスリラー映画だったのかもしれない。

 どのジャンルに置くべきかに思わず迷ってしまうような、収まりの悪い作品の典型といえるだろう。こういう作品は批判も多い。実際、『映画生活』の評価を見ると、点数が50点台。きっと期待を裏切られた人が多かったのだろう。
 でも、ニコラス・ケイジは息子との関係に悩む男やもめの物理学者にピッタリだったし、ジョンの苦悩は独身の私ですら感情移入できた。迫力ある映像も見所の一つといえるだろう。パーツの一つ一つは、そんなに悪い作品ではなかった。何より、個人的には、この映画のスケールの大きさを評価したい。面白いかどうかはともかくとして、一見の価値あり的な作品といえるのではないだろうか。




最新の画像もっと見る