はしご湯別館

はしご湯のすすめは引っ越しました

暑さとブヨに負けた・・白砂山

2015年06月03日 | 【山】群馬・新潟

週末は、群馬・新潟・長野の県境に位置する白砂山へ行ってきました。

温泉巡りで以前から馴染みのある、群馬県中之条の野反湖畔に登山口があり、
花の咲く気分よい稜線歩きを楽しめるという白砂山を、
爽やかな初夏のシーズンを狙っての訪問です。


結論から言うと、山は良かった。確かに良かった。


しかーーーしっっっ、大量に襲い掛かるブヨと灼熱の暑さに



完敗。



この時期なので絶対に天敵のアレ(ブヨ)はいる!と確信していたので
巷で「効く」と評判のハッカ水も作り、市販の虫除けスプレーも持参、
更には虫除けネットも被り、万全の体制で挑んだハズだったんですけどね。

ま、予期せぬハプニングもあり、今回も天敵(ブヨ)にはアッサリ負けました。はい。



ってなワケで、ここ最近にない
キツイ修行のような山行となってしまったのですが~・・。



5月30日(土)
爽やかな新緑の風薫る朝、野反湖畔の駐車場に到着。
駐車場は綺麗な水洗トイレもあり、薬用石鹸も置かれていて、かなり良いです。

出発前の準備として、前日に作ったハッカ水を耳に塗り(いつも耳を狙われるので)
続いて帽子に数滴垂らそうとしたところ・・ボトルのキャップがポロリと外れ
「ジャーーーーッッ!!」一瞬にして全量が帽子にこぼれてしもた・・・。

ハッカ水でビシャビシャになった帽子を渋々被ると、頭皮が強烈にスースー。
ハッカの臭いも半端なく、おそらく半径2メートル位は虫も寄ってこないだろう・・
そして擦違うハイカーさんには、臭くて渋い顔されるんだろーなぁー。
などと思いつつ、出発前から軽く凹む。



7:18ハッカの臭いをプンプン放ちながら登山口出発。



よく整備された樹林帯の中、



清々しい清流を渡ったります。



足元には花々。



そして白く清楚なツバメオモト。
訪問時は開花はまだでしたが、マイヅル草も登山道脇に群生していました。


8:49水場への分岐です。



樹木が開け、目の前には野反湖と浅間と草津白根らしき山々が見えます。
ここまでは涼しい樹林帯で、汗はかきつつも喉は渇かずで、
ほとんど水分摂取せず。(←コレが後に体調不良を引き起こす)

この辺から、どう見ても怪しい感じの羽虫どもが大量にまとわり付いてきます。
「こっちは大量にハッカ水をかけてあるから大丈夫だもんね!」
などと余裕こいた矢先、ガブリッ!と耳を噛まれてしもーた。

おそらくハッカ水が蒸発して効果がすっ飛んでしまったか、
これまでに大量にかいた汗で流れてしまったか、ムンムン香る体臭がハッカに勝ったか・・。
以降、100匹位の羽虫をお供に登山道を練り歩く事に。
ちなみに持参した虫除けネットは、被ると視界が見えにくくなるので歩行中は使用せず。



8:58やがて木立の中に残雪が。
残雪地帯はヒンヤリ涼しく、たいへん心地よいです。


残雪地帯の終点まで来ると、目の前は笹薮。
少しばかりの藪漕ぎの後、再び夏道に合流。
(実はもう少し早く残雪地を右に曲がっていれば、
藪漕ぎせずともスムーズに夏道へ合流できた事が、後に判明)

ちなみに、この地蔵峠の残雪地帯は道迷が多発するそうで、
下山後に伺った茶屋のご主人の話によると
「つい先週も道迷いで警察が出動する騒ぎになった」との事。
更に頂上でお会いしたご夫婦も残雪地帯を左に入ってしまい、
しばらくの間、道をロストしてしまったと仰っていました。
どちら様もご用心。


やがて樹林帯を抜けると、



9:25八間山との分岐です。



目の前に白砂山へと続く稜線が見えます。



登山道には桜、そして・・・



石楠花も花を咲かせていました。

爽やかな高原の香りがし、見上げれば抜けるようなスカイブルー。
頭の中には「G線上のアリア」(稜線上なだけに)が優雅に流れる、そんな気分です。
(しかし・・・なんだか、ちぃと暑い)


