荒廃森林の墓碑（番外編）

　まじめなＡ（見方を変えれば融通がきかない）と、古だぬきＢの実際にあった会話です。


Ｂ　　Ａ君、全国で２箇所ほど荒廃森林の墓碑があるんだ。
　　　一つは東京、もう一つは島根県、
　　　それも今、君といる津和野町にあるんだ。
　　　昼食後に行ってみないか。案内するよ。

Ａ　　行ってみます。よろしくお願いします。

Ｂ　　場所は、永明寺（ようめいじ）だよ。
　　　墓碑には、森林の姓名が書いてあるんだ。

永明寺にて


Ａ　　なるほど「森林　太郎」（しんりん　たろう）
　　　と書いてありますね。

Ｂ　　ところでＡ君、「森鴎外」という人を知っているかね？

Ａ　　聞いたことがあります。

Ｂ　　墓碑を見て何か思い当たることは無いかね。

Ａ　　さあ～

Ｂ　　「森鴎外」は、いわゆるペンネームなんだけど、
　　　本名を知っているかね。

Ａ　　分かりません。

Ｂ　　今、君の目の前だよ。
　　　ヒントは、先ほど君が読んだ
　　　「森林　太郎」（しんりん　たろう）の区切る
　　　場所を変えればどうだろうか。

Ａ　　「森・・・」ですか？

Ｂ　　いいところだね。
　　　目の前の「森林　太郎」（しんりんたろう）は、
　　　「森　林太郎」（もり　りんたろう）と読めると
　　　思わないか。

Ａ　　う～む・・・

Ｂ　　すまん、すまん
　　　でも、東京都と津和野町に「森鴎外」の墓があるのは
　　　本当だよ。

有名な遺言の一説
　　余ハ石見人森　林太郎トシテ死セント欲ス
　　墓ハ森　林太郎墓ノ外
　　　　　一字モホル可ラス書ハ中村不折ニ依託シ
　島根県津和野町の永明寺の墓は、東京都三鷹市の禅林寺から分骨によって建てられたものです。永明寺は森家の菩提寺です。



合掌