私の研究日記(映画編)

ここは『智に働けば角が立つ』の姉妹ブログ。映画の感想や、その映画を通してあれこれ考えたことを紹介しております。

『オーロラの彼方へ』(DVD)

2008-02-26 11:37:20 | あ行
 名前からしてハズレだと思って見た映画が、実は大当たりだったという経験を、映画ファンの方なら一度や二度ならずお持ちかと思いますが、私にとってそのような映画の代表の一つが『オーロラの彼方へ』です。
 この映画は、オーロラの影響による時空のひずみが作り出した、2つの奇跡についての物語であるといえます。
 一つは、オーロラによって生じた時空のひずみを通じて、1999年の警察官の青年(ジム・カヴィーゼル)と30年前に火事で死んだ1969年の父親(デニス・クエイド)の無線が繋がるという奇跡です。そして、そのことが決して起こるはずのない第2の奇跡を起こします(ネタばれになるので詳しくは述べられません)。特に、私は、初めてこの映画を観たとき、第2の奇跡が起きた最後の場面で、感動の余り鳥肌がたったことを憶えております。
 また、デニス・クエイドの勇敢で優しくタフな父親役も見事で、素直に感情移入することができました。
 この映画は、まだご覧になっていない方に、私が自信を持ってお勧めできる良い映画の一つです。

『君のためなら千回でも』(Theater)

2008-02-24 03:17:00 | か行
 この映画は、最近見た中で私が最もお勧めできる映画の一つです。
 映画の舞台はアフガニスタンで、物語は前半・後半から構成されています。前半は、アメリカへ渡った主人公アミールの、故郷カブールでの少年時代についての回想を描きます。後半では、主人公アミールがタリバン政権下のアフガニスタンへ潜入し、少年時代の親友の息子を救出しアメリカへ連れて行くという物語が展開します。

 映画の詳細については説明を省きますが、個人的に印象に残っているのは、主人公の父親の存在感です。物語前半部では、少年アミール(主人公)にとって畏怖の対象だった父親が、ソ連の軍事侵攻、アメリカでの生活を描いた前半部終盤から後半にかけて、アミールのよき理解者へと変わっていきます。思春期の頃、反発や恐れを抱いていた父親(母親)と、大人になって融和するという経験は、誰にでもあるものと思います。映画では、そうした父親像の変化が見事に描かれておりました。また、父親役のホマユーン・エルシャディ(イランの俳優さんのようです)も、威厳ある気高き父親像と息子のよき理解者としての父親像とを見事に表現しております。主人公の結婚式の場面と父親のお葬式の場面では、私は嗚咽を抑えるのに苦労するほど、涙してしまいました。

 アフガニスタンというと、新聞などのマスメディアが宗教やそれと関連したテロ事件ばかり取り上げますが、映画を見ると、ソ連の軍事侵攻前のアフガニスタンが、アメリカの影響を受けた比較的自由な社会であったということがよく分かります。また、映画ではアフガニスタンの多民族国家としての側面や、それが原因として起こる民族間差別などの社会問題も描かれており、非常に勉強になる映画でもあります。

 前半でアミール(主人公)の親友ハッサンが受ける暴力シーンや、後半でアミールが受ける暴力シーンなど、目を覆いたくなるようなシーンもありましたが、全体として爽やかな感動を得られる非常に良い映画だったと思います。

『海の上のピアニスト』(DVD)

2008-02-23 13:05:04 | あ行
 この映画は、船の中で生まれ育ち、一度も地上に降り立つことなく、船の中で死んでいったピアニストの物語です。
 監督は、ジュゼッペ・トルナトーレで私が最も好きな監督の一人です。
 この監督の作品の特徴として挙げられるのが、物語の所々で流れる印象的で心温まる音楽ではないでしょうか。その例に漏れず、『海の上のピアニスト』でも諸所でこうした音楽が流れます。ストーリーの展開と曲とがとてもマッチしており、曲を聴いているだけで涙が出そうになる非常に良い映画です。

『ライラの冒険 黄金の羅針盤』(Theater)

2008-02-23 12:59:35 | ら行
 試写会(2月22日:青山)にて見てきました。
これからご覧になる方もおられるかと思いますので、評価やネタばらしは避けますが、世界観が壮大かつ複雑な映画で、久々に復習の必要を感じさせる映画でした。

 私は、アマゾンやウィキペディアで原作についてある程度予習をした上で、映画に臨みましたが、それでも場面ごとの意味、個々のキャラクターの役割等、わからない所が多くありました。予習をしてこれですから、予習されなかった方々は、分からない所だらけだったのではないでしょうか。

 原作は全3巻で、『黄金の羅針盤』はその第1巻に当たります。アマゾン、ウィキペディアの説明を読んだ限りでは、『ライラ』世界の全貌が見えてくるのは第2巻『神秘の短剣』で、分からないところろが多いのも原作の構成によるのかもしれません。映画版の続編が出るのは当分先でしょうし、とりあえず原作を買おうと思います。

にほんブログ村 映画ブログへ