川越の税理士♪ 小澤恵美税理士事務所

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そして税理士のつぶやきなど

違い 合同会社を調べていて その3

2018年01月26日 | 日記
こんにちは♪
川越の税理士 小澤 恵美です

毎日寒いですねぇ
今日 朝起きたら 給湯器の管が凍り付き
お湯が出ない!!というハプニングがありました。
ついに給湯器も壊れたか・・・とショックでしたが
凍っただけでしたので 30分くらいしたらお湯が出てきました。
ホッ

本日は長めですが「合同会社を調べていて」最後の章になります






〔株式会社と持分会社の違い〕

「合名会社」、「合資会社」、「合同会社」のことを一般に「持分会社」といいます。

  [株式会社]が所有者である株主と経営を分離させる形態であるのに対し、
  「持分会社」は所有と経営が分離されず、社員(会社の出資者)でなければ
   業務の執行をすることができません。

   株式会社と合同会社は、法人税法上の通常の申告は同じですが、細かい点で
   いろいろと注意すべきことがあります。

   その一つが、解散した後の清算事務手続にかかる事業年度の違いです。


〔みなし事業年度との関係〕

  法基通1-2-7(株式会社が解散等をした場合における清算中の事業年度)

   「株式会社が解散等(会社法475条各号《清算の開始原因》に掲げる場合をいう)を
   した場合における清算中の事業年度は、当該株式会社が定款で定めた事業年度にかかわらず、
   同法第494条第1項に規定する清算事業年度になるのであるから留意する」

   会社法第494条(貸借対照表の作成及び保存)

   「清算株式会社は、法務省令で定めるところにより、
   各清算事業年度(第475条各号に掲げる場合に該当することとなった日の翌日又は
   その後毎年その日(応答する日がない場合にあっては、その前日)から始まる
   各1年の期間をいう)に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書を
   作成しなければならない」


   つまり、株式会社の場合は、解散した日の翌日から1年が事業年度になります。
   例えば、3月決算の会社で7月に解散した場合は、8月1日から翌年の
   7月31日までが事業年度になります。


〔合同会社の解散事業年度〕

   会社法494条の規定は、会社法第2編「株式会社」にあり、
   株式会社と特例有限会社だけに適用されるもので、第3編の「持分会社」には
   関係ありません。
   持分会社が解散した場合の清算期間中の事業年度は従来どおりの取り扱いとなります。


   法人税法第14条(みなし事業年度)

   「次の各号に規定する法人が当該各号に掲げる場合に該当することとなったときは、
    前条第1項の規定にかかわらず、当該各号に定める期間をそれぞれ当該法人の
    事業年度とみなす。
    一 内国法人である普通法人又は協同組合等が事業年度の途中において解散
    (合併による解散を除く)をした場合・・・・・その事業年度開始の日から
    解散の日までの期間及び解散の日の翌日から
    その事業年度終了の日までの期間」


   合同会社の場合は持分会社のため、株式会社の取り扱いは適用されず、 
   元の事業年度のままですので、 3月決算の会社で7月解散した場合の事業年度は、
   4月1日から 7月31日までが解散事業年度(事業を営んだ最後の事業年度)、
   8月1日から3月31日までが清算期間中の最初の事業年度となります。

   株式会社と同様と思っていると、申告期限を過ぎてしまうこともありますので注意が必要です。
   また、不動産を複数所有していてなかなか処分できない場合などは、
   解散から清算結了までに数年かかることもあります。


合同会社を調べていての話 その2

2018年01月05日 | 日記
こんにちは

川越の税理士 小澤恵美です

川越はお正月中、たくさんの観光客の方や神社・仏閣に初詣の方々で大賑わいです

お蔭さまで? ワタクシ自宅から事務所まで通常車で25分くらいのところ
今は40分から1時間かかります
渋滞です・・・・
ふぅ

さて、合同会社を調べていてのお話し2です
本日は「債権者と出資者の関係」と「合同会社とは」についてです


〔債権者と出資者の関係〕

会社に物品などを売った人や会社に金を貸した銀行などは、外部の債権者ということになります。
債権者は、当然、会社からそれらの代金や貸した金(債権者から見ると貸付金)の返済をしてもらいますが、
会社が返済できなかったらどうでしょうか。債権者は、会社の出資者、
つまり会社の「オーナー」に金を返せと言えるでしょうか。

商法には会社の形態ごとに、出資者の責任について決められています。
すなわち、出資者の責任という観点から、「有限責任」のグループと「無限責任」のグループに分けられます。
会社が「有限責任」であれば、出資者は出資額以上には返済の必要はありません。
しかし、「無限責任」であれば、出資者が、出資額を超えて責任を負い、返済しなければなりません。

対外的には株式会社は「有限責任」であり,会社の債務が返済できない場合でも、
個人財産で返済する義務を負いません。これは、債権者は出資者に対して、出資額を超えた
返済を要求することができないということです。
   有限会社の出資者も同様に「有限責任」です。

