ファミリー メンタル クリニック

児童精神医学,サッカー,時にテレビや映画、Macのネタ。
要するにひとりごと・・・

Over work

2007年05月28日 | 児童精神医学
ときどきこのblogで出てくるIQの問題。
時々出てくるIQとADHDの問題。
ボクはスーパードクターではないので、分からないことが多い。

IQが低い場合、多動や社会性が身につかないといった症状があってもADHDと診断するには慎重に検討すべきだろう。
(ボクはどちらかというとADHDと診断しないことが多い)
中にはIQから予想したよりも症状が出ているので、ADHDと診断すべきだという医師もいる。
ただ、相変わらずDSMという診断基準でははっきりしない。それでまた途方に暮れるのだ。

・・・ちゃんと県の教育センターでIQを測定し60であれば、そこは軽度ながらも精神遅滞という診断となる。
あくまでも診断学上は。勉強について行けないのはIQと関係しているだろう。
でも親は学校でうまく行かないのは学校に問題があるからとか、他に心の問題があるからではないかと主張することがある。

電話相談の時点ではIQのことはおっしゃっていなかった。
クリニックまで来て話を聴くと、問題行動も同級生と遊べないのも発達遅滞から派生する問題だと思われる。
結果的には、説明しIQの問題が中心だと納得してもらった。
納得してもらうまでかなり時間はかかった。

要は検査データの説明だ。
検査機関で親が納得できるように説明すべきであった。
それが出来てないのであれば、検査をする資格はない。

検査を受けた機関で説明をしてもらって下さいと帰すことは出来る。
電話で予約をとる時に出てこなかった重要な情報が提供されてなかった。
だから、出直してくださいと言うことも可能だ。

とりあえず説明を行うが、本来教育機関で行うべき仕事だろう。
親でなく教育委員会に請求書を出したいくらいだ。自由診療で桁をひとつ増やして。

こんな時は医師の疲労度は高くなる。
セカンド・オピニオン外来をやっている医師はきっと超人だ。

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3 Comments

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「大学教授」兼務の精神科医 (kaetzchen)
2007-05-29 09:57:15
というと,北山修氏がすぐに浮かぶけど,果たして彼らは本業の医者をきちんとやっているのか,疑問に思うことが多い.(今年定年でしたっけ)

うちの公立病院のセカンド・オピニオン外来は,前の院長で,いまは公立大学学長の大先生が週に1回県庁の黒塗りの運転手付きのクルマでやってきます.私たちはそれを「大名行列」と揶揄してますが(笑)

# 私をアルバイト教員に取り立ててくれた人だから,あんまり悪口言えないけど.

学長職も書類との戦いだから,よくまぁ時間が取れるなと感心します.しかも田舎の国道+高速を制限速度ぎりぎりで1時間近くですからねー.
Fatigue (なかまた)
2007-05-29 20:58:38
セカンドオピニオンかもしれないけど・・・
紹介されてきたり,前に治療を受けていた患者さんがいる。
前の医師がどんな説明をしたかどうかはボクの責任の及ぶ範囲ではない。
しかし結果として,0からの説明でなく,マイナス10あたりから説明をしないといけないことがある。
2度手間3度手間となる。
今日も診察が終わると7時半。

たかだか1時間もかからずに説明もおわり患者さんも納得することはボクの技術では不可能に近い。
初見の紹介患者相手に…… (kaetzchen)
2007-05-29 22:59:18
一時間以内というのは「カミワザ」ですよ.

いまちょうどレジデントが各診療科を回ってる所なんだけど,彼らがこのまま残ってくれたらなぁ……,ってため息を漏らす指導医が多いですね.博士号取ったら「専門医の資格が取りやすい」都会の病院へ行く,こんな田舎で過労自殺してたまるかと平気で言う奴も.

精神科医の粗製濫造だけは防ぎたいモノです.