私の研究日記(映画編)

ここは『智に働けば角が立つ』の姉妹ブログ。映画の感想や、その映画を通してあれこれ考えたことを紹介しております。

『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(Theater)

2009-04-15 23:30:54 | あ行
監督 ペイトン・リード
製作 リチャード・D・ザナック、デビッド・ヘイマン、ダニー・ウォレス
製作総指揮 マーティ・ユーイング、ダナ・ゴールドバーグ、ブルース・バーマン
脚本 ニコラス・ストーラー、ジャレッド・ポール、アンドリュー・モーゲル
撮影 ロバート・イェーマン
美術 アンドリュー・ロウズ
出演 ジム・キャリー、ズーイー・デシャネル、ブラッドレイ・クーパー
製作 2008年(アメリカ)
時間 104分

 シネマックス千葉にて観賞(2009年3月22日)。

 あらすじ。「年前に離婚して以来、カール・アレンの毎日は“NO”の連続だった。銀行の貸し付け担当が仕事だが、ローンの申請を却下し続け、プライベートでも友人の誘いに背を向けるネガティブな日々を送り、結果、昇進の機会を逃し、友情も壊れかけていた。そんな時、旧友ニックに強引に誘われた自己啓発セミナーで、カリスマ主宰者テレンスの迫力に押され、今後は何があっても“YES”と答えると誓いを立ててしまう」(『映画生活』からの引用)。

 鑑賞してから時間がだいぶだっているので、詳しい感想までは思い出せないが、カール・アレン演じるジム・キャリーの弾け方が面白く、とにかく笑ったことだけは憶えている。ジム・キャリーというと、最近見た『トゥルーマン・ショー』を始めとして、『マジェスティック』や『ナンバー23』などなど、シリアスな役柄が板についてきた観があるが、この作品のようなハチャメチャな主人公を演じられるのは、ジム・キャリーだけだろう。まさにジム・キャリーの真骨頂とよべるような作品だ。

 また、人生前向きに積極的に生きようというメッセージは、その通りだと思っていても、真面目で真剣に訴えられると返って鼻白んでしまうものだ。でも、この作品のように滑稽で面白おかしいストーリーの中に紛れ混ませて伝えられると、逆に説得力がある。笑えて、かつ人生に対して前向きになれる。いろんな意味で励まされる作品だと思う。



 ジム・キャリー以外の出演者も、なかなか味のある役者揃い。特にヒロインを演じるズーイー・デシャネルが魅力的だった。「どこかで見たことのある女優さんだな~」と思って調べてみたら、昨年の夏に見た『ハプニング』でやはりヒロインとして出演し、また昨年の2月に見た『テラビシアにかける橋』でも音楽の先生として出演していた。約1年の間にこんなにも見かけていたとは。いま引っ張りだこの女優さんといったところだろうか。

 繰り返しになるが、いろんな意味で励まされるこの作品。良い映画だった。辛い時など何も考えずにこの作品を見れば、きっと元気になれるのではないだろうか。手元においておきたい作品だ。DVDが出たらぜひ購入したい。


『ダイアナの選択』(Theater)

2009-04-14 23:05:44 | た行
監督 バディム・パールマン
原作 ローラ・カジシュキー
脚本 エミール・スターン
撮影 パベル・エデルマン
美術 マイア・ジェイバン
音楽 ジェームズ・ホーナー
出演 ユマ・サーマン、エヴァン・レイチェル・ウッド、エヴァ・アムリ
製作 2007年(アメリカ映画)
時間 90分

 シネスイッチ銀座にて鑑賞(2009年3月15日)。

 あらすじ。「コネチカット州郊外の小さな町の高校で銃乱射事件が起きたとき、17歳のダイアナ(エヴァン・レイチェル・ウッド)は親友のモーリーン(エヴァ・アムリ)と女子トイレでたわいないお喋りに興じていた。そこへ銃を持ったクラスメイトのマイケルが現れ、『どちらかひとりを殺す。どっちにする?』と非情な選択を迫り、ダイアナは『殺さないで』とつぶやくのだった…。15年後、教師をしながら夫と娘と閑静な住宅街に暮らすダイアナ(ユマ・サーマン)は事件の悪夢にいつも苦しんでいた」(『映画生活』からの引用)。



 ネタばれになるので、ストーリーを説明することはできないが、ラストでは、「えっ! そういうことだったの!?」と素直に驚いた。余りにも切なく悲しい。胸の痛む場面だった。ある意味、ものすごく優れたファンタジー映画だといえるのではないだろうか。こういうラストは、評価が賛否両論に分かれそうだが、私個人としてはありだと思う。これまでユマ・サーマンというと、私のイメージは『キル・ビル』から抜け出ていなかったが、この映画を見てようやくイメージが変わりそうだ。映像の美しさも申し分なし。良い映画だった。


『パッセンジャーズ』(Theater)

2009-04-01 00:57:46 | は行
監督 ロドリゴ・ガルシア
製作総指揮 ジョー・ドレイク、ネイサン・カヘイン
脚本 ロニー・クリステンセン
撮影 イゴール・ジャデュー=リロ
音楽 エド・シェアマー
出演 アン・ハサウェイ、パトリック・ウィルソン、デビッド・モース、アンドレ・ブラウアー
製作 2008年(アメリカ)
時間 93分

 シネプレックス幕張にて鑑賞(2009年3月15日)。

 あらすじ。「セラピストのクレアは、飛行機事故で奇跡的に生き残った5人の乗客の、トラウマ的なストレスを治療する役割を突然命じられる。彼女は生存者たちの記憶から浮かび上がる数々の謎を解き明かそうとする。だが、患者たちは自分たちの記憶と航空会社の公式説明の食い違いに悩み、自分たちの記憶も曖昧になってくる。やがて、事故の核心に近づくたびに患者たちが次々と失踪しはじめ、彼女の周辺でも不可解なことが続発し始める」(『映画生活』からの引用)。

 あらすじをよく引用する『映画生活』の平均満足度は48点(2009年4月1日)。決して評価されているとはいえない作品。確かに、心理カウンセラーが飛行機事故の原因に迫っていくという中盤までのストーリー展開と、ラストのドンデン返しとは、結び付きにかなりの強引さを感じる。
 だが、中盤までのストーリーと終盤のストーリーを個々に見ると、そんなに悪くはなかったように思う。生存者の記憶の断片から事故の真相に迫っていくという展開はスリリングだったし、意外なラストは心温まる場面でもあった。こうした点は評価できるのではないだろうか。個人的には十分面白い映画だったと思う。