はしご湯別館

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晴天!谷川岳・西黒尾根→ロープウェイ

2017年06月16日 | 【山】谷川連峰・苗場


梅雨の晴れ間となった爽やかな日曜日は、咲き始めたばかりの高山植物を見に谷川岳を歩いてきました。お目当てだった花はまだチラホラでしたが、なにしろ天気が最高でした。

やっぱり山歩きは天気が最・重・要ですよ。


2017年6月11日(日)

朝、谷川岳ロープウェイのベースプラザに車を停め出発です。少し土合駅方面へ戻れば無料の駐車スペースがいくつかあるんですが、管理に多くの人手や費用のかかる登山道を白毛門を含めいつもタダで歩かせてもらっているので、せめて少しだけでも何らかの形でお金を落としていければと、西黒尾根か厳剛新道を歩く時はベースプラザに停めるようにしています。


5:00西黒尾根の登山口出発です。西黒尾根を歩くのは約3年ぶりですが、前回は樹林帯がジメジメと蒸し暑く、とにかく不快だった記憶だけが強く残っています。今回は湿度も気温もそれほど高くなく、おかげで天敵ブヨの襲撃もなく(←これが一番のポイント)かなり快適に歩けました。いつもこうだといいんだけどね。名物のL字型の木も健在でした。



樹林帯は初夏を飛び越えて盛夏のような装いです。私達がフゥフゥ汗をかきながら歩いていると、単独男性がハイスビートで追い越してゆきました。



薄暗い樹林帯の中に赤いランタンのような満点星が輝いていました。ここで花を撮っていると、トレランの女性が颯爽と追い越してゆきました。トレランの人はなんでこんな急登を涼しい顔で走って行けるんだろ?何か特別な呼吸方法でもあるのかな?



6:18やっと樹林帯を抜けました!バーンと目の前が開け、その爽快な開放感に思わず「おおおっっ!」と大興奮。ここから一気に花も増えます。


スミレに、シラネアオイ、そして今年初のカタクリ。カタクリは花が閉じてましたが、これはまだ朝だからでしょーか??



例によって地面に這いつくばって花を撮っていると、突如後ろから随分前に私達を追い越したハズの男性が、何やら憔悴しきった顔で再登場しました。なんでも樹林帯の残雪地帯で右折する所をそのまま直進してしまい、藪移動しやっと登山道に復帰できたとの事。そういえば私達が樹林帯を歩いている時、左側の藪の中をガサガサ移動する人が見え隠れしていました。「山菜の人かなぁ」なんて呑気に話していたんですが・・。男性は馬蹄を歩く予定だったとの事ですが、だいぶテンションが下がってしまった様子。その後、無事に馬蹄を歩かれたでしょうか?



クサリ場です。ラクダの背までの間に3箇所ほどクサリ場がありましたが、樹林帯を抜けて一本目が一番高度感はあったかな。



白毛門方面もよく見えました。去年は春と秋に向こうからコチラを眺めていました。「もしかしたら今も向こうから見ている人がいるかもしれない」と手を振ってみました。



ロープウェイ天神平駅、そしてその後ろに裾野を広げる赤城山も見えます。


足元にはイワカガミの群生があちこちで咲き乱れています。白いイワカガミもありましたが、これは種類が違うんでしょうか?三昧は「枯れかけてるんじゃないの?」なんて夢のない事を言ってましたが。(←後で谷川岳ロープウェイのパンフレットを見たらヤマイワカガミという種類である事が載ってました)



6:46ラクダの背です。ずっと先の登山道上を、さっきの男性がハイスピードで歩いて行くのが小さく見えました。がんばれー。


まだ生まれたばかりの小さなモウセンゴケと、色鮮やかなショウジョウバカマもいました。先週の大源太山で見たショウジョウバカマは既に盛りを過ぎてションボリしていましたが、同じ山域でも谷川岳ではまだまだ元気です。



