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gayである僕のヘンテコ?な日常。

映画:藍宇 LAN YU

2005年05月30日 | No music No life
 レオンさんが教えてくれた「藍宇 LAN YU」一昨日、amazonから届きました。教えてもらったURLを巡り、あらすじや何枚かの写真を見て、購入することを決めました。

 コメントの返事に書いたように、正直、観るのが怖かったです。同性愛の映画って絶対ハッピーエンドでは終わらない。終われないと言った方が正しいかもしれません。

 きっとYさんのことを思い出し、後輩とのこれからを考えずにはいられないだろうなぁと思いつつもDVDをスタートさせました。

 どんな話かと言えば、

 1988年、民主化への動きが活発化してきた頃の北京。政府高級幹部の長男で貿易会社を経営する捍東(ハントン)。彼はバイセクシャルのプレイボーイ。そんな彼が、地方から北京に来たばかりの貧乏学生・藍宇(ランユー)を買いベッドを共にする。この時の捍東は、あくまで一夜限りの関係と割り切っていたのだが…。そんな二人が北京の街角で偶然の再会を果たす。藍宇は、初めてのセックスの相手となった捍東を慕い、純粋に愛し始めていた。そしてそれは捍東も同じだった。やがて二人は、捍東の家で愛の暮らしを始める。1989年6月4日。些細な諍いから捍東の元を離れていた藍宇は、多くの学生達と共に天安門広場にいた。事件を知った捍東は、銃声響く広場で必死に藍宇を探し続けるが…。

 見終わった後、案の定、号泣。

 色んな場面でYさんとの思い出がフラッシュバックしてきました。そして見終わった後、Yさんの事、後輩の事を考えました。

 この映画に出てくる、「政府高級幹部の長男で貿易会社を経営する捍東(ハントン)。彼はバイセクシャルのプレイボーイ」。Yさんとはちょっと違いましたが、優しく地方から北京に来たばかりの貧乏学生・藍宇(ランユー)を見つめる眼差しは在りし日のYさんの眼差しを思い出させるに十分でした。いつもああいうやさしい眼差しで僕を見つめてくれました。

 写真にあるように映画の中で捍東が藍宇を抱きしめるシーンが何度かありますが、僕もYさんにああいう風に抱きしめられたことがたくさんありました。(Yさんより僕の方が背が高かったですけどね・・・傍目から見れば僕が抱きしめられると言うより、Yさんが僕に抱きついているように見えたかもしれません(笑))
 
 Yさん僕のこと好きだったのかな?(笑)

 Yさんに抱きしめられると、体のチカラが抜けてダラリとなりました。僕はYさんの肩越しに顔を乗せてよくクンクンと鼻を鳴らしました。Yさんがいつもつけていた微かににおうブルガリの香水の香りが好きでした。

 捍東に何度も捨てられ、藍宇がかわいそうにも見えましたが、僕には捍東が同性愛に深入りしていってしまう自分に不安を感じていたように見えました。捍東からいつも別れを切り出していてでも結局、藍宇のことが忘れられなくて捍東からまた近づいていく。

 身勝手な振る舞いに見えますが、捍東の気持ちはいつも藍宇に向いているのが映画を通してわかります。それにしても捍東役を演じている胡軍という役者さん、ホントにやさしい眼差しをしています。色々なサイトを見ていると藍宇役を演じている劉という役者の目で演じる素晴らしさが書いてあることが多かったのですが、なかなかどうして、胡軍の演じる捍東の藍宇を見つめる目も僕はすごく好きです。映画の中にYさんとの思い出とか面影を探しているからかもしれませんね。

 この映画の中のセリフで、いくつか胸にこみ上げてきたものがいくつかありました。

 「記憶に残る間は終わりじゃない」というセリフ。記憶に残る間は終わりじゃなかったら僕は死ぬまでYさんを忘れることはできそうにありません。あの眼差しも、声も、大きな手も、すべてが好きでしたから。おの大きな手でひっぱだかれた事も、あの大きな手で抱きしめられた時の温もりも僕には忘れることが出来ません。

