私の研究日記(映画編)

ここは『智に働けば角が立つ』の姉妹ブログ。映画の感想や、その映画を通してあれこれ考えたことを紹介しております。

『スラムドッグ$ミリオネア』(Theater)

2009-06-28 23:52:30 | さ行
監督 ダニー・ボイル
製作 クリスチャン・コルソン
原作 ビカス・スワラップ
脚本 サイモン・ボーフォイ
音楽 A・R・ラフマーン
製作 イギリス(2008年)
時間 120分

 京成ローザにて鑑賞(5月5日)。

 あらすじ。「インドのスラム出身の少年ジャマールは人気番組「クイズ$ミリオネア」に出演し、あと1問で2000万ルピーを手にできるところまできた。しかし、これを面白く思わない番組のホストは警察に連絡。彼はズルをして正答を得ていたとされ、詐欺容疑で逮捕されてしまう。ジャマールは警察署での警官の厳しい尋問に対し、正答を知ることになった自分の過去を話し始める。そこには1人の少女を追い続けた彼の人生の物語があるのだった…」(『映画生活』からの引用)。



 貧困と恋、裏切りと失恋。ミリオネアは、そんなどん底の中を生きてきたジャマールがようやくつかんだ転機である。野球に例えるなら、さよなら逆転のチャンスといったところだろう。逆転できるのかどうかと焦らされながらの最後のテレフォンは、一発ホームランさながら。見事な逆転劇にすっかり魅入られてしまった。逆転の美学を見事に演出したような作品である。
 
 もう一つ上手いな~と思ったのが、決して幸せとはいえないジャマールの経験が、クイズの解答に結びついていくという物語の展開。物語中に張り巡らされた伏線が、ポンッ、ポンッ、ポンッ、ポンッと繋がって、とても小気味良かった。こういう物語展開の仕方が自分は大好きである。ジャマールの兄が命懸けで作った偶然が、ジャマールと少女を結び付ける最後の場面では、小気味良いを通り越し、爽やかに感動である。鳥肌が立ってしまった。

 いわずとしれた、2009年のアカデミー賞を総なめにした作品だが、それも納得である。面白かった。


『レッド・クリフ PartⅡ』(Theater)

2009-06-06 23:29:46 | ら行
監督 呉宇森(ジョン・ウー)
脚本 芦葦(ルー・ウェイ)
    鄒静之(ヅォウ・ジンジー)
出演者 梁朝偉(トニー・レオン)、金城武、林志玲(リン・チーリン)、張豊毅(チャン・フォンイー)、
    張震(チャン・チェン)、趙薇(ヴィッキー・チャオ)、胡軍(フー・ジュン)、中村獅童
公開 2009年4月
製作国 中国 香港 日本 韓国 台湾


 シネプレックス幕張にて鑑賞(2009年4月10日)。

 あらすじ。「大軍を率いて赤壁へ進行してきた曹操軍。曹操は疫病で死んだ自軍兵を対岸の孫権・劉備連合軍の元へ船で流し、連合軍に疫病を蔓延させる。これが原因で劉備軍は撤退、だが諸葛孔明だけは赤壁に残った。そんな中、孫権軍司令官・周瑜と孔明はお互いの首をかけての謀略を展開、周瑜は曹操軍2武将の謀殺、孔明は3 日で10万本の矢の収集に成功する。やがて曹操軍に潜伏していた孫尚香が帰還、決戦へ向けて本格的な準備が始まり……」(『映画生活』からの引用)。



 Part1のときは、戦闘シーンでの登場人物達の華麗な個人技が京劇のようで、さすがはジョン・ウー監督と思ったが、Part2は、海戦と火計がダイナミック。大迫力である。戦闘開始とともに夜空に熱風船が舞い上がっていく場面は、思わず「ほぉー!」といってしまいそうなほど映像がきれい。鮮烈でいまだに瞼に焼き付いている。戦闘の迫力だけではなく、映像の美しさもお見事。

 原作が大好きな『三国志』なだけに、ストーリーについてとやかくいうのも気が引けるが、周瑜と小喬の夫婦愛は余計な要素たったんじゃないかなー。登場人物たちがそれぞれ個性豊かで、一人一人が楽しませてくれるので、周瑜と小喬ばかりにスポットが当たるのはもったいないような気がした。

 とはいえ、全体としては、十分楽しませてもらいました。個人的にはPartⅠより、こちらの方が好きかな。

 鑑賞したのが4月の公開初日。随分と時間が経ってしまったので、記憶がだいぶあやふやな状態ではあるが、憶えている限りの感想を書くと、まあこんなところだろう。



『ドーン・オブ・ザ・デッド』(TV)

2009-06-06 23:29:29 | た行
監督 ザック・スナイダー
撮影 マシュー・F・レオネッティ
製作 アメリカ(2004年)
時間 100分
出演 サラ・ポーリー

自宅CATVにて鑑賞(2009年3月末頃)。

 あらすじ。「看護婦のアナは一日の仕事を終え、夫のルイスが待つ自宅へと帰る。いつものように愛を確かめ合い、幸せな翌朝を迎えたそのとき、寝室のドアが静かに開く。それが始まりだった。ドアの向こうに立っていたのは、死人のような顔をした隣家の娘。彼女はルイスの喉を食いちぎり、その血肉を貪り食った。驚愕の事態に呆然とするアナ。次の瞬間、死んだはずのルイスが起き上がり、アナに襲い掛かる。間一髪で屋外へ逃げ延びるアナだったが、そこに広がっていたのは、隣人が銃を向け合い、方々に火の手が上がる、信じ難い光景だった!」(『映画生活』からの引用)

 映画館で1度見ているので、今回は2度目の鑑賞。

 いわずと知れた名作『ゾンビ』のリメイクだが、リメイク前の『ゾンビ』(1978年公開)とくらべて、ゾンビたちが飛んだり跳ねたり走ったりと、やたらと活発。
 まー、ホラー映画もだいぶ洗練されているので、この作品がそれほど怖い映画だとは思わないが、女の子のゾンビが襲ってくる冒頭の場面は恐かったな~。ホラー映画というより、脱出劇として楽しめる作品である。