小さな池溜まりには・・・
おやおや、サンショウウオくんの卵です。かわいいねー。


稜線上は景色も良く、最初は心地よかったのですが・・


少し歩くと、


暑い。


むちゃくちゃ暑い。



日陰がなく、容赦なく太陽がジリジリと照りつける。



登山道にはシラネアオイもあちこちに。(でも暑い)



アップで。(こうしている間も凄く暑い)



わぁ、イワカガミ。(暑すぎるので写真を撮りつつ休憩)



黄色いお花が綺麗だな。(再び休憩)


あまりの暑さに足取りも重くなり、頭がチカチカ、噴出す汗も半端ない。
以降、頻繁に何度も給水するも、樹林帯での水分補給が少なかった影響か
いまいち体調がパッとしない。


大量の汗に追い討ちをかけるように、
カッサカサに乾いた登山道の土埃が顔に付着してドロドロ。

BGMは「G線上のアリア」から、気が付けば地獄の黙示録の「ジ・エンド」に。
爽やかなはずの稜線が、熱帯地獄と化してしまった。


目の前に山頂らしきピークが見える。(・・という事は、あともうひと踏ん張りかぁ)
擦違った男性に「あれが山頂ですよね?」と尋ねると
「あれは違います、山頂はあの後ろに・・」との残念なお返事に強烈に落胆。


(とにかくもう、一刻も早く、この灼熱稜線から抜け出したい)



10:43そんなこんなで、やっとの思いで白砂山山頂到着!


山頂は思ったほど広くなく、しかも強烈に暑く、
そしてビックリする位、羽虫が旋回していました。
おかげで山頂にいた先客のハイカーさん達は全員、
虫除けネットを頭に被っているという奇妙な光景(勿論、自分も)。


暑いながらも山頂からの景色は素晴らしく、周囲の山々を見渡せます。


ここで、お昼休憩。
お腹を満たし、体を休め、元気復活!!


11:15山頂は狭いので、後から来るハイカーさん達の為にも、とっとと下山します。


さすが200名山ブランドか、続々と山頂を目指すハイカーさん達と擦違います。
みんな暑さにヤラレているのか、苦悶の顔つきで汗だくだく。


そして・・帰りも暑い。やっぱり暑い。絶対、暑い。
いや、むしろ、時間的に往路よりも暑い。


やがて登山道上にモワモワと陽炎まで登場。


暑さにヘバり、休み休みしながら、
ようやく八間山との分岐まで戻って来ました。

帰りは八間山経由のルートを考えていたのですが、
分岐点で出会った二人組みのお姉さんが、
「八間山から来たけど、あっちは暑かったーー、
今日はもう暑すぎて白砂山には行かない」と仰います。
その言葉を聞いて、八間山経由はアッサリ却下。
残雪残る涼しい地蔵峠を戻る事にしました。
(とにかく一刻も早く、あの涼しい残雪地帯へ戻りたい)


やがて天国のような残雪地へ戻って来ました。
登りでは気が付かなかったのですが、藪漕ぎしなくとも
すんなりと夏道に合流できるルートがあったんですね。
とにもかくにも、ここのヒンヤリとした空気に癒されました。


その後は、淡々と来た道を戻ります。



気が付けば、空には怪しい黒い雲。
まぁ、これだけ暑けりゃ、午後はああいう雲が発生しますって。



14:27やっと駐車場まで戻って来ました!

暑さとブヨに負けて、すっかり意気消沈。
夫婦揃って軽い熱中症にもなり重い足取りでやっと着いた駐車場です。


いや~っっっ、キツカッタ!


その後に入った温泉では、首筋に湯が沁みて、真っ赤に日焼けしていた事が判明。
どうやらコレも熱中症になった原因のひとつと思われ。
夜になっても体調はなかなか復活せず、その日は帰宅を断念し草津で車中泊。
ブヨに嚙まれた箇所はステロイドを塗ったにもかかわらず
翌日以降ビックリするほど腫れあがり、
「やっぱりブヨは毒気が凄いなぁ」と、しみじみ感心。


やー、それにしても久々の草津での車中泊。
十数年前にはごく少数派だったのに、ここ最近本当に車中泊組が増えた!



では、〆の一句なぞ・・。


稜線は寒いくらいがちょうどいい



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