一方、合名会社や合資会社はどうでしょうか。商法上、合名会社の出資者(「社員」といわれます)は、
「無限責任」です。合資会社は、「無限責任」の出資者(「無限責任社員」といわれます)の他に
「有限責任」の出資者(「有限責任社員」といわれます)も認められています。
そのほか、民法上の組合の出資者も「無限責任」です。


〔合同会社とは〕

これまでの日本の会社形態は、次の2つに分けられていました。

 (1) 内部組織と規制が複雑でより厳しい規制を持ち、かつ出資者と外部の債権者と
     の関係が有限責任である組織形態・・・・・株式会社、有限会社

 (2) 内部組織について簡素な組織で高い自由度が認められ、かつ出資者と外部の
     債権者との関係が無限責任である組織形態・・・・合同会社、合資会社、民法組合

 「合同会社」は社員の有限責任が確保され、会社の内部関係については組合的規律が
 適用されるという特徴を持ちます。
 この組合的規律とは、原則として全員一致で定款の変更その他の会社の在り方が決定され、
 社員自らが会社の業務の執行に当たるという規律です。
 
  会社債権者に対して有限責任で、内部組織も簡素で高い自由度が認められる組織形態が
 「合同会社」というものです。



会社の種類 (合同会社を調べていての話 その1) 

2018年01月03日 | 日記
明けまして おめでとうございます
本年もよろしくお願い致します
川越の税理士 小澤恵美です


さて、正月は2日から仕事しておりますので
正月ぅという気分ではありませんが
合同会社について色々と調べておりまして
「会社について」を
ブログに書いてみようと思います

今日は 「会社の種類」についてです


〔会社の種類〕

   日本の会社形態は、今までは株式会社、有限会社、合名会社、合資会社の4つでした。

内部の組織に高い自由度が認められるかどうかという点では、合名会社と合資会社がそのような組織です。
また、これらの組織は、多くの点で民法の組合の組織と類似します。
合名会社や合資会社は、社員(構成員)の相互の結びつきを重視し、会社と社員との関係が密接で
あるため「人的会社」と呼ばれます。

「人的会社」は、出資者の個性が重視され、出資者の能力・信用力や出資者間の人的信頼が重視される組織です。
例えば、気心の知れた仲間でビジネスをする場合に、仲間うちで出資し自分たちで経営をします。
商法上の概念では、「所有と経営は一致している」と言えます。
対内的には定款自治が原則であり、商法規定による干渉は少なくてすみます。
商法もこのような会社では、出資者による総会(社員総会)しか規定していません。
その他のルールも少なく、原則として会社の内部組織については、自由に作り自由にマネジメントができます。

一方、株式会社と有限会社はそれらの結びつきが希薄なため「物的会社」と呼ばれます。
これはどういうことかというと、商法は、株式会社では、所有者(オーナー)と経営者(マネジメント)は
異なる(「所有と経営の分離」といいます)という前提を置いて規制を決めているのです。
そのため、経営者が「オーナー」から預かったお金を「オーナー」の目的に従って忠実に活用しているか、
勝手に自分の私腹を肥やしていないかなどをチェックするために、いろいろな組織やルールが必要になるのです。

商法は、株式会社が問題を起こさず適切に経営するために、たくさんの規則や組織を定めています。
株式会社の組織には、株主総会、取締役、代表取締役、取締役会、監査役、監査役会など、
いろいろな役割を果たす方々(これらは商法上「機関」と言われます)がいます。「会計参与」という機関も登場します。












空き家対策5 『空き家の譲渡所得の3000万円の特別控除』

2017年12月15日 | 日記
こんにちは。
今年もあと2週間とちょっと
あっという間に月日が流れていきますねぇ

川越の税理士 小澤恵美
です

今日は空き家対策の最終章「空き家の譲渡所得の3000万円の特別控除」について
書いていきます
          


〔空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除〕

空き家の発生を抑制するための特別措置として、平成28年4月1日~平成31年12月31日までに相続した
空き家を譲渡した場合、一定の要件を満たすと譲渡所得の「3,000万円特別控除」の適用が受けられます。
この制度は相続により空き家となってしまった家屋等を売却しやすくするための制度とも言えます。

『具体的には、相続日から起算して3年を経過する日の属する年の12月31日までに、
被相続人の居住の用に供していた家屋を相続した相続人が、その家屋(耐震性のない場合は
耐震リフォームをしたものに限り、その敷地を含む。)または取り壊し後の土地を譲渡した場合には、
その家屋または土地の譲渡所得から3,000万円を特別控除する』という内容です。


  【譲渡所得の計算式】

   譲渡所得=譲渡価額-(取得費※+譲渡費用)-特別控除3,000万円
                                    (この特例措置)
(※取得費が不明の場合は、取得費を譲渡価額の5%で計算)

  【具体例】
 相続した家屋を取り壊して更地にして500万円で売った場合の税額
(昭和55年建築、譲渡費用200万円、被相続人が20年間所有、取得価額不明)

   ① 特別控除を適用する場合(所得税15%・住民税5%)
     (500万円-500万円×5%-200万円-3,000万円)×20%= 0 円

   ② 特別控除の適用がない場合
     (500万円-500万円×5%-200万円)×20%= 55万円


〔空き家の3,000万円特別控除の適用要件〕(ポイント)

