東京に出張に来ると、飲みに誘ってくれる先輩がいる。
大学のゼミの先輩でもある彼は、就職して最初に配属された課の
先輩でもある。
スポーツが得意で、何でも率なくこなすイメージがあり、
奥さんと3人の女の子をこよなく愛していていて、家庭では相当
イイパパなのだろうと思う。
毎年頂く先輩からの年賀状には子供らのかわいい笑顔が並ぶ。
先輩んちから来るのはほんとかわいらしい。
そうそう、年賀状に子供の写真のせるときさ、ちょっと考えたほうがいいと思うよ。
ほんと◎わいくない子供の写真多いもん。
その愛されてる奥さんはオイラと同期入社の女性。
そういうのもあってか、よく誘われる。
オイラを飲みに誘う人はすごく少ない。
え、嫌われてるからかな。。。
あんまり好きじゃないメンバと飲むのいやだし。いいんだけど。
で、本題。
その先輩が結婚前に彼女の家に初めて夕食を食べに行ったときの話。
その日のメニューは「すき焼き」。
お肉大好きな先輩は、大喜びだったそう。
でもね、すき焼きに必須のアイテムがない。
もじもじしてたら、皆そのまま食べ始めたんだって。
アイテムって、
そう、
生タマゴ。
必須でしょ。
「すき焼き」には。
ええ?タマゴなしで食べるの?って思ったらしいのだけど、
初めてだし言えずに「牛肉甘煮込み鍋」を頂いたんだって。
だけどやっぱ箸の進みが悪く、どうしたのってむこうのお母さんに
聞かれて、おいしくないと思われてるよりは言ってしまえ!って感じで、
「タマゴいただけますか」って言ったらしい。
不審がられたみたいだけど、生タマゴを一個出してもらったんだって。
皆の視線は一身に変わったつけダレですき焼きを食べる先輩に
向けられ、味はあんまり覚えていないのだといってた。
タマゴお代わりなんて決して出来ないのだろうね。
そして、その日は初のお泊り(効果音:はぁーん)で、次ぎの日。
お昼はカレーだったそう。
お、カレー。今日は安心!そう思ったんだって。
そしたら、家族分のカレーと、生タマゴが一個づつ置かれてたらしい。
いただきますの後、一斉にルーとたまごを混ぜて食べ始めた奥さん一家。
先輩はすき焼きにタマゴは「あり」なんだけど、カレーに生タマゴは「なし」の人で、
今度は何でかけないのって目で一身に視線を浴びてたらしい。
恐る恐るかけて食べたっていってた。
笑えるけど、当人にとっては大変重要なことだと思う。
好きなように食べれないのは辛いよ。
違う地方の人と一緒に暮らすのならいろいろあるのわかるけど、
同じ地元の人でも食生活というか食文化といものが様々あるのだなと驚いたよ。
でもね、愛の力は強かった。
年賀状に映ってる一番上のお姉ちゃん。
その日の晩に仕込まれたのは言うまでもない。
↑妄想だけど間違いない。