 「愛しすぎないように。そうすれば最後の傷も浅くてすむ。心に誓った。二度と傷つくような恋はしない・・・。」同じ事をYさんが死ぬ間際、思いました。だから後輩の事を好きになるまで8年近く誰も好きにならなかった。失うことが怖かったですから。この8年間、何人かの女性や男性に言い寄られたこともありました。実際、付き合いに発展したこともあった。でも、気持ちはその人には向きませんでした。どこかに彼(Yさん)の面影を探し続けました。そんな付き合いが続くはずもなく、僕のそばから離れていきました。 


 30歳を過ぎて、Yさんの年齢を追い越してしまう歳になりました。今、僕のそばには27歳の後輩がいます。僕が抱きしめても、嫌がらない後輩、ひょっとしたら?なんて思ったりもしますが、未だにそれを怖くて聞き出せずにいます。きっと違うと思う、そんな直感もあります。
 そして、この後輩を愛し始めている自分を認めたくないがために、後輩に冷たくしたり、辛く当たったりすることもあります。後輩に嫌われれば、これ以上深入りしないですむ、失った喪失感を味わうこともなく、傷つくことも無い。そう考えます。でも、気持ちの中は後輩でいっぱいなんです。冷たくされてもあしらわれても、めげずに僕についてくる後輩を見ると、自分は自分勝手なひどい人間だって思うと同時に、人の気も知らないで!って後輩に腹立たしくも思います。

 だから、この映画を見ていると、捍東の気持ちも、藍宇の気持ちもどちらもわかる気がします。
Yさんが好きで仕方ない藍宇の気持ちの僕、後輩がかわいくて仕方ない捍東の気持ちの僕。
 
 同性愛をテーマにした映画ですが、これは人間の普遍的なラブストーリーだと思いました。

 それにしても、映画の中の2人。ホントにつきあってんじゃないの?って思えるほどしかも捍東役の胡軍、カッコイイです。男っぽさが滲んでいます。聞けば2人の年齢は丁度10歳離れているそうです。2人とも180㎝を越す長身。傍目から見ていてもため息の出るようなカップルですね。

 Yさんはこれほど格好良くはなかったですけど僕の中ではカッコよかったんです!(笑)

 色んな事を思い出して、考えて、泣いて気付くと、ウイスキーのボトルが半分になってました・・・。
 
 レオンさん、案の定、深酒してしまいましたよ(笑)でもすごくいい作品を紹介してくれました。これ、僕の中でずっと心に残るものだと思います。ありがとうございます。土日に何度も何度も観ました。捍東役の胡軍の優しい眼差しのシーンは何度も繰り返してみてしまいました。そしてどうしようもなくYさんに逢いたくなりました。

そして今度は、書籍版を読んでいます。映画とはまた違った涙が流れそうです。
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4 コメント

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ボトル半分? 早すぎです (レオン)
2005-05-30 22:43:51
ケンタロウさん、こんばんは。

