今日も1日 犬日和

コーギーとミニチュアプードルが巻き起こすあれやこれやを書いてます

千の風になった日

2008-10-27 23:11:19 | イヴ
10月24日

朝4時頃、イヴの甲高い鳴き声で目が覚めた。
様子を見に行くと、サークルの角の部分で、先に進めなくて鳴いていたのだった。
とうとう認知症の末期状態になったらしい。
真ん中に戻してやると吠えるのを止めて、また歩き出す。
大丈夫かな…とベッドに戻ると、間もなくまた吠える。
繰り返すこと4回。
疲れたのか、ようやく横になり、寝てくれた。

寝不足の朝を迎え、リビングに行くと、もう起きて旋回運動をしていた。
足はフラフラ、食事も水も殆ど口にしない。
それでもかなりの速さで歩き、時々先に勧めなくなり、鳴く。
獣医さんで聞いていたように、キャンプ用の銀マットで円を作ってやったら、ぶつからなくなり、吠えることもなくなった。

午前中の仕事を終え、昼休みで戻ったのが1時前。
イヴはと見ると、サークルの中でうずくまり、ハアハアと荒い呼吸をしていた。
かかりつけの先生に電話をしたけど、休憩時間で連絡が取れなかった。
殆どの獣医さんが休憩や往診の、魔の時間帯だ。
午後の診察は、4時から始まる。
とてもこのまま置いて仕事に行けないので、午後の仕事はキャンセルさせてもらった。

4時まで何とかもって欲しい。
祈るような気持ちで様子を見ながら、書き物をしていたら、息づかいが静かになってきた。
落ち着いて寝るのかな?と思ったら、顔を少しもたげ、ゴフッゴフッと2度むせるようにしたのを最後に、呼吸が止まってしまった。
「イヴ、イヴ」と呼んだが、反応はない。
胸に手を当てると、まだ心臓は動いていた。
ぐったりとしたイヴをバギーに乗せて、3分ほどのところにある、全くかかったことのない獣医さんに駆け込んだ。

病院に着いた時、既に舌の色がどす黒くなっていた。
やっぱり間に合わなかったようだ。
先生も、一目見てもう生きてはいないと思ったようだが、聴診器を入念に当ててくれた。
そして…
「残念ですが…」のひと言。
イヴは11歳と10ヶ月ちょうどで、千の風になってしまった。

12年前に菜々を亡くした時は、まだ7歳だったし、治してやれたかもしれない無念さで涙にくれた。
今回は、治療のすべはないと言われていて、ある程度覚悟は出来ていた。
それに、ここ数日の常軌を逸脱した徘徊は、見るに忍びなかった。
最期までよく頑張ったよね。楽になれてよかったね。
だから、涙は出なかった。

放心状態で自宅に戻り、サークルをきれいにしてイヴを寝かせた。
その頃には、もう死後硬直が始まっていた。
その表情は穏やかで、ちょっとしたら目を覚ましそうにさえ思えた。

夫と主治医の先生に連絡し、火葬の手配をする。
もう少し一緒に居たいので、荼毘に付すのは、週明けにした。