  (1) 対象家屋は相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていたものであること
      (被相続人が1人で住んでいた家屋)

  (2) 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること(区分所有家屋(マンション)を除く)

  (3) 相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付の用又は居住の用に供されていないこと(空き家の状態)

  (4) 譲渡価額は1億円以下であること

  (5) 相続日から起算して3年を経過する年の12月31日までに譲渡すること

  (6) (5)の要件を満たし、かつ、特例の適用期間である平成28年4月1日から平成31年12月31日までに 
      譲渡すること

  (7) 家屋を取り壊さずに譲渡する場合には、その家屋が新耐震基準に適合するものであること



〔老人ホームに入所した場合の3,000万円特別控除〕

この制度は、相続時から3年を経過する日の属する12月31日までに、被相続人が居住の用に供していた家屋(その敷地を含む)を、
相続人が取得した後に譲渡した場合、譲渡益から3,000万円を控除することができるというものです。

この規定の適用を受けるための要件の1つに、「(1)相続発生の直前に、その家屋に、被相続人が1人で住んでいた」
というものがあります。

「空き家の増加原因(2)」でも述べましたが、親が老人ホームに入居して自宅が空き家になるケースは多いのでは
ないかと思いますが、亡くなるまで老人ホームに入居していた場合は、相続開始直前において居住していた家屋には
該当しなくなるため、この「3,000万円特別控除」の適用を受けることはできません。

老人ホームに入居した場合には、「生活の本拠」が、自宅から老人ホームに移ったと考えられるため、
「相続開始直前まで居住の用に供されていた家屋」には該当しない、ということです。

なお、相続税の申告において、建物や構築物の敷地になっている宅地で、被相続人や被相続人と
生計を一にしていた親族が、住んでいた宅地や事業を行っていた宅地を、一定の親族が相続したときに、
一定の限度面積まで、その宅地の評価額を80%又は50%減額してくれる「小規模宅地等の特例」という制度があります。

この「小規模宅地等の特例」に関しては、老人ホームに入居していても、一定の要件を満たせば、
80%又は50%の評価減を受けることができます。

このように、「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」と、相続税における「小規模宅地等の特例」とでは、
老人ホームの入所に関して、「生活の本拠」に対する考え方が違っています。

「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」は、相続開始直前まで親が「生活の本拠」としていた
居住用財産を譲渡する場合を想定しているので、老人ホームに移った場合には「生活の本拠」が老人ホームになり、
「親が相続の直前まで住んでいたこと」という、この制度の趣旨とは違ってくるからだと思われます。



空き家対策 その4 問題となる空き家とは・・・

2017年12月11日 | 日記
こんにちは
川越の税理士 小澤恵美 です

さて、今回は空き家対策の中で
「問題となる 空き家 とは」
について書いてみます


「特定空き家等」とは

「1年以上居住が認められない建物」であっても持ち主がきちんと管理していれば問題ないわけで、
きちんと管理されている空き家は、「空き家対策特別措置法」の対象にはなりません。

それでは問題になる「空き家」とは、どのようなものを言うのでしょうか。
空き家対策特別措置法では、「そのまま放置すれば安全上危険、衛生上有害となるおそれのある状態、
他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にある空き家等」を
「特定空き家等」と定義しています。


具体的に言えば次のような状態の「空き家」を言います。

  ① 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
  ② 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  ③ 適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
  ④ その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態



〔「特定空き家等」に該当するとどうなるか〕

「空き家対策特別措置法」が施行される前は各自治体の条例でしか対応できなかったことが、
「空き家対策特別措置法」が施行されたことにより、「特定空き家」への行政の立入調査ができるようになりました。
また、所有者に指導、勧告、命令、代執行の措置がなされることになります。

   自治体による立入調査から代理執行にいたるまでのプロセス

    [空き家の調査]       立ち入り調査を拒否すると20万円以下の過料

       ↓

    [特定空き家に指定]

       ↓

    [助言・指導]

       ↓            固定資産税の住宅用地特例から除外される
    [勧   告]          ⇒固定資産税が高くなる
       ↓
 
    [命   令]         命令違反すると50万円以下の過料
       ↓

    [行政代執行]          執行にかかった費用は所有者負担
                     支払えない場合は資産差し押さえなど


〔固定資産税等の増税〕(税金優遇措置がなくなる)

住宅用の建物が建っている土地に関して、固定資産税額は3分の1に軽減されています。
その中でも、特定の土地(小規模住宅用地)は税額が6分の1にまで軽減されています。
市町村から「勧告」を受けるとこれらの軽減措置が受けられなくなり、最大で税額が
6倍になってしまいます。

また、市町村から「勧告」を受けると、都市計画税に適用される住宅用地特例が受けられなくなり、
都市計画税が最大で3倍になってしまいます。

「勧告」を受けることにより土地の固定資産税が6倍になる事を避けるため、
所有者は助言・指導の段階で対策を行う必要があります。