やっぱり、号泣しましたね。

それに、貰ったばかりの「山崎」もう半分になってるし。



自分もこの「藍宇」何故か何回も見てしまって、

そのたびに泣いてしまいます。

二人とも上辺だけの演技じゃないから見ている方も

入り込んでしまうんだろうなぁって思ってます。



サイトで書いてありました、

「演技」であるとはいえ、愛しあっている「ふり」をするのでは人の心は動かせない。

あくまで映画の中での話だが、自分と胡軍は本当に徹底的に愛しあったのである。と

そして撮影終了後、監督はすぐに二人を呼んでこう言った。

「一刻も早く作品(キャラクター)から離れること。このまま引きずらないように、

しばらくは会わない方がいいだろう」

それほどまでに二人の俳優が「入戲」(役にのめり込んでいる)状態なのが見てとれたからだ。



実際、二人は半年は合わなかったそうです。

ホント「凄い!!」の一言です。



それと、自分もケンタロウさんと同じ台詞が

心に残ってます。

「記憶に残る間は終わりじゃない」って、

実はケンタロウさんの「笑顔の激辛カレー」のコメントでしっかり使わせて頂いています。



それと「愛しすぎないように。そうすれば最後の傷も・・・」です。

自分は、ケンタロウさんと反対に「こんなに人を愛したことないなぁ」って

ここまで自分には、人を愛せるかなぁって、考えさせらます。



そうそう、自分がこの「藍宇」を知ったのはホント偶然でした。

何か恋愛もの(普通の)映画を見たくて、WebでDVDの新作のレビューを見ていた時に

偶然出会ってしまいました。

直感的に、惹かれるのもがあったので即購入してしました。



あと、香港版のほうは日本版より上映時間が長いってことですが

自分もこのサイトで書いてあるぐらいしかわかりません。

http://amei.web.infoseek.co.jp/lanyu/lanyu-index.html

映画では、一緒に風呂入ってシーンや、ボタンを付け直すシーンとか他にも色々カットなっているみたいです。



ただ、DVDは海賊版がいろいろ出回っているようで

それには、監督の意志に反して勝手に未公開シーンを入れて編集したものが

ロングバージョンみたいな感じで売られていたそうです。



たぶん、今回のDVDのメイキングが未公開シーンか

カットされたシーンで構成されたものと思います。



自分でも何で「藍宇」に詳しいのか不思議です。

おそるべし。



書籍版は捍東の内面・心内と言うか、もっと捍東側から見た

藍宇って感じでしょうか?



では、ケンタロウさん、今度はウイスキーのボトルが無くならないように書籍読んで、号泣してください。





また、人のブログに長々と書いてしまった・・・・、すまん
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見たい~。 (てんこ)
2005-05-31 14:19:56
こういう切ない映画イイですよねぇ。

変な言い方かもしれないけど、スキです。

ケンタロウさんの記事読んでて、レオンさんが女の子にもオススメって言ってた理由が分かる気がしました。

それにしても、二人はとっても色っぽいし、カッコイイですねぇ~~。ホレボレ

すごく見てみたいんだけども、ちょっぴり高い・・・

すいません、貧乏人で・・・。

レンタルなんてあるんでしょうか??

んでも、絶対に見てみたいので、レンタルに無かったら、身銭を切って購入検討です!!!

返信する
引きずってます・・・。 (ケンタロウ)
2005-06-01 21:54:26
レオンさん、てんこさんども。

落ち込み激しいケンタロウです・・・。



今週はずっとこんな感じです・・・。

後輩が煩わしいほど心配してくれています。





いつもは僕に心配ばかりかける後輩ですが

こうして後輩に心配させている僕もいたりします(笑)



ここ数日、内容は憶えていないのですが、Yさんと

後輩が交互に出てくる夢を見ます。



今日、明日中くらいには日本語版の本も読み終わり

そうです。



今週一週間は、どよ~んとしそうです



いつまでもこんな感じだと、後輩が本格的に騒ぎ出しそうなので、そろそろないとね。
返信する
そうデスヨ☆ (てんこ)
2005-06-02 10:09:04
そりゃ、山崎半分あいてるし(笑)、元気ないしじゃ後輩君も心配しますよぉ~



ん~、でも仕方ないですよねぇ。

普通に切ない映画を見ただけで、ちょっと凹みますもん・・・。

私は、「藍宇」のケンタロウさんのコメントとか、あらすじ読んだだけで切ない気分になりましたよ。

自分の気持ちや、経験とぴったり合っているケンタロウさんなら、辛いのは当たり前ですよぉ。

でも、じっくり世界観にひたったり、大切な人のことを考える時間は必要だと思いますよ



確かに、いつまでも元気ないと、後輩君が困り果てそうなので、 また復活しちゃってくださいね
返信する

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