それにしても本当にいい日に来られました。



おっ、今年初のホソバヒナウスユキソウです!私の好きな高山植物の上位にランクインする花です。



こうしてよくよく見るとフエルトの手芸品みたいですね。三昧に言わせると「葉っぱにカビが生えたやつ」ですが・・。



かわいい雪割草もあちこちに咲いていました。



今回のコースの中では、この辺りが花が一番多かったかな。特に崖の斜面はちょっとした花畑状態でした。



こんなにいいお天気で最高の稜線日和なのに、前にも後ろにも人の姿がありません。みんな平標に「お花見」に行っちゃったのかな。




7:30西黒尾根名物の氷河跡です。ここまで来ると肩の小屋まであともう少しなので、ちょっとだけ気が楽になります。



肩の小屋直下の雪田まで来ました。



ほんの短い距離なのに、照り返しが眩しくて目が痛くなってしまいました。



8:03肩の小屋です。こんなに良い天気の日は、ここに泊まってボーッと夕焼けや朝焼けを眺めて過ごすのもいいなぁー。

まだまだ朝は気温が低いようで、山頂に向かう木の階段には霜がついていました。



8:11トマの耳です。青空が広がり、潔いまでの大展望です。山頂標識には誰かの忘れ物?カエルの人形が置かれていました。


ではオキの耳へ移動しましょう。花のハイシーズンはトマ~オキ間で花が咲き乱れメルヘンロードになるのですが、それにはまだちょっと早かったみたい。それでもシラネアオイをはじめ様々な花が見られました。



ハクサンイチゲが風に揺れています。純白の花びらが清楚な印象。



この花を見ると「いよいよ夏の花シーズンが始まったなぁ・・」と感じます。



そして、こちらはもう終盤の石楠花。



オウレンも咲いていました。



振り返ると、トマの耳の壁についた雪が、いまにも崩れ落ちそう・・。



8:20オキの耳です。


山頂は人の行き来が多くなりそうなので、少し先の神社近くで大休憩する事にしました。冷たい風が吹き付けて寒いので岩の陰に身を隠すように腰を下ろします。食事は山ごはんの大定番カップ麺でした。



近くではチングルマがポツリポツリと咲き始めていました。



アップで。



食後は尾瀬方面の山々をボーッと眺めた後、肩の小屋に移動しトイレをお借りしました。さっきは誰もいなかった小屋前の広場では、いつの間にやら大勢の人が休憩しています。



肩の小屋から平標方面へと続く谷川岳主脈と、その向こうには先週はガスで隠れていた苗場山もすっかり姿を見せていました。

9:35さぁー帰りましょう!帰りは天神尾根とロープウェイを利用します。



肩の小屋直下の雪田(天神尾根側)は、雪が柔らかくズルズルで、かなり歩きにくくなっていました。一応チェーンスパイクは装着しましたが、効いているのか効いていないのか・・。まぁ着けないよりはマシでしょう。雪田の下で団体さんに「コンニチハ」と声をかけたら、にっこり笑顔で返ってきたのは「アニョハセオー」でした。海外からも日本の山に登りに来てくれるなんて嬉しいなぁ。



天神尾根からはハイカーさん達が続々と登って来ます。若い人、年配の人、小さい子を連れたファミリーなどなど、谷川岳は老若男女問わず人気がありますね。



下りてきた道を名残惜しく振りかえります。



天神尾根でも花をたっぷりと楽しめました。



またまた登場、白いイワカガミ。


途中の熊穴沢避難小屋ではたくさんのハイカーさんが休憩されていました。



樹林帯はイワウチワの宝庫でした。



11:26ロープウェイ天神平駅に到着です。広場はたくさんの観光客で賑わっていました。ここからはロープウェイに乗って、あんなに汗をかきながら上った山を一気に下山です。嬉しいような、勿体ないような・・。


下山後の汗流しは11年ぶりに訪問の湯檜曽温泉林屋でした。相変わらずかけ流しの良い湯でした。


さぁ~、次はどこへ行こうかな?